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【Excel】エクセルで下3桁を切り捨て000にする(ROUNDDOWN関数・INT関数・数式・千未満切り捨て)

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Excelで数値を扱っていると、下3桁を切り捨てて000にしたい場面は頻繁に訪れます。

売上データを千円単位で表示したい、在庫数を千個単位で概算したい、人口統計を千人単位で丸めたいなど、下3桁を切り捨てて千未満を000にする処理は、データの見やすさと分析効率を大きく向上させます

手作業で一つずつ計算して入力していては膨大な時間がかかり、計算ミスのリスクも高まります。データ件数が数百、数千となれば、手作業での対応は現実的ではありません。

Excelには下3桁を切り捨てる方法が複数用意されています。

ROUNDDOWN関数を使った正確な切り捨て、INT関数と割り算を組み合わせた方法、TRUNC関数による小数点以下の処理など、それぞれに特徴があり、状況に応じて最適な方法が異なります。

本記事では、下3桁を切り捨てて000にする様々な方法を詳しく解説し、関数の使い方や数式の組み立て方、実務での活用テクニックを紹介します。

数値データの整形や集計作業を効率化したい方は、ぜひ最後までお読みください。

ポイントは

・ROUNDDOWN関数で桁数を指定して正確に切り捨てられる

・INT関数と割り算・掛け算の組み合わせでも実現可能

・表示形式との違いを理解して使い分けることが重要

です。

それでは詳しく見ていきましょう。

下3桁切り捨てとは何か

それではまず、下3桁を切り捨てて000にするとはどういうことか、基本的な概念を確認していきます。

千未満を切り捨てる処理の意味

下3桁を切り捨てるとは、数値の千の位未満(百の位、十の位、一の位)をすべて0にする処理です。

例えば、12345という数値があった場合、下3桁の345を切り捨てて12000にします。

98765なら下3桁の765を切り捨てて98000、3456なら456を切り捨てて3000になります。

この処理は、細かい数値を省略して概算値で表示したい場合や、千円単位、千個単位で集計したい場合に使用します。

売上報告書で「12,345,678円」と表示するより「12,346千円」と表示した方が見やすい場合があります。

ただし、この例は四捨五入ですが、切り捨ての場合は「12,345千円」となり、常に元の値以下の値になります。

下3桁切り捨ては、千未満を0にする処理です。12345→12000、98765→98000のように、千の位未満が000になります。

切り捨て処理を行うと、元のデータの正確性は失われますが、大まかな傾向を把握しやすくなります。

特に、大量のデータを扱う場合や、プレゼンテーション資料を作成する場合に有効です。

元の値 下3桁切り捨て後 切り捨てられた部分
12345 12000 345
98765 98000 765
3456 3000 456
999 0 999
1001 1000 1

