barとMpaの単位変換・換算方法は?1バールは何メガパスカル?1メガパスカルは何バール?例題付の計算方法
圧力の単位には様々な種類がありますが、工業や理科の現場でよく使われるのがbar(バール)とMPa(メガパスカル)です。
この2つの単位は、どちらも圧力を表す単位として広く活用されており、機械設計や流体工学、化学プラントなどの分野でも日常的に登場します。
しかし、いざ計算が必要になると「1バールは何メガパスカルなのか」「1メガパスカルは何バールに相当するのか」と迷ってしまうことも少なくありません。
特に、設計図面や仕様書を読む場面では、異なる単位表記の圧力値を素早く換算できるかどうかが作業効率に直結します。単位変換のミスは設計上のトラブルにもつながりかねないため、正確な換算方法をしっかりと身につけておくことが大切です。
本記事では、barとMPaの単位変換・換算方法をわかりやすく解説し、例題を使った具体的な計算の流れもご紹介します。圧力換算で困ったときは、ぜひ参考にしてみてください。
barとMPaの関係:単位変換の結論
それではまず、barとMPaの基本的な関係と、単位変換の結論についてご説明します。
結論からお伝えすると、1 bar = 0.1 MPa、そして1 MPa = 10 barという関係が成り立ちます。
1 MPa = 10 bar
この換算比は非常にシンプルで、barの値を10で割ればMPaになり、MPaの値に10を掛ければbarになります。
たとえば、配管の設計仕様に「許容圧力10 bar」と記載されている場合、これはMPaに換算すると1 MPaとなります。
逆に「5 MPaの水圧」と言われたら、barに換算すると50 barです。
barとは何か
bar(バール)は、CGS単位系に近い実用単位で、主にヨーロッパや工業分野で広く使用されています。
1 barはおよそ地球表面における大気圧(1 atm = 101,325 Pa)に非常に近い値であり、感覚的に扱いやすい単位として人気があります。
正確には、1 bar = 100,000 Pa(パスカル)と定義されています。大気圧(101,325 Pa)と若干異なりますが、近似値として扱われることも多いです。
気象分野では「ヘクトパスカル(hPa)」が主流ですが、工業圧力計やコンプレッサー、タイヤ空気圧など身近なシーンでも登場するのがbarの特徴です。
なお、1 barの1000分の1を「ミリバール(mbar)」と呼び、こちらは主に気象観測や低圧力を扱う分野で使われています。barという単位は、スケールに応じてmbarからkbar(キロバール)まで幅広く使い分けられています。
MPa(メガパスカル)とは何か
MPa(メガパスカル)は、SI単位系における圧力単位「パスカル(Pa)」の100万倍を表します。
「メガ(M)」という接頭辞は10の6乗(1,000,000)を意味するため、1 MPa = 1,000,000 Pa(パスカル)となります。
SI単位系はグローバルで標準的に使用されているため、学術論文や国際規格、日本産業規格(JIS)でもMPaが多用されています。
建設・建築分野ではコンクリートの強度を「〇〇 MPa」と表すことも一般的で、私たちの身近なところにも存在する単位です。
また、kPa(キロパスカル)は1 MPaの1000分の1(=1,000 Pa)であり、血圧や気象など、より小さな圧力を扱う場面で使われます。MPaはこれらの中で大きめの圧力を表すのに適した単位です。
Paとbarの単位系の違い
Pa(パスカル)はSI単位系(国際単位系)の基本単位であり、bar(バール)はSI単位系に属さないものの、国際的に広く使用が認められている非SI単位です。
以下の表で、主な圧力単位と換算値を整理してみましょう。
| 単位 | 記号 | Pa換算値 | 備考 |
|---|---|---|---|
| パスカル | Pa | 1 Pa | SI単位の基本単位 |
| キロパスカル | kPa | 1,000 Pa | SI単位 |
| メガパスカル | MPa | 1,000,000 Pa | SI単位 |
| バール | bar | 100,000 Pa | 非SI単位(広く使用) |
| ミリバール | mbar | 100 Pa | 気象分野で使用 |
| 大気圧 | atm | 101,325 Pa | 標準大気圧 |
このように、MPaとbarでは単位系の出自が異なりますが、どちらも実用上非常に重要な圧力単位です。
