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barとは?読み方や意味は?圧力の単位を徹底解説!

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barとは?読み方や意味は?圧力の単位を徹底解説!

「bar(バール)」という単位を目にしたことはあるでしょうか。天気予報の気圧表示や、タイヤの空気圧チェック、工業用機器の仕様書、スキューバダイビングのタンク圧など、日常のさまざまな場面でこの単位は登場しています。しかし「barって何?」「どう読むの?」「パスカルやatmとはどう違うの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、barとは何かという基本的な疑問から、読み方・意味・由来、さらには他の圧力単位との換算方法や、barが使われる身近なシーンまで、圧力の単位「bar(バール)」を徹底解説していきます。物理の基礎知識として、また実務での活用知識として、ぜひ最後まで読んでみてください。

barとは?読み方と基本的な意味を一発解説

それではまず、barの読み方と基本的な意味について解説していきます。

barは、「バール」と読みます。英語の「bar(棒・バー)」と同じスペルですが、圧力の文脈では「バール」と発音するのが正式です。日本語表記では「バール」と書かれることがほとんどで、単位記号はそのまま小文字の「bar」が使用されます。大文字の「Bar」や「BAR」は誤表記となるため、注意が必要です。

barの意味としては、圧力(力を面積で割った量)を表す単位です。1 barは、1平方センチメートルあたり約1kgf(キログラム重)の圧力に相当し、地球の標準大気圧(1気圧)にほぼ近い値を持つことから、気象・工業・科学など幅広い分野で広く使われています。

barとは、圧力を表す国際的な単位であり、「バール」と読みます。1 barはおよそ1気圧(大気圧)に相当し、SI単位系のパスカル(Pa)との関係では、1 bar=100,000 Pa(100 kPa)と定義されています。現在はSI正式単位ではないものの、SI単位との併用が認められた非SI単位として世界中で使われています。

barという名称は、ギリシャ語の「βάρος(baros)」に由来しています。この語は「重さ」や「重力」を意味しており、圧力という概念との深いつながりを感じさせます。1900年代初頭に気象学の分野でバロメトリー(気圧測定)の単位として導入されたのが、barという単位の歴史的な始まりです。その後、工業や化学など多くの分野に普及し、現在も世界標準に近い形で活用されています。

現在ではSI(国際単位系)の正式単位ではないものの、SI単位系と併用が認められた非SI単位として広く使われており、特に気象・海洋・工業・ダイビング・飲料機器などの分野では欠かせない存在となっています。

また、barは「圧力の大きさのイメージがつかみやすい」という実用的なメリットも持っています。1 barがほぼ1気圧に相当するため、「これは大気圧の何倍か」というイメージを直感的につかめるのです。この使いやすさが、SI正式単位でありながらも多くの現場でパスカルよりbarが好まれる理由の一つといえるでしょう。

barとパスカル・気圧(atm)・MPaの違いと換算方法

続いては、barと他の圧力単位との違いや換算方法を確認していきます。

圧力を表す単位にはさまざまな種類があり、使われる分野によって使い分けられています。barのほか、パスカル(Pa)、気圧(atm)、MPa(メガパスカル)、psi(ポンド毎平方インチ)、mmHg(水銀柱ミリメートル)などが代表的です。それぞれの関係を整理して理解しておくと、実務でも非常に役立ちます。

以下の表に、主な圧力単位とbarとの換算値をまとめました。

単位名 単位記号 1 barとの換算 主な使用場面
バール bar 1 bar 気象・工業・ダイビング
パスカル Pa 1 bar=100,000 Pa SI基本単位・学術
キロパスカル kPa 1 bar=100 kPa 気圧・タイヤ空気圧
メガパスカル MPa 1 bar=0.1 MPa 配管・ボイラー・材料強度
標準大気圧 atm 1 bar≒0.9869 atm 化学・標準状態表記
ミリバール mbar 1 bar=1,000 mbar 気象(古い表記)
psi psi 1 bar≒14.504 psi アメリカ・英国の工業
水銀柱ミリメートル mmHg 1 bar≒750.06 mmHg 医療(血圧)・真空

