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振幅変調と周波数変調の違いは?AMとFMの仕組みも!(変調方式:特徴の比較:使い分け:通信方式など)

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振幅変調と周波数変調の違いは?AMとFMの仕組みも!(変調方式:特徴の比較:使い分け:通信方式など)

ラジオ放送でよく耳にする「AM」や「FM」という言葉、実はこれらは電波を使った信号伝送の方式を指しています。

AMは振幅変調、FMは周波数変調の略称であり、どちらも音声などの情報を無線で送るための技術です。

日常生活に深く関わっているにもかかわらず、その仕組みの違いをきちんと説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。

この記事では、振幅変調と周波数変調の違いを中心に、AMとFMそれぞれの仕組み・特徴の比較・使い分けの考え方について、わかりやすく解説していきます。

通信方式の基礎知識として、ぜひ参考にしてみてください。

振幅変調(AM)と周波数変調(FM)は「何を変化させるか」が最大の違い

それではまず、振幅変調と周波数変調の本質的な違いについて解説していきます。

変調とは、情報信号を電波に乗せるための技術であり、搬送波(キャリア)のある特性を情報に合わせて変化させることで実現されます。

AMとFMの最大の違いは、「搬送波の何を変化させるか」という点に集約されます。

・振幅変調(AM:Amplitude Modulation):搬送波の振幅を信号に応じて変化させる

・周波数変調(FM:Frequency Modulation):搬送波の周波数を信号に応じて変化させる

AM では振幅が変わり、FM では周波数が変わります。搬送波の振動の速さ(周波数)は AM では一定であり、FM では振幅が一定という点も覚えておきましょう。

搬送波は正弦波で表され、その式は x(t) = A cos(2πft + φ) と書けます。

この A(振幅)を変化させるのが AM、f(周波数)を変化させるのが FM と考えるとわかりやすいでしょう。

振幅変調(AM)の仕組みをわかりやすく解説

振幅変調では、送りたい信号(音声など)の強さに応じて、搬送波の振幅を大きくしたり小さくしたりします。

たとえば、音声信号が大きいときには搬送波の振幅が大きくなり、音声が小さいときには振幅も小さくなります。

AM変調波の式:

s(t) = × Ac cos(2πfct)

ここで、

m(t):音声などのベースバンド信号(−1 ≦ m(t) ≦ 1 に正規化)

m:変調度(0 ≦ m ≦ 1)

Ac:搬送波の振幅

fc:搬送波の周波数

変調度 m は、信号がどれだけ搬送波の振幅を変化させるかを表す指標です。

m = 1(100%変調)のとき、振幅は 0 から 2Ac の間で変化し、これが最大の変調深度となります。

m が 1 を超えると「過変調」となり、信号が歪んでしまうため注意が必要です。

周波数変調(FM)の仕組みをわかりやすく解説

周波数変調では、信号の強さに応じて搬送波の周波数をわずかに変化させます。

信号が大きいときは周波数が上がり、信号がゼロのときは搬送波の中心周波数のまま、信号が負のときは周波数が下がるというイメージです。

FM変調波の式:

s(t) = Ac cos(2πfct + 2πkf ∫m(τ)dτ)

ここで kf は周波数偏移定数、∫m(τ)dτ は信号の積分です。

瞬時周波数:fi(t) = fc + kf × m(t)

最大周波数偏移:Δf = kf × max|m(t)|

FM の場合、振幅は常に一定 Ac に保たれ、周波数のみが変化します。

この特性が FM の雑音に強い性質につながっており、音質の良さの理由でもあります。

AMとFMの波形の見た目の違い

AM と FM の波形を比較すると、見た目に明確な違いがあります。

比較項目 AM(振幅変調) FM(周波数変調)
波の振幅 信号に応じて変化する 常に一定
波の周波数 常に一定 信号に応じて変化する
波の間隔(周期) 常に等間隔 信号に応じて間隔が変わる
波の高さ(振れ幅) 信号が大きいほど高くなる 常に同じ高さ

波形を見ると、AM は波の「高さ」が変わり、FM は波の「詰まり具合」が変わるようなイメージとなります。

AMとFMの特徴の比較と使い分け

続いては、AMとFMの特徴の比較と使い分けの考え方について確認していきます。

両者にはそれぞれ長所と短所があり、用途に応じて使い分けることが重要です。

雑音(ノイズ)への強さの比較

AM と FM の最も大きな実用上の違いのひとつが、ノイズへの耐性です。

FM は AM に比べてノイズに強いという特性があります。

その理由は、FM の場合、ノイズは主に受信した電波の振幅に影響しますが、FM では情報が周波数に載っているため、振幅変動のノイズを除去(リミッタ回路)できるからです。

一方、AM では情報が振幅に載っているため、ノイズによる振幅変動がそのまま信号の歪みとして現れてしまいます。

雷などの放電現象が発生すると AM ラジオではバリバリという雑音が入りやすい一方、FM ラジオでは比較的クリアに聞こえるのはこのためです。

伝搬距離と地形への適応性

AM と FM は伝搬特性にも大きな違いがあります。

特性 AM(中波・長波) FM(超短波)
使用周波数帯 中波(MF):535〜1705 kHz 超短波(VHF):76〜108 MHz(日本)
電波の伝搬方法 地表波・電離層反射波 直接波(見通し範囲内)
到達距離 数百〜数千 km(夜間) 数十 km 程度
山やビルの影響 比較的受けにくい 影響を受けやすい(山間部では届かない場合も)

