約数を学び始めると、1は約数に含まれるのか、自分自身も数えればよいのかで迷うことがあります。
結論だけを覚えるより、約数の定義と割り切れる仕組みを理解したほうが、素因数分解や約数の個数を求める問題にも対応しやすくなります。
この記事では、自然数の約数における1の扱い、最小と最大の約数、約数の見つけ方、約数の個数までを順番に解説します。
約数における1の扱い

それではまず、約数に1が含まれるのかについて解説していきます。
全ての自然数を割り切る1
1は全ての自然数の約数です。
ある数を1で割ると、必ず余りが0になり、商は元の数になります。
たとえば12を1で割ると12、25を1で割ると25となり、どちらも割り切れます。
約数とは、ある整数を余りなく割ることができる整数を指すため、1は正の整数であれば必ず約数の一覧に入ります。
6の約数は1、2、3、6です。
15の約数は1、3、5、15となります。
数が変わっても最初に1がある点は共通しており、ここは約数の基本ルールです。
自然数nに対して、n÷1は必ず整数になります。
このため、1はnの約数に必ず含まれます。
ただし、0については注意が必要です。
0はどの数で割っても商が0になるため、通常の自然数の約数とは少し異なる扱いになります。
学校の算数や数学で約数を問われた場合は、特別な指定がない限り、正の自然数を対象に考えることが一般的でしょう。
自分自身も含まれる約数
自分自身も、その数の約数に含まれます。
12÷12は1となり余りが出ないため、12は12の約数です。
同じように、7÷7は1、100÷100も1となります。
したがって、1より大きい自然数には、少なくとも1と自分自身という二つの約数があります。
1の場合は少しだけ見方が異なります。
1÷1は1で割り切れるため、1の約数は1だけです。
最小の約数も最大の約数も1となり、約数の個数は1個です。
| 数 | 約数 | 最小の約数 | 最大の約数 | 約数の個数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 1 | 1 | 1個 |
| 2 | 1、2 | 1 | 2 | 2個 |
| 8 | 1、2、4、8 | 1 | 8 | 4個 |
| 13 | 1、13 | 1 | 13 | 2個 |
約数を書き出すときは、1から始めて自分自身で終える形を意識すると、重要な数を落としにくくなります。
約数と因数の違い
約数と似た言葉に因数があります。
両者は深く関係しますが、注目する向きが異なります。
約数は、ある数を割り切ることができる数です。
一方の因数は、掛け算である数を作る要素を指します。
たとえば12は3×4と表せるため、3と4は12の因数です。
また、12÷3=4と割り切れるため、3は12の約数でもあります。
自然数の範囲では、ある数の正の因数と正の約数は同じ数の組になります。
問題文が約数を尋ねているなら、割り算で余りが出ないかを確認すると理解しやすいでしょう。
約数の定義と割り切れる条件
続いては、約数の定義と割り切れる条件を確認していきます。
余りが0になる整数
整数aを整数bで割ったとき、余りが0なら、bはaの約数です。
言い換えると、aがbの倍数である場合、bはaを割り切る数になります。
18÷3=6なので、3は18の約数です。
18÷4=4余り2となるため、4は18の約数ではありません。
約数かどうかは、余りが0かどうかで判断します。
18÷3=6
余りが0なので、3は18の約数です。
18÷4=4余り2
余りがあるので、4は18の約数ではありません。
この考え方は小さな数でも大きな数でも変わりません。
暗算だけで判断しにくい場合は、実際に割り算をして商と余りを確かめる方法が確実です。
正の約数として数える範囲
一般的な約数の問題では、正の約数を数えます。
たとえば12の正の約数は1、2、3、4、6、12です。
整数全体まで範囲を広げれば、マイナス1、マイナス2、マイナス3なども12を割り切れます。
しかし、学校の問題や多くの入試問題で単に約数と書かれている場合は、通常、正の約数を意味します。
負の約数まで必要なときは、整数の約数や正負の約数と明記されることが多いでしょう。
問題文の範囲を読み取り、求める約数が正の数だけかを確認する習慣が大切です。
倍数との関係
約数と倍数は、同じ関係を反対側から見た言葉です。
3は12の約数であり、12は3の倍数です。
5は35の約数であり、35は5の倍数となります。
この関係を使うと、約数の意味をより整理できます。
aがbで割り切れるとき、bはaの約数であり、aはbの倍数です。
九九や倍数の知識が身についていると、約数探しも速くなります。
たとえば24の約数を探すなら、24の倍数ではなく、24を作れる掛け算の組を考えるとよいでしょう。
最小の約数と最大の約数
続いては、最小の約数と最大の約数を確認していきます。
最小の約数としての1
正の整数の約数だけを考える場合、最小の約数は必ず1です。
1より小さい正の整数は存在しないため、これより小さい約数はありません。
42の約数には1、2、3、6、7、14、21、42があります。
この中で最も小さい数は1です。
素数であっても合成数であっても、この点は変わりません。
1が約数に含まれる理由を押さえていれば、最小の約数を問う問題にも迷わず答えられます。
最大の約数としての自分自身
正の整数nの最大の約数はn自身です。
自分自身を自分自身で割れば1となり、余りは出ません。
また、nより大きい正の整数でnを割ると、商が1未満になり、自然数の約数にはなりません。
正の約数は1から始まり、自分自身で終わります。
これは約数の一覧を並べる際の確認ポイントになります。
途中の約数がいくつ見つかっても、両端の1と自分自身を忘れないようにしましょう。
正の整数nの約数には、必ず1とnが含まれます。
nが1より大きければ、正の約数は少なくとも2個あります。
約数の組と平方根
約数は、掛け算の組として考えると効率よく見つかります。