切り捨てと表示形式の違い

下3桁を000にする方法には、実際に値を変更する「切り捨て」と、見た目だけを変える「表示形式」の2種類があります

切り捨ては、セルの実際の値を変更する処理で、12345という値を12000に書き換えます。

この場合、他のセルでこの値を参照して計算すると、12000として計算されます。

一方、表示形式は、セルに保存されている値は12345のままで、画面上の表示だけを「12千円」や「12,000」のように見せる方法です。

この場合、他のセルで参照すると、実際の値12345が使用されます。

どちらを使うかは、用途によって異なります。

集計や計算で千単位の値を使いたい場合は切り捨て、元のデータを保持したまま見た目だけを整えたい場合は表示形式が適しています。

切り捨てが必要な実務シーン

下3桁の切り捨てが実際に必要とされる場面は多数あります。

財務報告書や予算資料では、千円単位や百万円単位での表示が一般的です。

例えば、売上高が12,345,678円の場合、「12,346千円」(四捨五入)または「12,345千円」(切り捨て)と表示します。

在庫管理では、細かい単位よりも千個単位での把握が効率的な場合があります。

また、人口統計や大規模なデータ分析では、下3桁や下4桁を切り捨てることで、データの傾向を把握しやすくなります。

グラフやチャートを作成する際も、細かすぎる数値より、丸められた数値の方が視覚的に理解しやすくなります。

切り捨て処理を行う際は、元のデータを別の列に残しておくことをおすすめします。

切り捨てた値は元に戻せないため、詳細な数値が必要になった場合に困ることがあります。

A列に元のデータ、B列に切り捨て後のデータという形で管理すれば、両方の値を使い分けられます。

また、切り捨てを行う前に、本当に切り捨てが必要か、表示形式での対応で十分ではないかを検討することも重要です。

ROUNDDOWN関数で下3桁を切り捨てる

続いては、最も正確で確実なROUNDDOWN関数を使った方法を確認していきます。

ROUNDDOWN関数の基本構文

ROUNDDOWN関数は、指定した桁数で数値を切り捨てる関数です。

基本的な構文は「=ROUNDDOWN(数値,桁数)」で、数値を指定した桁数で切り捨てます。

桁数の指定方法が重要で、正の数なら小数点以下の桁数、負の数なら整数部分の桁数を指定します。

下3桁を切り捨てる場合、桁数に「-3」を指定します。

例えば、A1セルに12345という数値が入っている場合、B1セルに「=ROUNDDOWN(A1,-3)」と入力すると、結果は12000になります。

ROUNDDOWN関数で下3桁を切り捨てるには、「=ROUNDDOWN(数値,-3)」と入力します。桁数に-3を指定することで千未満が切り捨てられます。

桁数の-3は、千の位未満を切り捨てることを意味します。

-2なら百の位未満(下2桁)、-4なら万の位未満(下4桁)を切り捨てます。

この柔軟性により、様々な桁数での切り捨てに対応できます。

A列(元の値) B列(数式) 結果
12345 =ROUNDDOWN(A1,-3) 12000
98765 =ROUNDDOWN(A2,-3) 98000
3456 =ROUNDDOWN(A3,-3) 3000
999 =ROUNDDOWN(A4,-3) 0

桁数指定の詳細

ROUNDDOWN関数の桁数指定について、正の数と負の数で動作が異なることを理解する必要があります

桁数に1を指定すると、小数点第1位までを残して第2位以下を切り捨てます。

桁数に0を指定すると、整数部分のみを残して小数点以下を切り捨てます。

桁数に-1を指定すると、十の位未満(一の位)を切り捨てます。

桁数に-2を指定すると、百の位未満(十の位と一の位)を切り捨てます。

桁数に-3を指定すると、千の位未満(百の位、十の位、一の位)を切り捨てます。

このように、負の数を指定することで、整数部分の下位桁を切り捨てることができます。

複数のデータに対して一括で適用する場合は、数式を入力したセルのフィルハンドルをドラッグすれば、すべてのデータに同じ処理が適用されます。

桁数の指定 意味 12345.678の結果
2 小数第2位まで残す 12345.67
0 整数部分のみ 12345
-1 十の位未満切り捨て 12340
-2 百の位未満切り捨て 12300
-3 千の位未満切り捨て 12000

ROUNDDOWN関数のメリット

ROUNDDOWN関数を使う最大のメリットは、正確で確実な切り捨て処理ができることです。

関数名が明確で、数式を見れば切り捨て処理を行っていることがすぐにわかります。

他の人がファイルを開いた場合でも、意図が理解しやすくなります。

また、桁数の指定を変更するだけで、異なる桁での切り捨てに簡単に対応できます。

-3を-4に変更すれば下4桁の切り捨て、-2に変更すれば下2桁の切り捨てになります。

負の数値に対しても正しく動作し、エラーが発生しにくい安定した関数です。

ROUNDDOWN関数は、切り捨て専用の関数として設計されているため、予期しない動作が起こりにくいという特徴があります。

似た関数にROUND関数(四捨五入)、ROUNDUP関数(切り上げ)がありますが、明確に切り捨てを行いたい場合はROUNDDOWNを使用します。

また、ROUNDDOWN関数は、Microsoft Excel、Google スプレッドシート、LibreOffice Calcなど、ほとんどの表計算ソフトで使用できるため、互換性が高いというメリットもあります。

