大気圧(atm)とpaの単位変換・換算方法は?1atmは何パスカル?1パスカルは何atm?例題付の計算方法
圧力の単位として日常や科学の場面で頻繁に登場する「大気圧(atm)」と「Pa(パスカル)」。
この2つの単位は、気象学や化学・物理学・工学など幅広い分野で使われており、単位変換をスムーズに行えるかどうかが問題を解くカギになることも少なくありません。
「1atmって何パスカルだったっけ?」「逆にPaからatmへ換算するにはどうすればいいの?」と疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
本記事では、atmとPaの関係性をわかりやすく解説するとともに、具体的な計算例も交えながら単位変換の方法を丁寧に紹介していきます。換算表や計算式も掲載していますので、試験対策や実務での確認にもぜひ役立ててみてください。
1atmは何パスカル?単位変換の基本となる関係式
それではまず、atmとPaの基本的な関係について解説していきます。
大気圧の単位変換を理解するうえで、もっとも重要な関係式は次のとおりです。
1 Pa ≒ 9.869 × 10⁻⁶ atm

この数値は国際的に定義された「標準大気圧」に基づいており、物理学・化学のあらゆる計算の基盤となっています。atmとは「標準大気圧(atmosphere)」の略で、海面における平均的な大気の圧力を基準として定められた単位です。
一方のPa(パスカル)は、SI単位系(国際単位系)における圧力の基本単位であり、1Paは1平方メートルに1ニュートンの力が作用するときの圧力を意味します。非常に小さな単位であるため、実際の計算ではkPa(キロパスカル)やhPa(ヘクトパスカル)といったより大きな単位と組み合わせて使われることがほとんどです。
atmとPaはどのような単位?
atm(アトム)は、もともと地球の大気圧を基準として定められた単位です。科学の歴史において長く使われてきた単位であり、化学の気体の状態方程式や溶解度の計算などでは現在も広く用いられています。
対してPa(パスカル)は、フランスの数学者・物理学者であるブレーズ・パスカルの名前に由来するSI単位系の圧力単位です。1971年の国際度量衡総会でSI単位系の圧力単位として採用されて以降、科学・工業・医療など多くの分野に普及してきました。
気象予報で「今日の気圧は1013hPaです」と耳にしたことがある方も多いはず。これは約1atmに相当する値であり、地表付近の標準的な大気の状態を表しています。
1atmが101325Paになる根拠
1atmが101325Paと定義された背景には、1954年の国際度量衡委員会(CIPM)による決議があります。この定義は、海面における平均的な大気の圧力を精密に測定した結果から導かれたものであり、現在も国際的な標準値として使用されています。
ちなみに、1atmは101.325kPaとも表現でき、気象分野で使われる1013.25hPaとも等しい値です。これらはすべて同じ圧力を表しており、場面に応じて使い分けられているにすぎません。単位の表記が変わっても、指し示している物理的な状態はまったく同じである点を意識しておくと、変換の際に混乱しにくくなるでしょう。
単位の使われ方の違い
atmは主に化学や物理の理論計算・教育現場で使われる一方、Paは工業・医療・気象など実用分野での標準単位として普及しています。たとえば、タイヤの空気圧はkPa(キロパスカル)で表示されますし、血圧はmmHgやPaで管理されることもあるでしょう。
特に受験化学では、気体の状態方程式(PV=nRT)を使う問題でatmとPaが混在することも多く、単位をそろえる意識が非常に重要です。気体定数Rの値もatm基準(R=8.20×10⁻² L・atm/(mol・K))とPa基準(R=8.314 J/(mol・K))で異なるため、使う単位を最初に確認してから計算を進めることが大切です。
atmからPaへの変換方法と計算式
続いては、atmからPaへの具体的な変換方法を確認していきます。変換の基本式はシンプルで、次のように表せます。
つまり、与えられたatmの値に101325を掛けるだけでPaに変換できます。覚え方としては「atmにパスカルの定数をかける」とシンプルに整理しておくと忘れにくいでしょう。
計算例①:2atmを何Paに換算するか
では実際に計算してみましょう。2atmをPaに変換する場合は以下のとおりです。
したがって、2 atm = 202650 Pa
