圧力の単位には様々な種類がありますが、bar(バール)とkPa(キロパスカル)はどちらも日常的な場面から工業分野まで幅広く使われている代表的な単位です。「1バールは何キロパスカル?」「1キロパスカルは何バール?」と疑問を感じたことはないでしょうか。
barは欧州を中心とした工業機器や気象分野で広く使われており、kPaはSI単位系に基づく圧力単位として日本や国際規格でも頻繁に登場します。タイヤの空気圧・気象予報・配管設計・調理器具の圧力表示など、身近なところでも両者が登場する機会は意外と多いものです。
この記事では「barとkpaの単位変換・換算方法は?1バールは何キロパスカル?1キロパスカルは何バール?例題付の計算方法」というテーマで、換算式・換算表・具体的な例題・実務での活用シーンまで丁寧に解説していきます。単位変換に迷っている方もぜひ最後までお読みください。
barとkPaの換算の結論!基本の換算式をまず押さえよう
それではまず、barとkPaの換算における基本の換算式と結論について解説していきます。
最初にズバリお伝えすると、barとkPaの関係はとてもシンプルです。
基本の換算式
1 bar = 100 kPa
1 kPa = 0.01 bar
1バールはちょうど100キロパスカル、1キロパスカルは0.01バールという非常にわかりやすい関係です。この換算比率はきっちり100倍・100分の1という整数倍の関係になっているため、計算ミスが起きにくいのが特徴といえるでしょう。
たとえば2 barなら200 kPa、0.5 barなら50 kPa、250 kPaなら2.5 barというように、頭の中でさっと変換できるようになれば実務でも大変便利です。
bar(バール)とはどんな単位か?
bar(バール)は、CGS単位系に由来する圧力の単位で、1 barはちょうど100,000 Pa(パスカル)に定義されています。SI単位系には属しませんが、国際度量衡委員会からSIと併用可能な単位として認められており、工業分野では世界中で広く使われています。
1 bar = 100,000 Pa = 100 kPa = 0.1 MPa
barが特によく使われる場面としては、欧州製の圧力計・ダイビング器具・タイヤ空気圧(欧州車)・気象分野・ワインの炭酸圧管理などが挙げられます。また、大気圧に非常に近い値であることも特徴で、標準大気圧は1.01325 barとほぼ1 bar相当です。このことから、1 barという値が日常的な圧力の基準として直感的に使いやすいといえるでしょう。
kPa(キロパスカル)とはどんな単位か?
kPa(キロパスカル)は、SI単位系の圧力単位であるパスカル(Pa)の1000倍にあたる単位です。
1 kPa = 1,000 Pa
1 MPa = 1,000 kPa = 1,000,000 Pa
Paは非常に小さい単位であるため、日常的・工業的な圧力を表すにはkPaが使いやすいサイズ感です。日本ではタイヤの空気圧表示にkPaが標準的に使われており、「240 kPa」などという表記を見たことがある方も多いでしょう。気象庁の気圧表示にもhPa(ヘクトパスカル)が使われており、hPaはkPaの10分の1ですので、天気予報の「1013 hPa」は「101.3 kPa」に相当します。
barとkPaの換算式の背景と根拠
barとkPaの換算がなぜ「1 bar = 100 kPa」という整数倍になるのか、その根拠を確認しておきましょう。
1 bar の定義 = 100,000 Pa(パスカル)
1 kPa の定義 = 1,000 Pa(パスカル)
よって 1 bar = 100,000 Pa ÷ 1,000 Pa/kPa = 100 kPa
barもkPaも、どちらもパスカル(Pa)を基準として定義された単位です。1 barが100,000 Pa、1 kPaが1,000 Paですから、その比はちょうど100倍になります。換算係数が整数倍という非常にシンプルな関係であるため、他の単位換算(psiとMPaなど)と比べてミスが格段に少ない組み合わせといえるでしょう。
barとkPaの換算表で一覧確認!よく使う数値をまとめて把握しよう
続いては、barとkPaの換算表を確認していきます。実務や日常でよく登場する数値を一覧にまとめましたので、必要な数値をすぐに参照できるようになっています。
換算式が簡単とはいえ、素早く確認したい場面では換算表が何より便利です。ぜひブックマークなどして活用してみてください。
bar → kPa 換算表(代表値)
まずはbarからkPaへの換算表です。タイヤ・コンプレッサー・配管・ダイビングなど幅広い場面で使われる数値を網羅しています。
| bar(バール) | kPa(キロパスカル) | 用途例・目安 |
|---|---|---|
| 0.1 bar | 10 kPa | 低圧システム |
| 0.2 bar | 20 kPa | 低圧ガス配管 |
| 0.5 bar | 50 kPa | 給水圧(低め) |