特に注意したいのが、barとatm(気圧)の違いです。どちらも「約1気圧」を表しているように思えますが、厳密には異なる値を持っています。

1 atm(標準大気圧)=101,325 Pa
1 bar=100,000 Pa
差分:1 atm ≒ 1.01325 bar
つまり、1 barは1 atmよりもわずかに小さい値です。

この微小な差は、日常生活ではほぼ無視できるレベルですが、精密な科学実験や計算においては重要な意味を持ちます。化学の標準状態(STP)の定義でも、かつては1 atmが使われていましたが、現在は1 barを標準圧力として採用するケースが国際的に増えています。IUPACによる新定義でも標準圧力として1 barが採用されており、これは化学の教科書や実験報告書に大きな影響を与えました。

barとkPaの換算

barとkPaはどちらも日常でよく目にする単位です。タイヤの空気圧表示では「220 kPa」と「2.2 bar」が同じ値を示しています。換算は非常にシンプルで、1 bar=100 kPaという関係を覚えておけば問題ありません。10倍・100倍のスケールで頭の中で変換できるため、非常に扱いやすい組み合わせです。

barとMPaの換算

MPa(メガパスカル)は工業・配管・ボイラーの分野でよく使われます。1 MPa=10 barという関係があり、高圧を扱う機器の仕様確認において非常に重要な換算です。たとえば「100 bar」の配管は「10 MPa」に相当し、業務用エスプレッソマシンの最大圧力「1.5 MPa」は「15 bar」と言い換えられます。

barとpsiの換算

psi(ポンド毎平方インチ)は主にアメリカや英国の製品に表示されることが多い単位です。1 bar≒14.504 psiという換算値を覚えておくと、輸入品の機器を使う際に便利です。逆に言えば、1 psi≒0.0689 barとなります。自転車のタイヤ空気圧などで「100 psi」と書かれていれば、約6.9 barに相当することがわかります。

barが使われる身近なシーンと具体的な数値の目安

続いては、barという単位が実際にどのような場面で使われているのか、具体的な数値とともに確認していきます。

barは非常に幅広い分野で活用されており、実は私たちの生活に深く関わっています。以下に代表的な使用シーンをご紹介します。

気象・天気予報における気圧表示

天気予報では「気圧」という言葉が日常的に登場します。日本の天気予報では主にhPa(ヘクトパスカル)が使われていますが、国際的な気象観測ではmbar(ミリバール)が長年使われてきた歴史があります。標準大気圧はおよそ1013 hPa(=1013 mbar=1.013 bar)です。台風の中心気圧が「950 hPa」などと表現されますが、これはbarに換算すると0.95 barに相当します。低気圧が発達するほどbarの値が小さくなるというわけです。高気圧・低気圧の概念を理解する上でも、barの基礎知識が役立ちます。さらに、航空機の客室内気圧はおよそ0.75〜0.85 barに設定されており、地上よりも低いことが知られています。山岳地帯の高地での気圧低下も同様の原理で起こる現象です。

タイヤの空気圧管理

自動車のタイヤ空気圧は、日本ではkPaで表示されることが多いですが、欧州製の車両やタイヤゲージではbarが使われているケースも少なくありません。

乗用車のタイヤ空気圧の目安(一般的な例)
前輪:約2.2〜2.4 bar(220〜240 kPa)
後輪:約2.0〜2.4 bar(200〜240 kPa)
※車種・積載量・メーカー推奨値によって異なります

空気圧が不足していると燃費の悪化やタイヤの偏摩耗につながり、過剰でも乗り心地や安全性に影響が出ます。barとkPaの関係(1 bar=100 kPa)を知っておくと、どちらの単位でも迷わずに対応できるでしょう。

スキューバダイビングのタンク圧力

スキューバダイビングで使用するエアタンクの圧力表示には、barが一般的に使われています。一般的なダイビング用タンクは200〜300 barの高圧で充填されており、残圧計もbar表示が標準です。また、水中では水深10mごとに約1 bar(約1気圧)の圧力が加わるため、ダイビングの計画や安全管理においてbarは切っても切れない単位です。