AM は遠距離伝送が得意で、FM は音質が優れているというトレードオフがあります。

夜間に遠くのラジオ局が受信できるのは、AM 電波が電離層で反射して遠くまで届くためです。

使用帯域幅の違い

変調方式による帯域幅の違いも重要な比較ポイントです。

AM の占有帯域幅:搬送波周波数 ± 信号の最高周波数

例:音声信号が最高 5 kHz の場合、AM の帯域幅は 10 kHz(fc − 5 kHz〜fc + 5 kHz)

FM の占有帯域幅:カーソンの法則より、BW ≈ 2(Δf + fm)

例:最大周波数偏移 Δf = 75 kHz、最高音声周波数 fm = 15 kHz の場合、帯域幅は 180 kHz

FM は AM に比べて多くの帯域幅を使用しますが、その分だけ高音質な信号を伝送できるというメリットがあります。

帯域幅が広いほど多くの情報を運べるため、FM 放送は音楽放送に適しています。

AM・FM以外の変調方式との関係

続いては、AM・FM 以外の変調方式との関係について確認していきます。

現代の通信技術では、AM と FM 以外にもさまざまな変調方式が使われています。

位相変調(PM)との違い

搬送波の変えられる特性は振幅・周波数・位相の3つがあり、位相を変える方式が位相変調(PM:Phase Modulation)です。

PM変調波の式:

s(t) = Ac cos(2πfct + kp × m(t))

ここで kp は位相偏移定数です。

PM と FM はどちらも角度変調(アングル変調)と呼ばれ、数学的に密接な関係があります。

PM は信号を積分してから FM 変調する操作と等価です。

位相変調はデジタル通信において特に重要であり、BPSK・QPSK・PSK などのデジタル変調方式の基礎となっています。

デジタル変調方式との関係

現代のデジタル通信では、AM・FM・PM の原理を応用したデジタル変調方式が使われています。

デジタル変調方式 対応するアナログ変調 用途例
ASK(振幅偏移変調) AM に対応 光通信、近距離無線
FSK(周波数偏移変調) FM に対応 モデム、無線データ通信
PSK(位相偏移変調) PM に対応 WiFi、携帯電話
QAM(直交振幅変調) AM と PM の組み合わせ ケーブルTV、LTE/5G

現代の高速通信では QAM(直交振幅変調)が広く使われており、振幅と位相の両方を同時に変化させることで多くの情報を効率よく送ることができます。

スマートフォンの通信規格である LTE や 5G でも、この原理が応用されています。

パルス変調方式との違い

連続波変調(AM・FM)に対して、パルス変調はパルス列の特性を変える方式です。

パルス振幅変調(PAM)、パルス幅変調(PWM)、パルス位置変調(PPM)などがあり、デジタル信号処理や電力制御などに活用されています。

パルス幅変調(PWM)は LED の調光やモーター制御などに広く使われている馴染みの深い変調方式です。

通信用途別のAM・FMの使い分けの実例

続いては、通信用途別の AM・FM の使い分けの実例について確認していきます。

どのような場面でどちらの変調方式が選ばれているのか、具体的な例を見ていきましょう。

ラジオ放送における使い分け

ラジオ放送は AM と FM の使い分けが最も身近に感じられる例でしょう。

日本の AM 放送は 531 kHz〜1602 kHz(9 kHz 間隔)の中波帯を使用し、FM 放送は 76 MHz〜108 MHz の VHF 帯を使用しています。

AM は広い範囲をカバーできるため報道・ニュース・情報番組に適しており、FM は高音質のため音楽放送に多く使われています

近年では AM 放送の FM 補完放送(ワイドFM)も普及しており、AM の情報を FM 波で同時送信するサービスが展開されています。

航空通信・船舶通信での使い分け

航空通信では主に AM(DSB-AM)が使用されています。

遠距離通信が可能であること、また複数の送信局の信号が同時に受信できる「キャプチャ効果がない」という特性が航空安全上のメリットになっています。

一方で船舶通信では用途に応じて AM と FM の両方が使われ、短距離の港湾内通信では FM が、遠洋通信では AM や SSB(単側波帯変調)が使われることが多くなっています。

警察・消防・救急などの業務用無線での使い方

警察・消防・救急などの業務用無線では、主に FM 変調が採用されています。

FM の雑音に強い特性が、緊急通信における明瞭な音声伝達を実現するうえで重要な役割を果たしています。

【AM と FM の使い分けの基本原則】

・遠距離を優先する場合:AM(中波・短波)

・音質や雑音耐性を優先する場合:FM(VHF帯)

・帯域幅を節約したい場合:AM(占有帯域幅が狭い)

・安定した音声品質が必要な場合:FM

用途に応じた変調方式の選択が、通信システム設計の基本となります。

まとめ

この記事では、振幅変調(AM)と周波数変調(FM)の違いについて詳しく解説しました。

AM は搬送波の振幅を変化させ、FM は搬送波の周波数を変化させるというのが最大の違いです。

AM は遠距離伝送が得意で占有帯域が狭く、FM はノイズに強く音質が優れているという特徴があります。

現代の通信技術では、これらの基本原理を応用したデジタル変調方式(ASK・FSK・PSK・QAM)が主流となっており、スマートフォンや WiFi などの日常的な通信にも使われています。

AM と FM それぞれの長所と短所を理解したうえで用途に応じた使い分けを行うことが、通信システムの設計において重要なポイントとなるでしょう。