現代の産業界では国際規格の統一が進んでいるため、日本国内でもMPaを使う機会が増えています。一方、欧州や一部のグローバルメーカーではbarが根強く使われており、両方の単位を使いこなすことが技術者としての大きな強みになるでしょう。
barからMPaへの換算方法と例題
続いては、barからMPaへの具体的な換算方法と例題を確認していきます。
barをMPaに変換するには、barの値を10で割るだけです。
(または MPa = bar × 0.1)
この関係は、1 bar = 100,000 Pa であり、1 MPa = 1,000,000 Pa であることから導かれます。
計算すると、100,000 ÷ 1,000,000 = 0.1 となり、1 bar = 0.1 MPa が成立するわけです。
例題1:5 barをMPaに換算する
それでは、実際の例題で練習してみましょう。
MPa = 5 ÷ 10 = 0.5 MPa
よって、5 bar = 0.5 MPa
たとえば、タイヤの空気圧が5 barと表示されていたとすると、MPaに換算すると0.5 MPaとなります。
コンプレッサーの出力圧力などでも同様の計算が使えますので、覚えておくと便利です。
「÷10」という操作は桁をひとつ下げるだけなので、暗算でも十分に対応できます。数値が大きくなっても、基本の考え方は変わりません。
例題2:25 barをMPaに換算する
MPa = 25 ÷ 10 = 2.5 MPa
よって、25 bar = 2.5 MPa
配管設計や高圧装置の仕様書などでよく見かける値です。25 barは工業用高圧システムの設計圧力としても使われる場面があります。
換算するとおよそ2.5 MPaですので、SI単位に統一したい場合はこの計算式を活用してください。
また、barとMPaを混在させると計算ミスの原因になりますので、換算の際はどちらの単位で統一するかを最初に決めておくことが重要です。
例題3:0.5 barをMPaに換算する
MPa = 0.5 ÷ 10 = 0.05 MPa
よって、0.5 bar = 0.05 MPa
0.5 barのような低圧力は、給水システムや食品製造ラインなどの弱い圧力を扱う設備でも登場します。
MPaに換算すると0.05 MPaと小数点以下の値になりますが、パスカルに戻すと50,000 Paとなり、十分に計測可能な圧力です。
低圧力域ではkPa(キロパスカル)を使う場合もありますが、0.05 MPa = 50 kPaと換算できることも合わせて覚えておくと、さらに応用が広がります。
MPaからbarへの換算方法と例題
続いては、今度はMPaからbarへの換算方法と例題を確認していきます。
MPaをbarに変換するには、MPaの値に10を掛けるだけです。
この式は先ほどの換算式の逆数になっており、非常にシンプルです。
1 MPa = 10 bar という基本関係をしっかり覚えておくことが、計算ミスを防ぐ一番の近道です。
「×10」という操作は桁をひとつ上げるだけなので、こちらも暗算で対応できます。単位換算に迷ったときは、まず「MPaの方がbarより大きい単位かどうか」を確認するとよいでしょう。MPaはbarの10倍の大きさなので、MPaをbarに直す際は数値が大きくなる(×10)、その逆はbarをMPaに直す際は数値が小さくなる(÷10)と覚えておくと混乱しにくくなります。
例題4:3 MPaをbarに換算する
bar = 3 × 10 = 30 bar
よって、3 MPa = 30 bar
3 MPaは、たとえば産業用コンプレッサーや油圧システムなどでも登場する圧力値です。
barで表すと30 barとなり、工業現場での感覚的な理解がしやすくなります。
JIS規格に記載されたMPa表記の圧力値を、ヨーロッパ製機器のbar表記と比較・照合する場面でも、この換算式がすぐに役立ちます。
例題5:0.2 MPaをbarに換算する
bar = 0.2 × 10 = 2 bar
よって、0.2 MPa = 2 bar
0.2 MPaは日常的にも登場する圧力値です。水道水の一般的な供給圧力がおおよそ0.1〜0.3 MPa程度であることを考えると、2 barという値がイメージしやすくなるのではないでしょうか。
日常の設備管理でも使いやすい換算値です。
なお、kPaで表すと0.2 MPa = 200 kPaとなります。圧力計によってはkPa表示のものもありますので、MPa・kPa・barの3単位を横断的に理解しておくと、さらに現場での対応がスムーズになります。
