Excelでグラフを作成していると、データの値に大きな差があるために、小さい値のデータがグラフ上でほとんど見えなくなってしまうことがあります。
そのような場合に役立つのが、軸を途中で省略して波線で表現するテクニックです。
また、棒グラフの色を変更して見やすくしたい、目盛りの数を間引いてすっきりさせたいといったニーズも実務では多く見られます。
Excelにはグラフの見栄えを整えるための機能が多数用意されており、使い方を知っているかどうかで資料の完成度が大きく変わるでしょう。
この記事では、Excelのグラフで横軸・縦軸を途中で省略する方法をはじめ、波線の表現方法・棒グラフの色変更・目盛りの間引きについてわかりやすく解説していきます。
グラフの見栄えを改善したい方はぜひ参考にしてください。
Excelのグラフで軸を途中で省略する基本的な考え方
それではまず、Excelのグラフで軸を途中で省略する際の基本的な考え方について解説していきます。
Excelのグラフには、軸を途中で省略する専用の機能は残念ながら用意されていません。
そのため、図形や補助的なグラフを組み合わせて省略を表現する工夫が必要になります。
主なアプローチは以下のとおりです。
| 方法 | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| 図形で波線を描いて重ねる | グラフの上に波線の図形を重ねて省略を表現する | 初級 |
| 2つのグラフを組み合わせる | 省略前後のグラフを別々に作成して並べる | 中級 |
| 軸の最小値・最大値を設定する | 軸の範囲を手動で設定して表示範囲を絞る | 初級 |
| 対数軸を使用する | 対数スケールで全データを1つのグラフに収める | 中級 |
どの方法を選ぶかはグラフの用途や見せたいデータによって変わりますが、最も手軽なのは図形を使った波線の表現でしょう。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
軸の最小値・最大値を手動設定して表示範囲を絞る
最もシンプルな方法は、グラフの軸の表示範囲を手動で設定することです。
たとえば、データが900〜1000の範囲に集中している場合、軸の最小値を850に設定することで、データの差異がわかりやすく表示されます。
操作方法は以下のとおりです。
1. グラフの軸をダブルクリックして「軸の書式設定」を開く
2. 「軸のオプション」の「最小値」「最大値」を手動で入力する
3. Enterキーを押して確定する
この方法だけでも、データの差がグラフ上で見えやすくなります。
ただし、軸が0から始まっていないことを読み手に伝えないと誤解を招く恐れがあるため、グラフタイトルや注釈で補足することをおすすめします。
特にビジネス資料では、読み手に正確な情報を伝えることが非常に大切でしょう。
図形の波線をグラフに重ねて省略を表現する
より視覚的に省略を伝えたい場合は、波線の図形をグラフに重ねる方法が効果的です。
Excelの図形には波線を直接描く機能はありませんが、「フリーフォーム」や「曲線」の図形ツールを使って手動で波線を描くことができます。
具体的な手順は以下のとおりです。
まず、白い長方形の図形をグラフの軸途中に重ねて、その部分を隠します。
次に、「挿入」タブ→「図形」→「フリーフォーム」を選択し、波線状にクリックしながらジグザグのラインを描きます。
描いた図形の線の色を軸と同じ色に設定し、グラフの省略位置に重ねることで、視覚的に省略を表現することができます。
完成後はグラフと図形をグループ化しておくと、移動やサイズ変更の際にずれにくくなるでしょう。
対数軸を使ってデータの差を表現する
データの値に極端な差がある場合、対数軸を使うことで省略せずにすべてのデータを見やすく表示できることがあります。
「軸の書式設定」の「軸のオプション」で「対数目盛を表示する」にチェックを入れるだけで設定できます。
対数軸では、1・10・100・1000といった10倍ごとの間隔で目盛りが配置されるため、桁数が大きく異なるデータでも1つのグラフにまとめて表示することが可能です。
ただし、対数軸は一般的なビジネス資料では馴染みが薄いため、読み手に合わせて使い分けるとよいでしょう。
棒グラフの色を変更して見やすくする方法
続いては、棒グラフの色を変更して視認性を高める方法を確認していきます。
色の使い方一つで、グラフの伝わりやすさは大きく変わるものです。
強調したいデータを目立たせたり、関連するデータをまとめて同じ色にしたりすることで、グラフの読みやすさが格段に向上するでしょう。
特定の棒だけ色を変える方法
棒グラフの特定のデータだけ色を変えたい場合は、変更したい棒を2回クリックして1本だけ選択状態にします。
1回クリックするとシリーズ全体が選択され、もう1回クリックすることで1本だけが選択されるという動作になっています。