この計算では、単位の「atm」が分子と分母でキャンセルされ、最終的にPaだけが残ります。単位の次元をしっかり追う習慣をつけると、計算ミスを防ぐことができるでしょう。
202650Paという値は約2気圧の圧力を意味しており、深海や高圧タンク内の圧力を表す際によく登場する数値です。ダイビングでは水深10mごとに約1atm(約101325Pa)の圧力が加わるとされており、水深10mの地点では2atm=202650Paの圧力がかかっている計算になります。
計算例②:0.5atmを何Paに換算するか
次に、0.5atmをPaへ換算してみます。
したがって、0.5 atm = 50662.5 Pa ≈ 50663 Pa
小数点以下の扱いは問題の条件によって異なりますが、一般的には有効数字に合わせて四捨五入するのが適切です。0.5atmは標準大気圧のちょうど半分であり、高度約5500m付近(エベレスト登山中間地点あたり)の大気圧に相当すると言われています。高山では酸素濃度も下がり、体への負担が増す理由のひとつがこの気圧の低下にあります。
よく使われるatm→Pa換算表
頻出の値をまとめた換算表も確認しておきましょう。
| atm(大気圧) | Pa(パスカル) | kPa(キロパスカル) |
|---|---|---|
| 0.1 atm | 10132.5 Pa | 10.1325 kPa |
| 0.5 atm | 50662.5 Pa | 50.6625 kPa |
| 1 atm | 101325 Pa | 101.325 kPa |
| 2 atm | 202650 Pa | 202.650 kPa |
| 5 atm | 506625 Pa | 506.625 kPa |
| 10 atm | 1013250 Pa | 1013.25 kPa |
この表を手元に置いておくと、試験や問題を解く際に素早く確認できて便利です。atmの値が2倍・5倍・10倍になるにつれて、Paの値も比例して大きくなっていることが一目でわかります。
PaからatmへのPa単位換算方法と計算式
続いては、PaからatmへのPa単位換算方法を確認していきます。逆方向の変換、つまりPaからatmへ換算する場合は、次の計算式を使います。
または
atm = Pa × (1 / 101325)= Pa × 9.869 × 10⁻⁶
PaをatmにするにはPaの値を101325で割るだけとシンプルです。atm→Paが「かけ算」、Pa→atmが「わり算」と覚えておくと、どちらの方向に変換するかで迷わなくなるでしょう。
計算例③:101325Paは何atmか
もっとも基本的な確認として、101325PaをatmへPatm変換してみます。
したがって、101325 Pa = 1 atm
これは定義そのものの確認ですが、計算の流れを把握するためにも重要な例題です。答えが「1」になれば変換式が正しく使えている証明になりますので、練習の第一歩として取り組んでみてください。単位変換で不安を感じた際も、この基本に立ち返ることで確認できます。
計算例④:50000Paは何atmか
次に、50000PaをatmへのPa変換を行います。
したがって、50000 Pa ≈ 0.4935 atm
この値は0.5atmに近い数値ですが、厳密には少し下回ります。問題によっては有効数字3桁で「0.494 atm」と表すこともあるでしょう。計算の際は問題文に指定された有効数字の桁数を必ず確認し、それに合わせて答えを丸めることが大切です。
なお、50000Paを別の単位で表すと50kPa・500hPaとなります。500hPaは対流圏の中層(高度約5000〜6000m付近)に相当する気圧であり、気象予測でも重要視される高度です。
よく使われるPa→atm換算表
こちらも頻出の値をまとめた換算表で確認しておきましょう。
| Pa(パスカル) | atm(大気圧) | 備考 |
|---|---|---|
| 1 Pa | 約 9.869 × 10⁻⁶ atm | 非常に小さな圧力 |
| 1000 Pa(1 kPa) | 約 0.009869 atm | 1キロパスカル |
| 10000 Pa | 約 0.09869 atm | 0.1 atm に近い値 |
| 50000 Pa | 約 0.4935 atm | 0.5 atm に近い値 |
| 101325 Pa | 1 atm | 標準大気圧の定義 |
| 200000 Pa | 約 1.974 atm | 2 atm に近い値 |