例題6:7.5 MPaをbarに換算する
bar = 7.5 × 10 = 75 bar
よって、7.5 MPa = 75 bar
7.5 MPaは高圧ガスや深海機器の設計に登場するような圧力値です。barに換算すると75 barとなり、いかに大きな圧力であるかが実感しやすくなります。
このように、換算する方向(barからMPa、またはMPaからbar)を間違えないようにすることが正確な計算のポイントです。
barとMPaの換算早見表と実用シーン
続いては、日常業務や学習で役立つbarとMPaの換算早見表と、実用的な活用シーンについて確認していきます。
以下の表は、よく使われる圧力値についてbarとMPaを対比させた換算早見表です。ぜひブックマークしておきましょう。
| bar | MPa | Pa(参考) |
|---|---|---|
| 0.1 bar | 0.01 MPa | 10,000 Pa |
| 0.5 bar | 0.05 MPa | 50,000 Pa |
| 1 bar | 0.1 MPa | 100,000 Pa |
| 2 bar | 0.2 MPa | 200,000 Pa |
| 5 bar | 0.5 MPa | 500,000 Pa |
| 10 bar | 1 MPa | 1,000,000 Pa |
| 20 bar | 2 MPa | 2,000,000 Pa |
| 50 bar | 5 MPa | 5,000,000 Pa |
| 100 bar | 10 MPa | 10,000,000 Pa |
この早見表を活用することで、計算なしに素早く換算できます。
工業・機械分野での活用
barとMPaの換算が特に活躍するのが工業・機械分野です。
油圧機器では作動圧力を「MPa」で表すことが多く、JIS規格においてもMPaが標準的に採用されています。一方、ヨーロッパ製の機械や輸入品のマニュアルにはbarが使用されているケースが多く、現場での換算が必要になることがあります。
たとえばコンプレッサーの最高使用圧力が10 barと記載されていれば、日本のJIS規格書に合わせて1 MPaと換算して使用することになります。
建設・土木分野での活用
建設・土木分野では、コンクリートの圧縮強度を表す際にMPaが広く使われています。
「設計基準強度24 MPa」「高強度コンクリート60 MPa」といった表現は、建築業界では一般的です。barに換算すると、それぞれ240 barおよび600 barとなります。
また、地盤調査における孔内水圧の測定値などもMPaで表されることが多く、換算知識が求められます。
日常・身近なシーンでの活用
実は、barとMPaは私たちの身近な日常生活にも登場しています。
自動車やバイクのタイヤ空気圧は、車種によってbar、MPa、kPaのいずれかで表記されています。たとえば一般的な乗用車のタイヤ空気圧は2〜2.5 bar(=0.2〜0.25 MPa)程度です。
また、家庭用の圧力鍋の使用圧力も一般的に0.7〜1.2 bar程度であり、これはMPaで言うと0.07〜0.12 MPaに相当します。換算ができると、さまざまな場面での判断がしやすくなるでしょう。
まとめ
本記事では、barとMPaの単位変換・換算方法について、基本的な概念から具体的な例題まで詳しく解説してきました。
最後に、重要なポイントを振り返っておきましょう。
まず基本の換算式として、1 bar = 0.1 MPa、1 MPa = 10 barという関係を覚えておくことが最も大切です。
barからMPaへ変換するときは「10で割る」、MPaからbarへ変換するときは「10を掛ける」というシンプルなルールです。
この換算は工業・機械分野はもちろん、建設・土木や日常生活のシーンでも役立ちます。単位の出自(SI単位かどうか)を理解しておくと、他の圧力単位(Pa、kPa、atmなど)との換算にも応用が効きます。
圧力換算に悩んだときは、本記事の換算早見表や例題をぜひ活用してみてください。計算に慣れてくれば、素早く正確に単位変換できるようになります。
barとMPaの換算はシンプルな掛け算・割り算で完結しますが、その背景にあるPaという基本単位の理解があると、kPaやatmなど他の圧力単位への応用もぐっとスムーズになります。
圧力単位の換算を自在に使いこなして、日常業務や学習の精度をさらに高めていきましょう。