コーヒーマシン(エスプレッソ)の抽出圧力

エスプレッソマシンの仕様表に「9 bar」「15 bar」といった数字が記載されているのを見たことがある方もいるでしょう。エスプレッソはコーヒーの粉に高圧のお湯を通して抽出する飲み物で、理想的な抽出圧力は約9 barとされています。家庭用・業務用のエスプレッソマシンを選ぶ際の重要な指標となっており、圧力が適切でないと風味や抽出量に大きな影響が生じます。

barとmbarの違い、およびヘクトパスカルとの関係

続いては、barの派生単位であるmbar(ミリバール)と、天気予報でおなじみのhPa(ヘクトパスカル)との関係について確認していきます。

単位の接頭辞(プレフィックス)の知識があると、barの関連単位を正確に理解しやすくなります。barに付く主な接頭辞をまとめると以下のとおりです。

mbar(ミリバール):1 mbar=0.001 bar=100 Pa
μbar(マイクロバール):1 μbar=0.000001 bar=0.1 Pa
kbar(キロバール):1 kbar=1,000 bar(地質学・高圧実験で使用)
Mbar(メガバール):1 Mbar=1,000,000 bar(天体物理学などで使用)

mbarとhPaは実は同じ値

気象分野でよく使われるmbar(ミリバール)とhPa(ヘクトパスカル)は、数値的にまったく同じ値を示します。これは偶然ではなく、単位系の整合性から導かれる事実です。

1 mbar=100 Pa=1 hPa
つまり、「1013 mbar」と「1013 hPa」はまったく同じ気圧を指しています。現在の日本の天気予報では主にhPaが使われていますが、古い文献や海外の資料ではmbarが登場することもあるため、両者が同じであることを知っておくと安心です。

kbar・Mbarはどこで使われる?

kbar(キロバール)は地質学や高圧物理実験の分野で用いられます。地球のマントルや地殻の圧力を語る際、数kbar〜数十kbarという表現が登場することがあります。さらに大きなMbar(メガバール)は、天体の内部圧力や核融合研究などの超高圧環境を語る際に使われる単位です。日常生活とはかけ離れた世界の話ですが、barという単位がいかに広い範囲をカバーしているかがわかります。

絶対圧と相対圧(ゲージ圧)の違い

barを理解する上でもう一つ押さえておきたいのが、「絶対圧(bara)」と「ゲージ圧(barg)」の違いです。絶対圧(bara:bar absolute)は、完全な真空を0として測定した圧力のことです。一方、ゲージ圧(barg:bar gauge)は、大気圧を基準(0)として測定した圧力を指します。

タイヤの空気圧計などは通常ゲージ圧で表示されており、「2.2 barg」と表示されている場合は、大気圧に加えてさらに2.2 bar分の圧力がかかっていることを意味します。絶対圧に換算すると、2.2 barg+1 bar(大気圧)=約3.2 bara となります。工業機器の仕様書や圧力計を読む際には、この区別が非常に重要です。誤って読んでしまうと機器のトラブルや事故につながる危険性もあるため、仕様書の確認は慎重に行いましょう。

まとめ

本記事では、「barとは?読み方や意味は?圧力の単位を徹底解説!」というテーマで、barに関するさまざまな知識を幅広くご紹介しました。

barは「バール」と読み、圧力を表す非SI単位として、気象・工業・ダイビング・コーヒーマシンなど幅広い場面で活用されています。1 bar=100,000 Paという定義を基準に、kPa・MPa・atm・psiといった他の圧力単位への換算も、一度関係を覚えてしまえば難しくはありません。

また、mbar=hPaという気象分野での等価関係や、絶対圧(bara)とゲージ圧(barg)の違いなど、実務で役立つ細かな知識についても理解が深まったのではないでしょうか。

圧力の単位は一見複雑に見えますが、barを起点として各単位の関係を整理すると、スッキリと理解できるはずです。ぜひ本記事を参考に、barという単位を日常生活や仕事の場面で自信を持って活用してみてください。