たとえば36は1×36、2×18、3×12、4×9、6×6と表せます。
この掛け算に現れる数が、36の約数です。
小さい約数と大きい約数は対になっており、掛けると元の数になります。
調べる範囲は、基本的に平方根までで足ります。
36の場合、平方根は6です。
1から6までを順番に試し、割り切れたら対応する大きい約数も同時に見つけられます。
36の約数の組
1×36、2×18、3×12、4×9、6×6
同じ組を二度数えないため、平方根付近では特に注意します。
素数と合成数の見分け方
続いては、素数と合成数の見分け方を確認していきます。
約数が二つだけの素数
素数とは、1より大きい自然数のうち、正の約数が1と自分自身の二つだけである数です。
2、3、5、7、11、13などが素数に当たります。
たとえば7の約数は1と7だけです。
途中に別の約数がないため、7は素数になります。
素数にも1は含まれ、自分自身も含まれます。
約数が二つという説明を理解するためにも、約数に1を含めるルールは欠かせません。
約数が三つ以上の合成数
合成数とは、1より大きく、正の約数が三つ以上ある自然数です。
4の約数は1、2、4なので、合成数です。
6の約数は1、2、3、6であり、やはり合成数となります。
9の約数は1、3、9です。
同じ数を二回掛けて作れる平方数は、中央にある約数が一つだけ対応する点が特徴です。
素数か合成数かを判断するときは、1と自分自身以外の約数があるかを探しましょう。
1が素数ではない理由
1は約数ですが、素数ではありません。
1の正の約数は1だけであり、約数が二つではないためです。
1は全ての自然数の約数である一方、素数にも合成数にも分類されません。
この区別は素因数分解で重要になります。
もし1を素数に含めると、6を2×3とも1×2×3とも1×1×2×3とも表せてしまいます。
素因数分解の表し方が一つに定まらなくなるため、1は素数から除かれています。
1の分類
1は約数です。
ただし、約数が一つしかないため、素数でも合成数でもありません。
約数の個数の求め方
続いては、約数の個数の求め方を確認していきます。
小さな数を書き出す方法
小さな数なら、1から順番に割って約数を書き出す方法がわかりやすいでしょう。
たとえば20では、1、2、4、5、10、20が約数です。
この一覧を数えると、20の約数の個数は6個とわかります。
見落としを防ぐには、約数の組で並べる方法が便利です。
1と20、2と10、4と5のように、小さい数と大きい数を対応させます。
割り切れない3は飛ばし、平方根まで確認すれば十分です。
素因数分解を使う計算
大きな数の約数の個数は、素因数分解を利用すると効率的に求められます。
自然数を素数の掛け算で表し、それぞれの指数に1を足して掛け合わせます。
72は2の三乗×3の二乗と表せます。
したがって、約数の個数は4×3で12個です。
72=2の三乗×3の二乗
約数の個数は、3に1を足した数と2に1を足した数を掛けます。
4×3=12個
指数が0の場合も選択肢に含めるため、指数に1を足します。
72の約数では、2を0個から3個まで、3を0個から2個まで選べます。
選び方の総数が4×3となり、それぞれ異なる約数を作れます。
平方数での数え間違い
平方数では、約数の組の中央に同じ数が現れます。
たとえば49は1×49、7×7と表せます。
7を二つの別々の約数として数えないことが大切です。
49の約数は1、7、49であり、約数の個数は3個です。
平方数の約数の個数は奇数になり、それ以外の自然数では偶数になります。
これは、通常は小さい約数と大きい約数が二つずつ組になる一方、平方数では平方根だけが自分自身と組になるためです。
約数の個数を確かめる際に役立つ性質でしょう。
約数の問題で迷わない確認手順
続いては、約数の問題で迷わない確認手順を確認していきます。
最初と最後を先に書く習慣
約数を列挙する問題では、最初に1と自分自身を書いておくと安心です。
たとえば30の約数を求めるなら、まず1と30を記入します。
その後、2、3、4、5と順番に割れるかを調べれば、2、3、5も見つかります。
対応する15、10、6も同時に書けるため、一覧が整いやすくなります。
1と自分自身を先に確保することが、約数の書き漏れ防止につながります。
割り算と掛け算を使い分ける視点
約数かどうかの判定には割り算、約数をまとめて探すには掛け算の組が向いています。
たとえば8が56の約数か知りたいなら、56÷8=7と計算します。
56の約数を全て探したいなら、1×56、2×28、4×14、7×8のように組を作る方法が見やすいでしょう。
数字が大きい場合は、2で割れるか、3で割れるか、5で割れるかといった倍数の判定も役立ちます。
目的に合わせて考え方を切り替えると、計算の負担を減らせます。
問題文で確認したい条件
約数に関する問題では、正の約数の個数を求めるのか、約数を全て列挙するのかを最初に読み分けます。
最大公約数や最小公倍数が一緒に問われる場合もあります。
公約数は複数の数に共通する約数であり、最大公約数はその中で最も大きい数です。
約数の知識が土台になるため、1を含めるルールを正しく押さえておく必要があります。
また、素数、合成数、素因数分解という言葉が出たときも、約数の個数や組を意識すると解きやすくなります。
まとめ
約数には1が含まれます。
1は全ての自然数を余りなく割ることができるため、どの自然数にとっても最小の約数です。
また、自分自身も必ず約数に含まれ、正の整数の最大の約数になります。
1より大きい自然数は、1と自分自身を必ず約数として持ちます。
素数は約数が1と自分自身の二つだけの数であり、合成数はそれ以外の約数も持つ数です。
1は約数ではあるものの、約数が一つだけなので素数でも合成数でもありません。
約数の一覧を作るときは、1と自分自身を先に書き、平方根までの掛け算の組を確認すると効率的です。
約数の個数を求める問題では、素因数分解と指数を使う方法も活用してください。