| 1.0 bar | 100 kPa | 大気圧相当・基準値 |
| 1.5 bar | 150 kPa | 自転車タイヤ(MTB) |
| 2.0 bar | 200 kPa | 乗用車タイヤ目安 |
| 2.2 bar | 220 kPa | 乗用車タイヤ(欧州表記) |
| 2.5 bar | 250 kPa | SUV・ミニバンタイヤ |
| 3.0 bar | 300 kPa | 高圧タイヤ・エアコンプレッサー |
| 5.0 bar | 500 kPa | 工業用エア配管 |
| 7.0 bar | 700 kPa | コンプレッサー設定圧 |
| 10.0 bar | 1,000 kPa | 高圧機器・水深100m相当 |
| 20.0 bar | 2,000 kPa | 油圧機器(低圧) |
| 100.0 bar | 10,000 kPa | 高圧油圧システム |
| 200.0 bar | 20,000 kPa | スキューバタンク充填圧 |
タイヤ空気圧でよく登場する2.0〜2.5 bar は200〜250 kPaに相当します。日本の空気入れや圧力計でkPa表示に慣れている方でも、欧州車の取扱説明書にbar表示が出てきた際にスムーズに対応できるでしょう。
kPa → bar 換算表(代表値)
次に、kPaからbarへの換算表です。日本の規格や天気予報などkPa・hPaで表示されている数値をbarに換算したい場合にご活用ください。
| kPa(キロパスカル) | bar(バール) | 用途例・目安 |
|---|---|---|
| 10 kPa | 0.10 bar | 低圧ライン |
| 50 kPa | 0.50 bar | 給水圧(低圧) |
| 100 kPa | 1.00 bar | 大気圧相当・基準値 |
| 101.325 kPa | 約1.01325 bar | 標準大気圧(1 atm) |
| 150 kPa | 1.50 bar | 自転車タイヤ(MTB) |
| 200 kPa | 2.00 bar | 乗用車タイヤ目安 |
| 230 kPa | 2.30 bar | 乗用車タイヤ標準 |
| 250 kPa | 2.50 bar | SUV・ミニバン |
| 300 kPa | 3.00 bar | 高圧タイヤ・コンプレッサー |
| 500 kPa | 5.00 bar | 工業用エア配管 |
| 700 kPa | 7.00 bar | コンプレッサー設定圧 |
| 1,000 kPa | 10.00 bar | 高圧機器 |
| 3,000 kPa | 30.00 bar | 高圧配管・試験圧 |
| 10,000 kPa | 100.00 bar | 超高圧システム |
日本の乗用車タイヤの適正空気圧として多い230 kPaは2.3 barに相当します。国産車と欧州車を両方お持ちの方や、海外でのレンタカー利用時などに役立つ知識でしょう。
他の圧力単位との比較表
barとkPa以外にも圧力単位は複数存在します。代表的な単位との関係を下表でまとめておきますので、換算の全体像を把握するのにお役立てください。
| 単位 | 1 bar との関係 | 主な使用場面 |
|---|---|---|
| Pa(パスカル) | 1 bar = 100,000 Pa | SI基本単位 |
| hPa(ヘクトパスカル) | 1 bar = 1,000 hPa | 気象・天気予報 |
| kPa(キロパスカル) | 1 bar = 100 kPa | タイヤ空気圧・工業 |
| MPa(メガパスカル) | 1 bar = 0.1 MPa | 油圧・構造計算 |
| atm(標準大気圧) | 1 bar ≒ 0.9869 atm | 化学・物理 |
| psi(ポンド毎平方インチ) | 1 bar ≒ 14.504 psi | 英米系機器 |
| kgf/cm² | 1 bar ≒ 1.0197 kgf/cm² | 旧JIS・機械設計 |
| mmHg(トル) | 1 bar ≒ 750.06 mmHg | 医療・真空 |
1 barは0.1 MPaとも一致しており、MPaとの換算も非常にわかりやすい関係です。複数の単位が混在する現場では、まず1 bar = 100 kPa = 0.1 MPaという関係を軸に整理すると混乱しにくいでしょう。
例題付きで学ぶ!barとkPaの計算方法を実践的に理解しよう
続いては、具体的な例題を使いながらbarとkPaの計算方法を確認していきます。換算式は単純ですが、小数点の扱いやゼロの数に慣れることが大切です。
bar → kPa の計算方法と例題
barをkPaに変換する際は以下の換算式を使います。
bar → kPa の換算式
kPa = bar × 100
barの数値に100を掛けるだけなので、計算はとても簡単です。実際に例題で確認してみましょう。
例題1 2 bar は何 kPa?