INT関数と割り算を使う方法

続いては、INT関数と割り算・掛け算を組み合わせた方法を確認していきます。

INT関数による整数化

INT関数は、数値の小数点以下を切り捨てて整数にする関数です。

基本的な構文は「=INT(数値)」で、小数点以下を切り捨てた整数を返します。

例えば、INT(12.9)は12、INT(99.1)は99になります。

この関数単体では下3桁の切り捨てはできませんが、割り算と掛け算を組み合わせることで実現できます。

下3桁を切り捨てる手順は、まず数値を1000で割り、INT関数で整数化し、再び1000を掛けるという流れです。

A1セルに12345がある場合、「=INT(A1/1000)*1000」という数式で12000になります。

INT関数で下3桁を切り捨てるには、「=INT(数値/1000)*1000」と入力します。1000で割って整数化し、再び1000を掛けます。

この数式の仕組みを詳しく見ると、12345÷1000=12.345となり、INT関数で12に切り捨てられ、12×1000=12000となります。

割る数と掛ける数を変更すれば、異なる桁数の切り捨てにも対応できます。

下2桁なら100で割って100を掛ける、下4桁なら10000で割って10000を掛けます。

A列(元の値) B列(数式) 計算過程 結果
12345 =INT(A1/1000)*1000 12.345→12→12000 12000
98765 =INT(A2/1000)*1000 98.765→98→98000 98000
3456 =INT(A3/1000)*1000 3.456→3→3000 3000
999 =INT(A4/1000)*1000 0.999→0→0 0