数値が大きくなるほど計算が複雑になりますが、基本式さえ覚えていれば電卓で即座に求めることができます。換算表を活用しながら、繰り返し練習して感覚を身につけていきましょう。
関連単位との換算も押さえておこう
続いては、atmやPaと合わせてよく登場する関連単位との換算についても確認していきます。圧力の単位はatmとPaだけでなく、さまざまな分野でさまざまな単位が使われています。それぞれの関係を整理しておくと、複雑な問題にも対応しやすくなるでしょう。
hPa(ヘクトパスカル)との換算
気象分野でよく使われるのがhPa(ヘクトパスカル)です。「hecto(ヘクト)」は100を意味する接頭辞なので、1hPa=100Paという関係になります。
1 hPa = 100 Pa ≒ 9.869 × 10⁻⁴ atm
天気予報では「気圧が1013hPa」などと表現されますが、これはほぼ1atmに等しい標準大気圧の状態を示しています。台風が近づくと気圧が下がり900hPa台になることもあり、hPaの値の変化が天気の変化を示す重要な指標になっています。日常的に接しやすい単位ですので、atmとの対応関係を覚えておくと役立つ場面が多いでしょう。
mmHg(水銀柱ミリメートル)との換算
医療や古典的な気圧計で使われるmmHg(水銀柱ミリメートル)も重要な単位のひとつです。
1 mmHg = 133.322 Pa
血圧の測定では「120/80 mmHg」という形でこの単位が使われており、医療現場ではSI単位系への完全移行が難しい実情があります。物理や化学の問題では「0℃、1atm(標準状態)」の条件が登場することも多く、このとき760mmHgと等しいことも覚えておくと便利でしょう。1気圧が760mmHgという数値は、17世紀のトリチェリの実験に由来する歴史ある定数でもあります。
bar(バール)との換算
工業分野ではbar(バール)という単位もよく使われています。
1 atm = 1.01325 bar
1 bar ≈ 0.9869 atm
1barは1atmにほぼ等しく、計算の近似値として使われることもあります。タイヤの空気圧や工業機械の圧力表示では、barやkPaが一般的に使われています。さまざまな単位の変換まとめを以下の表で確認しましょう。
| 単位 | 1 atm との関係 | 主な使用分野 |
|---|---|---|
| Pa(パスカル) | 1 atm = 101325 Pa | 科学全般・SI単位系 |
| hPa(ヘクトパスカル) | 1 atm = 1013.25 hPa | 気象・天気予報 |
| kPa(キロパスカル) | 1 atm = 101.325 kPa | 工業・医療・科学 |
| mmHg(水銀柱) | 1 atm = 760 mmHg | 医療・血圧・気圧計 |
| bar(バール) | 1 atm ≈ 1.01325 bar | 工業・タイヤ空気圧 |
| kgf/cm² | 1 atm ≈ 1.0332 kgf/cm² | 旧来の工業分野 |
この表を活用することで、さまざまな単位が混在する問題でも迷わず対処できるようになります。単位ごとの特徴と使われる場面を合わせて理解しておくことが、応用力を高める近道です。
まとめ
本記事では、大気圧(atm)とPa(パスカル)の単位変換・換算方法について、基本的な関係式から具体的な計算例、関連単位との換算まで幅広く解説しました。
最後に重要なポイントを整理しておきます。
・1 atm = 101325 Pa(標準大気圧の定義)
・1 Pa ≒ 9.869 × 10⁻⁶ atm
・atm → Pa は「× 101325」、Pa → atm は「÷ 101325」
・1 atm = 1013.25 hPa = 101.325 kPa = 760 mmHg ≈ 1.01325 bar
atmとPaの変換は、化学の気体計算や物理の熱力学など、さまざまな場面で必要とされる基礎知識です。「1atm=101325Pa」という数値をしっかりと覚えておくことが、単位変換の第一歩といえるでしょう。
圧力の単位変換はシンプルな掛け算・割り算だけで完結するので、一度流れを理解してしまえば迷うことはないはずです。本記事で紹介した換算表や計算式を繰り返し確認しながら、ぜひ単位変換のスキルをしっかり身につけてみてください。「atm」「Pa」「hPa」「kPa」など複数の単位を自在に使いこなせるようになれば、理科・工学・医療など多くの分野での理解がぐっと深まるでしょう。