大気圧(atm)とbarの単位変換・換算方法は?1atmは何bar?1barは何atm?例題付の計算方法
物理・化学・工学などの分野において、圧力の単位は非常に重要な役割を果たしています。
なかでも、大気圧(atm)とbarは、気体の状態方程式や流体力学、気象学など幅広い場面で頻繁に登場する圧力単位です。
「1atmは何barになるの?」「barからatmへ換算するにはどうすればいい?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、atmとbarの定義からはじめ、相互の変換式・換算方法を分かりやすく解説します。
例題付きの計算方法も紹介していますので、実際の計算にすぐ活用できる内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
1atmは約1.01325bar、1barは約0.986923atm
それではまず、大気圧(atm)とbarの変換における結論から解説していきます。
単位変換の結論をひと言でまとめると、1atm=1.01325bar、そして1bar=約0.986923atmとなります。
この関係さえ押さえておけば、日常的な換算はほぼ問題なく対応できるでしょう。
覚えておきたい基本変換
1 atm = 1.01325 bar(定義による正確な値)
1 bar ≒ 0.986923 atm(逆算値)
「1barと1atmはほぼ同じ値じゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。
確かに両者の差はわずか1.3%程度であり、日常会話では「ほぼ1atm≒1bar」として扱うこともあります。しかし、科学的・工学的な計算では、この誤差が結果に大きく影響することもあるため、正確な値を用いることが重要です。
また、barはSI単位系ではないものの、国際的に広く使われており、気象分野ではhPa(ヘクトパスカル)とともに頻繁に登場します。一方のatmは、化学の標準状態(STP)など、基準圧力として使われる機会が多い単位です。
この2つの単位の関係を正確に理解することが、換算ミスを防ぐ第一歩となるでしょう。
大気圧(atm)とbarの定義と基本的な関係
大気圧(atm)とは
続いては、大気圧(atm)とbarそれぞれの定義と基本的な関係について確認していきます。
大気圧(atm)は「標準大気圧(Standard Atmosphere)」とも呼ばれ、地球の海面における標準的な気圧を基準として定義された圧力単位です。
1atm=101,325Pa(パスカル)と国際的に定められており、これは1気圧とも表現されます。
この定義は1954年にIUPAC(国際純正・応用化学連合)によって標準化されたものです。気体の標準状態(STP:Standard Temperature and Pressure)では、温度0℃・圧力1atmが基準として使われます。
化学の授業や教科書でよく登場する「標準状態」は、この1atmを基準としているため、化学反応や気体の体積計算において欠かせない単位となっています。
barとは
barは、CGS単位系を起源とする圧力の単位で、1bar=100,000Pa(10万パスカル)と定義されています。
barはSI単位系には含まれませんが、SI単位系と組み合わせて使用することが認められており、工業・気象・流体力学などの分野で広く活用されています。
気象分野では1barの1,000分の1にあたるmbar(ミリバール)も使われていましたが、現在はhPa(ヘクトパスカル)に統一されています。なお、1hPa=1mbarという関係が成り立ちます。
また、barの1,000分の1であるmbarや、100倍のkbar(キロバール)など、接頭辞を組み合わせた派生単位も存在します。
atmとbarの数値的な関係
atmとbarの数値的な関係は、それぞれの定義であるPa(パスカル)を基準に求めることができます。
基準となるPa換算
1 atm = 101,325 Pa
1 bar = 100,000 Pa
よって:1 atm ÷ 100,000 Pa=1.01325 bar
このように、1atmは1barよりも1,325Pa(約1.3%)だけ大きい値になります。
非常に近い値であるため混同されがちですが、厳密には異なる値であることを覚えておきましょう。
| 単位 | Pa換算 | 定義・特徴 |
|---|---|---|
| 1 atm | 101,325 Pa | 標準大気圧、化学の標準状態に使用 |
| 1 bar | 100,000 Pa | 工業・気象分野で広く使用 |
| 1 hPa | 100 Pa | 1 mbarと同値、気象で使用 |
| 1 kPa | 1,000 Pa | 医療・工学分野でも使用 |
atmからbarへの変換方法と計算式
変換式の導き方
続いては、atmからbarへの変換方法と計算式を確認していきます。
atmからbarへの変換は、前述のPa換算から導くことができます。
1 atm=101,325 Paであり、1 bar=100,000 Paなので、これを割り算すれば変換係数が求まります。
atm → bar の変換式
bar = atm × 1.01325
(または bar = atm × 101325 ÷ 100000)
この「×1.01325」という係数が、atmをbarに変換するための基本となります。
例題:atm → barの計算
実際にいくつかの例題で確認してみましょう。
例題1:2 atmを barに換算する
