エクセルの「校閲」タブには、コメントの管理・シートの保護・スペルチェックなど、ファイルの品質管理や共同作業に欠かせない機能が集まっています。しかし「校閲タブがどこにあるかわからない」「見え消し(変更履歴)機能の使い方が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、エクセルの校閲機能の使い方を詳しく解説します。校閲タブに含まれる機能の一覧と使い方から、校閲タブが表示されない場合の対処法、見え消し(変更履歴)の活用方法まで幅広くご紹介します。
「チームでファイルをレビューする方法を知りたい」「シートを保護する設定を確認したい」という方にもきっと役立つ内容です。ぜひ最後までお読みください。
エクセルの校閲タブには文書管理・共同作業に必要な機能が集約されている
それではまず、エクセルの校閲機能の全体像について解説していきます。
「校閲」タブはエクセルのリボンに表示されるタブの1つで、文書の品質チェック・コメント管理・変更履歴・シートとブックの保護といった機能がまとめられています。特に複数人でファイルを共有・編集する場面で活躍するタブです。
校閲タブの主な機能グループ
・文章校正グループ:スペルチェック・類義語辞典・アクセシビリティチェック
・コメントグループ:コメントの挿入・削除・表示・移動
・変更履歴グループ:変更箇所の追跡・承認・拒否(バージョンによって異なる)
・保護グループ:シートの保護・ブックの保護・範囲の編集許可
・インクグループ:手書き入力の管理(タッチ対応デバイスで表示)
まず、校閲タブ全体の構成と主なボタンの配置を確認しましょう。
校閲タブは大きく「文章校正」「コメント」「保護」「変更」の4つのグループに分かれています。それぞれのグループが独立した目的を持っており、業務の場面に応じて使いたい機能を選択します。
校閲タブの主な機能の使い方
続いては、校閲タブに含まれる主な機能の使い方を確認していきます。
スペルチェックの使い方
「スペルチェック」はセル内の英単語のスペルミスを検出する機能です。「校閲」タブ→「スペルチェック」をクリックするか、ショートカットキー「F7」で起動します。ダイアログが開き、スペルミスの可能性がある単語が検出されると修正候補が表示されます。
日本語テキストはスペルチェックの対象外ですが、英語混じりの資料を作成する場合には活用できます。「すべて無視」を選ぶと、以降の同じ単語はエラーとして扱われなくなります。
シートの保護の設定方法
「シートの保護」はシートの内容を誤って編集されないようにロックする機能です。「校閲」タブ→「シートの保護」をクリックするとダイアログが開き、パスワードの設定と許可する操作(セルの選択・書式設定など)を細かく指定できます。
パスワードを設定する場合は必ずメモしておきましょう。パスワードを忘れると正規の方法では保護を解除できなくなります。保護を解除するには「校閲」タブ→「シートの保護の解除」をクリックします。
範囲の編集許可を設定する方法
シートを保護しながらも、特定のセル範囲だけ編集を許可したい場合は「範囲の編集許可」を使います。「校閲」タブ→「範囲の編集許可」→「新規」をクリックして許可する範囲とパスワードを設定してから、シートの保護を適用します。
入力用のセルだけ編集を許可し、数式や見出しは保護するという運用が可能になります。複数人でデータを入力するシートの管理に非常に役立つ機能でしょう。
見え消し(変更履歴)の使い方
続いては、エクセルの見え消し・変更履歴機能の使い方を確認していきます。
変更履歴とは何か・見え消しとの違い
「変更履歴」とはExcelの「ブックの共有」と連動した機能で、誰がどのセルをいつ・どのような値に変更したかを記録する機能です。Wordの「変更履歴」(見え消し)とは異なり、Excelでは変更前後の値が吹き出し形式で表示されます。
見え消し(変更前の文字に取り消し線を引いて変更後の文字を赤字で示す形式)はWordに特有の表現であり、Excelには標準では搭載されていません。エクセルで似たような表現をしたい場合は、条件付き書式やセルの書式設定で取り消し線を手動で設定する方法が代替手段になります。
変更履歴を有効にする方法
変更履歴を記録するには「校閲」タブ→「変更履歴の記録」→「変更箇所の表示」をクリックして設定ダイアログを開き、「編集中に変更履歴を記録する」にチェックを入れます。
ただしExcel 2019以降やMicrosoft 365では「ブックの共有(レガシ)」機能が非表示になっており、変更履歴の記録ボタンが校閲タブに表示されていない場合があります。その場合は「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」→「校閲」タブに「ブックの共有(レガシ)」を追加することで表示できます。
変更履歴を承認・拒否する方法
変更履歴が記録されている場合、「校閲」タブ→「変更履歴の記録」→「変更箇所の確認」から変更内容を1つずつ確認し、「承認」または「拒否」を選択できます。「すべて承認」「すべて拒否」もまとめて実行できます。
変更履歴の確認・承認の手順
① 「校閲」タブ →「変更履歴の記録」→「変更箇所の確認」をクリック
② 確認するタイミング・担当者・範囲を指定して「OK」をクリック
③ 変更内容が1件ずつ表示されるので「承認」「拒否」を選択する
④ すべての変更を一括で承認・拒否する場合は「すべて承認」「すべて拒否」をクリック
校閲タブが表示されない場合の対処法と機能一覧
続いては、校閲タブが表示されない場合の原因と対処法、および校閲タブの機能一覧を確認していきます。
校閲タブが表示されない場合の対処法
校閲タブが見当たらない場合、最もよくある原因はリボンのカスタマイズで非表示になっていることです。「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」を開き、右側のリストで「校閲」にチェックが入っているか確認します。チェックが外れていれば、クリックしてチェックを入れて「OK」をクリックすると表示されます。
校閲タブの機能一覧
校閲タブに含まれるすべての機能をまとめました。バージョンによって表示されるボタンが異なる場合があります。
| 機能名 | グループ | 主な用途 |
|---|---|---|
| スペルチェック(F7) | 文章校正 | 英単語のスペルミスを検出・修正する |
| 類義語辞典 | 文章校正 | 選択した単語の類義語を検索する |
| アクセシビリティチェック | 文章校正 | 障がい者向けのアクセシビリティ問題を検出 |
| コメントの挿入(Shift+F2) | コメント | 選択セルにコメント(メモ)を追加する |
| 削除 | コメント | 選択セルのコメントを削除する |
| 前へ・次へ | コメント | コメント間を順番に移動する |
| すべてのコメントの表示 | コメント | 全コメントを常時表示・非表示に切り替える |
| シートの保護 | 保護 | シートの編集を制限してロックする |
| ブックの保護 | 保護 | ブック構造(シートの追加・削除など)を保護 |
| 範囲の編集許可 | 保護 | 保護中でも特定範囲の編集を許可する |
| ブックの共有(レガシ) | 変更 | 複数ユーザーによる同時編集を許可する |
| 変更履歴の記録 | 変更 | セルの変更内容を記録・表示・確認する |
まとめ
本記事では、エクセルの校閲機能の使い方について解説しました。
校閲タブは「文章校正」「コメント」「保護」「変更」の4グループで構成されており、ファイルの品質管理・共同作業・アクセス制限に必要な機能が集約されています。シートの保護・範囲の編集許可・変更履歴を組み合わせることで、複数人が安全にファイルを扱える環境を整えられます。
校閲タブが表示されない場合は「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」で「校閲」にチェックが入っているかを確認しましょう。エクセルの見え消し(取り消し線)はWordとは異なり、セルの書式設定から手動で設定する形になります。
ぜひ本記事の内容を参考に、エクセルの校閲機能を業務に役立ててください。