TRUNC関数による代替

INT関数の代わりに、TRUNC関数を使うこともできます

TRUNC関数は「=TRUNC(数値,桁数)」という構文で、指定した桁数で数値を切り捨てます。

ROUNDDOWN関数と非常に似ていますが、負の数値の扱いに若干の違いがあります。

下3桁を切り捨てる場合、「=TRUNC(A1/1000)*1000」または「=TRUNC(A1,-3)」のどちらでも使用できます。

TRUNC関数も桁数指定ができるため、「=TRUNC(A1,-3)」とすれば、ROUNDDOWN関数と同じように下3桁を切り捨てられます。

実務上、正の数値を扱う場合はROUNDDOWNとTRUNCはほぼ同じ結果になりますが、負の数値を扱う場合は動作が異なることがあります。

数式の組み立て方

INT関数を使った方法の利点は、計算の過程が明確でわかりやすいことです。

「1000で割って整数化して1000を掛ける」という手順が、数式から直接読み取れます。

この方法は、関数に慣れていない人にとっても理解しやすく、メンテナンスしやすい数式です。

また、割る数と掛ける数を変数にすることで、より柔軟な数式を作ることもできます。

例えば、C1セルに「1000」という基準値を入力し、「=INT(A1/C1)*C1」という数式を使えば、C1の値を変更するだけで切り捨てる桁数を変更できます。

INT関数を使った方法は、プログラミング的な発想に基づいた手法で、他のプログラミング言語でも同様のロジックが使われます。

そのため、プログラミング経験がある人には馴染みやすい方法です。

ただし、数式がやや長くなるため、大量のセルで使用すると、ファイルサイズが大きくなることがあります。

また、計算ステップが多い分、わずかですが計算時間も長くなります。

パフォーマンスが重要な場合や、数式をシンプルにしたい場合は、ROUNDDOWN関数の方が適しています。

その他の方法と実務テクニック

最後に、その他の便利な方法や実務で使えるテクニックを確認していきます。

FLOOR関数による切り捨て

FLOOR関数を使って下3桁を切り捨てることも可能です。

FLOOR関数は、指定した基準値の倍数に切り捨てる関数で、「=FLOOR(数値,基準値)」という構文です。

下3桁を切り捨てる場合、基準値に1000を指定します。

「=FLOOR(A1,1000)」とすれば、A1の値が1000の倍数に切り捨てられます。

12345なら12000、98765なら98000になります。

FLOOR関数は、特定の倍数に丸めたい場合に便利で、1000だけでなく、500や250などの任意の倍数に切り捨てることができます。

ただし、FLOOR関数は負の数値を扱う際に注意が必要で、期待した結果にならないことがあります。

MOD関数との組み合わせ

MOD関数を使って下3桁を取り除く方法もあります。

MOD関数は余りを求める関数で、「=MOD(数値,除数)」という構文です。

下3桁を切り捨てるには、「=A1-MOD(A1,1000)」という数式を使います。

MOD(A1,1000)は、A1を1000で割った余り、つまり下3桁を返します。

元の値から下3桁を引くことで、下3桁が000になります。

12345の場合、MOD(12345,1000)は345なので、12345-345=12000となります。

この方法は、やや回りくどいですが、MOD関数の理解を深める良い練習になります。

表示形式での見せ方

実際の値は変更せず、表示形式だけで千単位に見せる方法もあります。

セルを選択して右クリック、「セルの書式設定」→「表示形式」→「ユーザー定義」で、「#,##0,」という書式を設定します。

末尾のカンマは、千単位で表示することを意味します。

12345は「12」と表示され、実際の値は12345のまま保持されます。

「#,##0,”千円”」とすれば「12千円」と表示されます。

この方法は、元データを保持したまま見た目を整えたい場合に最適ですが、実際に値を000にしたい場合は、前述の関数を使った方法が必要です。

方法 数式例 メリット デメリット
ROUNDDOWN =ROUNDDOWN(A1,-3) シンプルで正確 特になし
INT =INT(A1/1000)*1000 仕組みが明確 数式がやや長い
FLOOR =FLOOR(A1,1000) 任意の倍数に対応 負の数で注意必要
MOD =A1-MOD(A1,1000) 余り計算の応用 やや回りくどい

実務では、ROUNDDOWN関数を使う方法が最もスタンダードで推奨されます。

関数名が明確で、桁数指定も直感的、互換性も高いためです。

ただし、状況によっては他の方法が適している場合もあります。

既にINT関数を多用しているファイルなら、統一性のためにINT関数を使う方が良いかもしれません。

また、プログラムやマクロから自動生成する場合は、INT関数の方が実装しやすい場合もあります。

最も重要なのは、チーム内で統一されたルールを作り、誰が見ても理解できる数式を使うことです。

まとめ エクセルで下3桁を切り捨て000にする(ROUNDDOWN関数・INT関数・数式・千未満切り捨て)方法

エクセルで下3桁を切り捨て000にする方法をまとめると

・ROUNDDOWN関数:「=ROUNDDOWN(数値,-3)」で千の位未満を切り捨て、桁数に-3を指定することで下3桁が000になる、最もシンプルで正確な方法

・INT関数:「=INT(数値/1000)*1000」で同じ結果を実現、1000で割って整数化し再び1000を掛ける、計算過程が明確でわかりやすい

・その他の方法:FLOOR関数で「=FLOOR(数値,1000)」、MOD関数で「=数値-MOD(数値,1000)」、TRUNC関数で「=TRUNC(数値,-3)」も使用可能

・表示形式との違い:関数は実際の値を変更、表示形式は見た目だけを変更、用途に応じて使い分けが重要

これらの方法にはそれぞれメリットがあり、状況に応じた使い分けが重要です。

一般的にはROUNDDOWN関数が最も推奨され、シンプルで正確、互換性も高いという特徴があります。

ただし、元のデータを保持したまま見た目だけを整えたい場合は、表示形式の活用も検討すべきです。

切り捨て処理を行う際は、元データを別列に残し、処理後の値は新しい列に出力することで、後から元の値が必要になった場合にも対応できます。

Excelの切り捨て機能を適切に活用して、見やすく分析しやすいデータ整形を実現していきましょう!