kPa = 2 × 100 = 200 kPa
答え 200 kPa
例題2 2.5 bar は何 kPa?(SUV・ミニバンのタイヤ空気圧目安)
kPa = 2.5 × 100 = 250 kPa
答え 250 kPa
例題3 0.7 bar は何 kPa?
kPa = 0.7 × 100 = 70 kPa
答え 70 kPa
例題4 7 bar は何 kPa?(工業用コンプレッサーの設定圧)
kPa = 7 × 100 = 700 kPa
答え 700 kPa
barの数値の後ろにゼロを2つ付けるだけでkPaになる、と覚えておくと暗算がしやすくなります。小数点のある数値でも、小数点を2桁右にずらすイメージで対応できるでしょう。
kPa → bar の計算方法と例題
kPaをbarに変換する際は以下の換算式を使います。
kPa → bar の換算式
bar = kPa ÷ 100
kPaの数値を100で割るだけです。例題を確認してみましょう。
例題5 230 kPa は何 bar?(国産乗用車のタイヤ空気圧目安)
bar = 230 ÷ 100 = 2.3 bar
答え 2.3 bar
例題6 101.325 kPa は何 bar?(標準大気圧)
bar = 101.325 ÷ 100 = 1.01325 bar
答え 約1.013 bar
例題7 500 kPa は何 bar?(工業用エア配管の目安圧力)
bar = 500 ÷ 100 = 5 bar
答え 5 bar
例題8 1,013 hPa は何 bar?(天気予報でよく出る気圧)
まず hPa → kPa に変換 1,013 hPa = 101.3 kPa
bar = 101.3 ÷ 100 = 1.013 bar
答え 約1.013 bar
kPaの数値の小数点を2桁左にずらすとbarになる、というイメージで覚えると暗算が楽になります。例えば350 kPaなら3.5 bar、120 kPaなら1.2 barというように、直感的に換算できるようになるでしょう。
計算ミスを防ぐポイントと注意点
barとkPaの換算はシンプルとはいえ、いくつか注意したいポイントがあります。よくあるミスとその対策を確認しておきましょう。
最も多いのが、hPaとkPaの混同です。気象分野ではhPa(ヘクトパスカル)が主に使われますが、hPaはkPaの10分の1であるため、そのままbarに換算しようとすると10倍の誤差が生じます。
hPaをbarに換算する場合の正しい手順
誤)1013 hPa ÷ 100 = 10.13 bar (× hPaをkPaと勘違いした場合)
正)1013 hPa ÷ 1000 = 1.013 bar (○ 1 bar = 1000 hPa を利用)
または 1013 hPa = 101.3 kPa → 101.3 ÷ 100 = 1.013 bar (○)
また、ゲージ圧と絶対圧の違いにも注意が必要です。圧力には大気圧を基準とした「ゲージ圧」と、真空(ゼロ)を基準とした「絶対圧」があります。タイヤの空気圧はゲージ圧で表示されることが多く、絶対圧とは約1 bar(100 kPa)の差があります。機器の仕様を確認する際は、どちらの基準で表示されているかを必ず確認しましょう。
ゲージ圧と絶対圧の関係
絶対圧 = ゲージ圧 + 大気圧(約1.013 bar = 約101.3 kPa)
例)タイヤゲージ圧2.2 bar の絶対圧 = 2.2 + 1.013 = 約3.213 bar
barとkPaの換算が必要な実務・日常場面と活用法を知ろう
続いては、barとkPaの換算が実際に必要になる場面と、その活用法を確認していきます。換算の知識は知っているだけでなく、実際の場面で正しく使えてこそ意味があります。
タイヤ空気圧管理での活用
barとkPaの換算がもっとも身近に必要になる場面のひとつがタイヤの空気圧管理です。欧州車やバイクの取扱説明書ではbar表示が使われることが多く、日本のカーショップやガソリンスタンドのエアゲージがkPa表示の場合に換算が必要になります。
| 車種・タイヤの種類 | 推奨空気圧(bar目安) | 換算後(kPa) |
|---|---|---|
