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微分の公式一覧と証明!三角関数も完全網羅(基本公式・数2・数3・sin・cos・tan・導関数・計算式・覚え方・微分法など)

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微分の計算を効率的に行うためには、基本的な微分公式をしっかりと理解し、使いこなせるようになることが重要です。多項式から三角関数、指数関数、対数関数まで、それぞれの関数には特有の微分公式があり、これらを体系的に学ぶことで複雑な関数の微分も可能になります。

この記事では、数学Ⅱ・数学Ⅲで学ぶ微分の公式を一覧形式で紹介し、それぞれの証明や計算方法も詳しく解説していきます。基本公式から三角関数の微分、覚え方のコツまで、微分法を完全にマスターしていきましょう。

基本的な微分公式一覧(数学Ⅱレベル)

それではまず、数学Ⅱで学ぶ基本的な微分公式について解説していきます。

定数と基本関数の微分

最も基本となる微分公式から見ていきましょう。

【基本公式】

1. d/dx(C) = 0(Cは定数)

2. d/dx(x) = 1

3. d/dx(xⁿ) = nxⁿ⁻¹(べき関数の微分)

定数Cの微分がゼロになるのは、定数は変化しないためです。xの微分が1になるのは、xが1だけ増えるとf(x)も1だけ増えるからでしょう。

べき関数xⁿの微分公式は、微分の最も重要な公式の一つです。指数nを前に出し、元の指数から1を引くという規則になっています。

線形性の公式

微分には線形性という重要な性質があります。

【線形性の公式】

4. d/dx[kf(x)] = k·f'(x)(定数倍)

5. d/dx[f(x) + g(x)] = f'(x) + g'(x)(和の微分)

6. d/dx[f(x) – g(x)] = f'(x) – g'(x)(差の微分)

これらの公式により、複雑な式を項ごとに分けて微分できます。例えば、d/dx(3x² + 2x – 5) = 6x + 2のように計算できるのです。

具体的な計算例

基本公式を使った計算例を見てみましょう。

例1:d/dx(x⁵) = 5x⁴

例2:d/dx(4x³) = 4·3x² = 12x²

例3:d/dx(x² + 3x – 7) = 2x + 3

例4:d/dx(2x⁴ – 5x² + 3x – 1) = 8x³ – 10x + 3

多項式の微分では、各項を個別に微分して足し合わせます。定数項は微分するとゼロになるため、消えるでしょう。

関数 微分 公式番号
C(定数) 0 1
x 1 2
xⁿ nxⁿ⁻¹ 3
2x 3の特殊例
3x² 3の特殊例
1/x = x⁻¹ -1/x² = -x⁻² 3の特殊例
√x = x^(1/2) 1/(2√x) = (1/2)x^(-1/2) 3の特殊例

積・商・合成関数の微分公式

続いては、より高度な微分公式について確認していきます。

積の微分公式

2つの関数の積を微分する公式は、積の微分法と呼ばれます。

【積の微分公式】

7. d/dx[f(x)·g(x)] = f'(x)·g(x) + f(x)·g'(x)

この公式は「前を微分×後ろ + 前×後ろを微分」と覚えます。単純に各関数を微分して掛け合わせるのではなく、2つの項に分かれることに注意が必要です。

例:d/dx(x²·sinx) = 2x·sinx + x²·cosx

商の微分公式

2つの関数の商を微分する公式は、商の微分法と呼ばれます。

【商の微分公式】

8. d/dx[f(x)/g(x)] = [f'(x)·g(x) – f(x)·g'(x)]/[g(x)]²

この公式は「(分子の微分×分母 – 分子×分母の微分)/分母²」と覚えます。分母が2乗になることと、符号がマイナスになることに注意しましょう。

例:d/dx(x/cosx) = (1·cosx – x·(-sinx))/cos²x = (cosx + x·sinx)/cos²x

合成関数の微分公式(連鎖律)