2 atm × 1.01325 = 2.0265 bar
答え:2 atm ≒ 2.0265 bar
例題2:0.5 atmをbarに換算する
0.5 atm × 1.01325 = 0.506625 bar
答え:0.5 atm ≒ 0.5066 bar
例題3:5 atmをbarに換算する
5 atm × 1.01325 = 5.06625 bar
答え:5 atm ≒ 5.0663 bar
このように、atmにつねに1.01325を掛け算するだけでbarへの換算が完了します。
よく使うatm→bar変換の早見表
よく登場するatm値のbar換算結果をまとめた早見表が次のとおりです。
| atm | bar |
|---|---|
| 0.5 atm | 0.5066 bar |
| 1 atm | 1.01325 bar |
| 2 atm | 2.0265 bar |
| 5 atm | 5.0663 bar |
| 10 atm | 10.1325 bar |
| 50 atm | 50.6625 bar |
| 100 atm | 101.325 bar |
この早見表を活用すれば、スムーズに変換できるでしょう。
barからatmへの変換方法と計算式
変換式の導き方
続いては、barからatmへの逆方向の変換方法を確認していきます。
barからatmへ変換する場合は、先ほどの変換係数の逆数を使います。
bar → atm の変換式
atm = bar ÷ 1.01325
または atm = bar × 0.986923…
「÷1.01325」の計算が難しい場合は、×0.986923という近似係数を使うとよいでしょう。
どちらも同じ結果が得られますが、掛け算のほうが計算しやすいと感じる方が多いかもしれません。
例題:bar → atmの計算
例題1:2 barをatmに換算する
2 bar × 0.986923 = 1.973847 atm
答え:2 bar ≒ 1.9738 atm
例題2:3.5 barをatmに換算する
3.5 bar × 0.986923 = 3.454230 atm
答え:3.5 bar ≒ 3.4542 atm
例題3:10 barをatmに換算する
10 bar × 0.986923 = 9.86923 atm
答え:10 bar ≒ 9.8692 atm
barの値に0.986923を掛け算するだけで、atm換算が完了します。
よく使うbar→atm変換の早見表
barからatmへの変換についても早見表を確認しておきましょう。
| bar | atm |
|---|---|
| 0.5 bar | 0.4935 atm |
| 1 bar | 0.9869 atm |
| 2 bar | 1.9738 atm |
| 5 bar | 4.9346 atm |
| 10 bar | 9.8692 atm |
| 50 bar | 49.346 atm |
| 100 bar | 98.692 atm |
変換係数のまとめ
atm → bar:× 1.01325(atmの値がbarより大きくなる)
bar → atm:× 0.986923(barの値がatmより小さくなる)
1 atm と 1 barの差は約1.3%のみ
圧力単位の比較と実用的な活用シーン
他の主な圧力単位との比較
続いては、atmとbar以外の主要な圧力単位との比較を確認していきます。
圧力単位はatmとbar以外にも数多く存在します。目的や分野によって使い分けることが大切です。
| 圧力単位 | Pa換算 | atm換算 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 1 atm | 101,325 Pa | 1 atm | 化学・標準状態 |
| 1 bar | 100,000 Pa | 0.9869 atm | 工業・気象 |
| 1 MPa | 1,000,000 Pa | 9.869 atm | 土木・材料強度 |
| 1 kPa | 1,000 Pa | 0.009869 atm | 医療・工学 |
| 1 hPa | 100 Pa | 0.0009869 atm | 気象(天気予報) |
| 1 mmHg | 133.322 Pa | 0.001316 atm | 医療(血圧) |
| 1 psi | 6,894.76 Pa | 0.0680 atm | タイヤ空気圧など |
atmが使われる主なシーン
atmが活躍するのは、主に化学・物理の基礎計算や標準状態の定義においてです。
代表的な使用例として、気体の理想気体の状態方程式(PV=nRT)における圧力Pの単位として使われることが挙げられます。
また、深海探査や潜水作業における水圧の表現でも「何atm」という形でよく登場します。水深10mごとに約1atmずつ圧力が加わる、という知識は、ダイビングなどを学んだことがある方にはなじみ深いでしょう。
barが使われる主なシーン
工業・気象・流体力学の分野ではbarが多く活用されています。
例えば、コンプレッサーや空気圧機器の仕様書、流体配管の設計図などでは「○○bar」という表記がよく使われます。
また、気象分野でもbarは歴史的に使われてきた単位で、台風の中心気圧などを「ミリバール(mbar)」で表現していた時代もありました。現在は「ヘクトパスカル(hPa)」に移行していますが、barとの換算知識は今なお有用です。
atmとbarの変換でよくある疑問・注意点
「1atm≒1bar」として計算してよい場面はある?