1本だけ選択された状態で右クリック→「データ要素の書式設定」→「塗りつぶし」から任意の色を選ぶことで、特定の棒だけ異なる色に設定することが可能です。
たとえば最大値の棒だけ赤にする、目標値を超えた棒だけ青にするといった使い方が実務でよく見られます。
強調したいデータを色で区別することで、グラフを見た相手にすぐに重要なポイントが伝わるでしょう。
グラフ全体の配色テーマを変更する
グラフ全体の色合いをまとめて変更したい場合は、Excelのテーマ機能を活用するのが便利です。
グラフを選択すると表示される「グラフのデザイン」タブから「色の変更」をクリックすると、あらかじめ用意された配色パターンを一覧から選べます。
「カラフル」「モノクロ」などのカテゴリが用意されており、プレゼン資料や報告書のトーンに合わせて選ぶことができます。
会社のブランドカラーに合わせたい場合は、個別に色を指定する方法と組み合わせて使うとよいでしょう。
また、Excelのテーマ(「ページレイアウト」タブ→「テーマ」)を変更することで、グラフだけでなくシート全体の配色を統一することも可能です。
データの値に応じて色を自動で変える方法
棒グラフで、値がプラスの場合とマイナスの場合で色を自動的に変えたい場合があります。
「データ系列の書式設定」→「塗りつぶしと線」→「塗りつぶし」の中にある「負の値と軸を反転する」にチェックを入れることで、マイナスの値の棒だけ別の色で表示されます。
プラス・マイナスが混在するデータを視覚化する際に非常に便利な設定でしょう。
チェックを入れると「負の値の塗りつぶし色」を個別に設定できるようになるため、プラスは青・マイナスは赤といった直感的にわかりやすい配色にすることをおすすめします。
グラフの目盛りを間引いてすっきり見せる方法
続いては、グラフの目盛りを間引いて見やすくする方法を確認していきます。
データ数が多いと横軸の目盛りラベルが密集して読みにくくなることがありますが、間引き設定を使えばすっきりと整理できます。
目盛りの設定はグラフの印象を大きく左右するため、適切に調整することが大切でしょう。
横軸の目盛りラベルを間引く設定
横軸のラベルが多すぎて重なってしまう場合は、表示するラベルの間隔を設定することで解決できます。
横軸をダブルクリックして「軸の書式設定」を開き、「ラベル」の「ラベルの間隔」で「間隔の単位」を指定することで、表示するラベルの頻度を調整できます。
例:「間隔の単位」を「2」に設定すると、1つおきにラベルが表示されます。
「3」にすると2つおきの表示になり、ラベルの密度をさらに下げることができます。
データが月次で12ヶ月分ある場合、「2」に設定すると1月・3月・5月…と隔月で表示されます。
ラベルの間引きは視認性の向上に大きく貢献しますが、間引きすぎると必要な情報が伝わりにくくなることもあるため、バランスを見ながら調整するとよいでしょう。
目盛り線の表示・非表示を切り替える
グラフに表示される目盛り線が多すぎると、かえって見づらくなることがあります。
グラフを選択した状態で右上に表示される「+」ボタン(グラフ要素)をクリックすると、目盛り線の表示・非表示を切り替えるチェックボックスが表示されます。
主目盛り線と補助目盛り線をそれぞれ独立して設定できるため、必要な目盛り線だけを残してシンプルなグラフに仕上げることができるでしょう。
一般的なビジネス資料では、補助目盛り線は非表示にしておくほうがすっきりとした印象になります。
主目盛り線の色や線種も「目盛り線の書式設定」から変更できるため、グラフ全体のデザインに合わせて調整してみましょう。
軸ラベルを斜めに表示して重なりを解消する
ラベルを間引かずに全件表示したい場合は、ラベルを斜めに傾けることで重なりを解消する方法もあります。
横軸をダブルクリックして「軸の書式設定」を開き、「サイズとプロパティ」→「文字列の方向」から角度を設定することができます。
45度に設定することでラベルが斜め表示になり、横幅が狭い場合でもすべてのラベルを表示できるようになります。
90度に設定すると縦書き表示になるため、ラベルの文字数が多い場合に有効でしょう。
斜め表示はラベルが読みにくくなる場合もあるため、フォントサイズの調整と合わせて対応することをおすすめします。
まとめ
この記事では、Excelのグラフで横軸を途中で省略する方法をはじめ、波線の表現・棒グラフの色変更・目盛りの間引きについて解説しました。
Excelには軸を省略する専用機能がないため、図形の重ね合わせや軸の最小・最大値の手動設定といった工夫が必要になります。
棒グラフの色変更は特定の1本だけ変える方法や、テーマ全体を切り替える方法など、目的に応じて使い分けることが大切でしょう。
目盛りの間引きや斜め表示を活用することで、データ数が多いグラフでもすっきりとした見やすい仕上がりになります。
グラフは作成するだけでなく、見た人に正確かつ直感的に情報が伝わるよう仕上げることが重要です。
今回ご紹介したテクニックを活用して、伝わりやすいグラフ作りにお役立てください。