| 乗用車(一般) | 2.0〜2.4 bar | 200〜240 kPa |
| SUV・ミニバン | 2.2〜2.8 bar | 220〜280 kPa |
| 大型トラック | 7.0〜8.5 bar | 700〜850 kPa |
| ロードバイク | 6.0〜9.0 bar | 600〜900 kPa |
| マウンテンバイク | 1.5〜2.5 bar | 150〜250 kPa |
| バイク(自動二輪) | 2.0〜2.9 bar | 200〜290 kPa |
タイヤの空気圧は安全走行に直結する非常に重要な管理項目です。空気圧が低すぎると燃費悪化・偏摩耗・バーストリスクが上がり、高すぎるとグリップ低下・乗り心地の悪化につながります。欧州車のマニュアルにbar表示が使われていても、正確にkPaに換算して適切な空気圧を維持しましょう。
気象・天気予報分野での活用
天気予報で耳にする「気圧1013ヘクトパスカル」というフレーズ。このhPa(ヘクトパスカル)はkPaの10分の1ですので、気象データをbarやkPaに換算する機会もあるでしょう。
気象分野でよく登場する気圧の換算例
標準大気圧 1013.25 hPa = 101.325 kPa = 1.01325 bar
台風(中心気圧) 960 hPa = 96 kPa = 0.96 bar
低気圧 990 hPa = 99 kPa = 0.99 bar
高気圧 1025 hPa = 102.5 kPa = 1.025 bar
気象分野では現在hPaが標準的に使われていますが、かつてはmbar(ミリバール)が使われていた時代もあります。1 mbar = 0.001 bar = 0.1 kPa = 1 hPaという関係も覚えておくと、気象資料を読む際に役立つでしょう。
工業・配管・コンプレッサー分野での活用
製造業や建設業の現場では、エアコンプレッサー・油圧機器・配管設計においてbarとkPaの換算が頻繁に必要になります。特に欧州製の機械や設備を扱う現場では、仕様書がbar表示で記載されていることが多く、日本のJIS規格や社内管理基準(kPaやMPa表示)との変換が欠かせません。
たとえば、欧州製エアコンプレッサーの最大吐出圧が「10 bar」と記載されていた場合は、kPaに換算すると1,000 kPa(= 1 MPa)となります。この値をもとに、配管の耐圧スペックや安全弁の設定値を適切に選定することが大切です。
コンプレッサー圧力のbar↔kPa換算例
6 bar = 600 kPa(小型コンプレッサーの一般的な設定圧)
7 bar = 700 kPa(工場エア配管の標準圧力目安)
10 bar = 1,000 kPa(高圧コンプレッサーの最大圧)
16 bar = 1,600 kPa(高圧配管・試験圧の目安)
圧力管理は安全管理に直結する重要な作業です。単位の読み間違いや換算ミスは機器の損傷や事故につながる恐れがありますので、換算表を手元に置きながら慎重に確認するようにしましょう。
まとめ
この記事では「barとkpaの単位変換・換算方法は?1バールは何キロパスカル?1キロパスカルは何バール?例題付の計算方法」というテーマで、換算式・換算表・具体的な例題・実務での活用法まで幅広く解説しました。
最後にもう一度、重要なポイントを整理しておきましょう。
まとめ barとkPaの換算の重要ポイント
1 bar = 100 kPa
1 kPa = 0.01 bar
bar → kPa barの数値 × 100(または小数点を2桁右へ)
kPa → bar kPaの数値 ÷ 100(または小数点を2桁左へ)
1 bar = 0.1 MPa = 1,000 hPa = 100,000 Pa
barとkPaの換算は、psiとMPaの換算と異なりぴったり100倍という整数倍の関係になっているため、計算がとてもシンプルです。小数点を2桁ずらすだけで変換できるという感覚を身につけておくと、現場でも素早く対応できるでしょう。
タイヤ空気圧の管理・気象データの読み取り・工業機器の設定値確認など、さまざまな場面でbarとkPaの換算知識は活きてきます。この記事の換算表や例題をぜひ参考にして、正確な圧力管理にお役立てください。