続いては、atmとbarの変換においてよくある疑問と注意すべきポイントを確認していきます。
「1 atm≒1 bar」として近似してよい場面があるかどうかは、求められる精度によって異なります。
日常会話や、ざっくりとした見積もり計算であれば、1 atm≒1 barとして扱っても実用上は問題ないことがほとんどです。誤差は約1.3%であるため、例えば「このタンクの圧力は大体5barつまり約5atm」という大まかな把握には十分でしょう。
しかし、以下のような場合には必ず正確な換算係数を使う必要があります。
化学反応の計算や気体の体積・物質量を求める問題、工業設備の設計・安全管理、精密な物理実験データの解析、資格試験・学術論文での記述など、厳密さが求められる場面では必ず1 atm=1.01325 barという正確な値を使ってください。
ゲージ圧と絶対圧の違いに注意
atmやbarを扱う際に混乱しやすいのが、「ゲージ圧」と「絶対圧」の違いです。
絶対圧(Absolute Pressure)は、完全な真空(0 Pa)を基準として測定した圧力のことです。一方、ゲージ圧(Gauge Pressure)は大気圧を基準(0)として測定した圧力を指します。
絶対圧とゲージ圧の関係
絶対圧 = ゲージ圧 + 大気圧(約1 atm または 1.01325 bar)
例:ゲージ圧2 bar → 絶対圧 = 2 + 1.01325 = 3.01325 bar
圧力計の読み取り値はゲージ圧であることが多く、計算に用いる際は絶対圧に変換する必要があります。
「barG(bar gauge)」や「barA(bar absolute)」のように表記されることもあるため、単位の後ろに付いた記号にも注意しましょう。
単位換算でよくあるミスとその対策
単位換算でよくあるミスとして、変換係数の逆数を使ってしまうという誤りが挙げられます。
例えば、「1 atm=1.01325 barだから、barからatmに変換するときも×1.01325でいいのでは?」と思ってしまうケースがあります。しかし、barからatmへは÷1.01325(または×0.986923)が正しい変換式です。
変換の方向を確認するシンプルな方法として、「1 atmは1 barよりわずかに大きい」という事実を思い出すことが有効です。つまり、atm→barに変換すると数値は大きくなり、bar→atmに変換すると数値は小さくなる、と覚えておくとよいでしょう。
| 変換の方向 | 係数 | 数値の変化 |
|---|---|---|
| atm → bar | × 1.01325 | 数値が約1.3%増える |
| bar → atm | × 0.986923 | 数値が約1.3%減る |
この「大きくなるか小さくなるか」を意識するだけで、変換ミスをぐっと減らすことができます。
まとめ
今回は、大気圧(atm)とbarの単位変換・換算方法について詳しく解説しました。
最も重要なポイントは、1 atm=1.01325 bar、そして1 bar=約0.986923 atmという基本的な変換係数です。
atmからbarへ変換するには「×1.01325」、barからatmへ変換するには「×0.986923(または÷1.01325)」を使えば正確に換算できます。
両者の差はわずか約1.3%ですが、科学的・工学的な計算では無視できない誤差となることもあります。正確な係数を用いた換算を習慣にしておくことが大切でしょう。
また、atmは化学の標準状態や理想気体の計算に、barは工業や気象分野でよく使われるという使い分けの違いも覚えておくと、実務で迷わず対応できます。
この記事で紹介した変換式・早見表・例題を活用して、圧力単位の換算をスムーズにこなせるようになってください。