合成関数の微分では、連鎖律(チェーンルール)を使います。

【合成関数の微分公式】

9. y = f(u)、u = g(x)のとき

dy/dx = dy/du · du/dx = f'(u)·g'(x)

外側の関数を微分してから、内側の関数の微分を掛けるという手順です。例えば、(x² + 1)³を微分する場合、外側の3乗を微分してから、内側のx² + 1を微分します。

例:d/dx[(x² + 1)³] = 3(x² + 1)²·2x = 6x(x² + 1)²

微分法 公式 覚え方
積の微分 (fg)’ = f’g + fg’ 前微分×後 + 前×後微分
商の微分 (f/g)’ = (f’g – fg’)/g² (分子微分×分母 – 分子×分母微分)/分母²
合成関数 {f(g(x))}’ = f'(g(x))·g'(x) 外側微分×内側微分

三角関数の微分公式(数学Ⅲレベル)

続いては、三角関数の微分公式について確認していきます。

基本的な三角関数の微分

三角関数の微分公式は、数学Ⅲで学ぶ重要な内容です。

【三角関数の微分公式】

10. d/dx(sinx) = cosx

11. d/dx(cosx) = -sinx

12. d/dx(tanx) = 1/cos²x = sec²x

sinxの微分はcosx、cosxの微分は-sinx(マイナスがつく)、tanxの微分は1/cos²xとなります。これらは三角関数の微分の基礎となる公式でしょう。

三角関数の微分の証明

sinxの微分公式を証明してみましょう。

微分の定義から、d/dx(sinx) = lim[h→0] [sin(x+h) – sinx]/hです。

加法定理sin(x+h) = sinx·cosh + cosx·sinhを用いると、

[sin(x+h) – sinx]/h = [sinx(cosh – 1) + cosx·sinh]/h = sinx·[(cosh – 1)/h] + cosx·[sinh/h]

ここで、lim[h→0] sinh/h = 1、lim[h→0] (cosh – 1)/h = 0という重要な極限を使います。

したがって、d/dx(sinx) = sinx×0 + cosx×1 = cosxが証明されました。

三角関数の合成関数の微分

三角関数を含む合成関数の微分では、連鎖律を使います。

【三角関数の合成関数】

d/dx(sin(f(x))) = cos(f(x))·f'(x)

d/dx(cos(f(x))) = -sin(f(x))·f'(x)

d/dx(tan(f(x))) = sec²(f(x))·f'(x)

例:d/dx(sin2x) = cos2x·2 = 2cos2x

例:d/dx(cos(x²)) = -sin(x²)·2x = -2x·sin(x²)

例:d/dx(tan3x) = sec²(3x)·3 = 3/cos²(3x)

関数 微分 備考
sinx cosx プラス
cosx -sinx マイナスに注意
tanx 1/cos²x = sec²x 2種類の表記
sin2x 2cos2x 連鎖律の適用
cos(x²) -2x·sin(x²) 連鎖律の適用

指数関数と対数関数の微分公式

続いては、指数関数と対数関数の微分公式について確認していきます。

指数関数の微分

指数関数eˣの微分は、微分しても変わらないという特別な性質があります。

【指数関数の微分公式】

13. d/dx(eˣ) = eˣ

14. d/dx(aˣ) = aˣ·log a(a > 0, a ≠ 1)

eˣは微分しても自分自身になるという非常に美しい性質を持っています。一般の指数関数aˣの微分には、自然対数log aが掛かるのです。

合成関数の場合:d/dx(e^(f(x))) = e^(f(x))·f'(x)

例:d/dx(e^(2x)) = e^(2x)·2 = 2e^(2x)

対数関数の微分

対数関数の微分公式も重要です。

【対数関数の微分公式】

15. d/dx(log x) = 1/x(自然対数)

16. d/dx(log_a x) = 1/(x·log a)(底がaの対数)

自然対数log xの微分は1/xという簡潔な形になります。一般の対数log_a xの微分には、底の変換公式から1/(x·log a)という形が導かれるでしょう。

合成関数の場合:d/dx(log|f(x)|) = f'(x)/f(x)

例:d/dx(log(x² + 1)) = 2x/(x² + 1)

対数微分法

複雑な関数の微分では、対数微分法が有効です。

両辺の対数を取ってから微分する方法で、特に積や商、べき乗が複雑に組み合わさった関数で威力を発揮します。

【対数微分法の手順】

1. y = f(x)の両辺の対数を取る:log y = log f(x)

2. 両辺をxで微分:(1/y)·y’ = (log f(x))’

3. y’について解く:y’ = y·(log f(x))’

例:y = x^xの微分

log y = x·log x → (1/y)·y’ = log x + 1 → y’ = x^x·(log x + 1)

関数 微分 特徴
微分しても変わらない
aˣ·log a log aが掛かる
log x 1/x シンプルな形
log_a x 1/(x·log a) 底の変換が必要
e^(2x) 2e^(2x) 連鎖律の適用

微分公式の覚え方と計算のコツ

続いては、微分公式を効率的に覚える方法と計算のコツについて確認していきます。

公式の体系的な覚え方

微分公式は、体系的に理解することで覚えやすくなります

まず基本公式(定数、xⁿ)を完璧にします。次に線形性(和・差・定数倍)を理解し、積・商・合成関数の微分法を習得するという順序が効果的でしょう。

【覚える順序】

1. 基本:定数、xⁿ

2. 線形性:和・差・定数倍

3. 微分法:積・商・合成関数

4. 特殊関数:三角・指数・対数

三角関数は「sinの微分はcos、cosの微分は-sin」というペアで覚えます。指数関数は「eˣは微分しても変わらない」、対数関数は「log xの微分は1/x」と特徴を捉えるのです。

計算ミスを防ぐポイント

微分計算でよくあるミスとその対策を見ていきましょう。

符号のミス:cosxの微分で-sinxのマイナスを忘れる、商の微分で符号を間違えるなど。

連鎖律の適用忘れ:sin2xを微分してcos2xとしてしまい、係数2を忘れる。

積の微分の誤用:f(x)·g(x)を微分してf'(x)·g'(x)としてしまう。

計算ミスを防ぐには、公式を正確に覚えることはもちろん、計算後に検算する習慣をつけることが重要です。特に符号と係数に注意を払いましょう。

効率的な計算手順

複雑な関数を微分する際の手順を整理しましょう。

1. 関数の構造を見極める(積か商か合成か)

2. 適切な微分法を選択する

3. 内側から外側へ、または項ごとに計算する

4. 計算結果を簡略化する

例:d/dx[(x² + 1)·sinx]

→ 積の微分法を使用

→ 2x·sinx + (x² + 1)·cosx

よくあるミス 正しい計算 対策
d/dx(cosx) = sinx d/dx(cosx) = -sinx マイナスを忘れない
d/dx(sin2x) = cos2x d/dx(sin2x) = 2cos2x 連鎖律を適用
d/dx(x·sinx) = 1·cosx d/dx(x·sinx) = sinx + x·cosx 積の微分公式を正確に

まとめ

微分の公式について、基本公式から三角関数、指数関数、対数関数まで網羅的に解説してきました。

基本公式としては、定数の微分がゼロ、xⁿの微分がnxⁿ⁻¹という規則があります。線形性により、和・差・定数倍は項ごとに計算できるでしょう。

積・商・合成関数の微分では、それぞれ専用の公式を使います。積の微分は「前微分×後 + 前×後微分」、商の微分は分母の2乗で割る形、合成関数は連鎖律で外側から内側へ微分します。

三角関数ではsinx→cosx、cosx→-sinx、tanx→sec²xという基本公式があり、指数関数eˣは微分しても変わらず、対数関数log xの微分は1/xです。これらの公式を体系的に理解し、正確に使いこなせるようになることで、どんな関数の微分も計算できるようになるはずです。