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【Excel】エクセルで棒グラフに数値とパーセントを同時に表示(一括・データラベル・両方表示・併記する方法)

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Excelで棒グラフを作成する際、実際の数値だけでなく、全体に対する割合も同時に表示したいと思ったことはありませんか。

売上金額とその構成比、商品の販売個数とシェア率、予算の実数と達成率など、数値とパーセントの両方を表示することで、データの理解が格段に深まります

プレゼンテーション資料や報告書では、具体的な数値と相対的な割合の両方を示すことが求められる場面が多く、片方だけでは情報が不十分になってしまいます。

しかし、Excelのデフォルト設定では、データラベルに値かパーセントのどちらか一方しか表示されません。

両方を表示するには、データラベルの設定を適切に変更する必要があります。

設定方法を知らないと、手作業で一つずつテキストボックスを追加して入力するという非効率な作業をすることになります。

本記事では、棒グラフのデータラベルに数値とパーセントを同時に表示する様々な方法を詳しく解説します。

通常の棒グラフから100%積み上げグラフまで、見やすく効果的なレイアウトの工夫も紹介します。

グラフの表現力を高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

ポイントは・データラベルの書式設定で「値」と「パーセンテージ」両方にチェックを入れる

・区切り文字や改行を設定して見やすくレイアウトできる

・カスタム表示形式を使えば「1,000円(33%)」のような独自形式も可能

です。

それでは詳しく見ていきましょう。

データラベルに値とパーセンテージを同時表示する基本方法

まず最も基本的な方法として、データラベルの設定で複数項目を選択する手順を確認していきます。

データラベルの書式設定で両方にチェック

棒グラフのデータラベルに数値とパーセントを同時に表示するには、データラベルの書式設定で「値」と「パーセンテージ」の両方にチェックを入れます

まず、グラフを選択してデータラベルを追加します。

グラフの右上にある「グラフ要素」ボタン(+マーク)をクリックし、「データラベル」にチェックを入れます。

これで初期状態のデータラベルが表示されますが、通常は「値」のみが表示されています。

次に、追加されたデータラベルをクリックして選択します。

一つのデータラベルをクリックすると、その系列のすべてのデータラベルが選択されます。

選択された状態で右クリックし、「データラベルの書式設定」を選択します。

画面の右側に「データラベルの書式設定」パネルが開きます。

パネル内の「ラベルオプション」セクションに、表示する内容を選択するチェックボックスが並んでいます。

ここで「値」と「パーセンテージ」の両方にチェックを入れることで、データラベルに両方の情報が表示されます。

初期状態では「値」にのみチェックが入っているため、そこに「パーセンテージ」を追加でチェックします。「値」のチェックを外さずに、「パーセンテージ」を追加することがポイントです。

両方にチェックが入ると、データラベルに「100 33%」のように数値とパーセントが並んで表示されます。

区切り文字の設定で見やすくする

値とパーセンテージを同時に表示すると、デフォルトではスペース区切りで表示されます。

例えば「100 33%」という形式です。

区切り文字を変更することで、より見やすい表示に調整できます

データラベルの書式設定パネルの「ラベルオプション」の下部に、「区切り文字」というドロップダウンメニューがあります。

ここで区切り文字を選択できます。

選択肢には、スペース、改行、カンマ、セミコロン、ピリオドなどがあります。

「改行」を選択すると、数値とパーセントが上下に分かれて表示されます。

例えば、一行目に「100」、二行目に「33%」という形式になります。

これは縦方向のスペースに余裕がある場合に見やすい表示方法です。

「カンマ」を選択すると「100, 33%」という形式になり、より明確に区切られます。

括弧を使いたい場合は、後述するカスタム表示形式を使用します。

区切り文字 表示例 適している場面
スペース 100 33% シンプルな表示
改行 100
33%
縦に余裕がある場合
カンマ 100, 33% 明確に区切りたい場合
カスタム 100(33%) 特定の形式が必要な場合

表示順序の調整

データラベルに複数の情報を表示する場合、チェックボックスの並び順が表示順序に影響します

「ラベルオプション」のチェックボックスは、上から「系列名」「分類名」「値」「凡例マーカー」「パーセンテージ」などの順に並んでいます。

基本的には、チェックを入れた順序や項目の順序で表示されますが、Excelのバージョンによって若干の違いがあります。

もし表示順序を変更したい場合(パーセントを先に、数値を後にするなど)は、一度すべてのチェックを外してから、希望する順序でチェックを入れ直します。

ただし、この方法でも期待通りの順序にならない場合は、後述するカスタム表示形式を使用することで、完全に自由な形式を作成できます。

複数の情報を表示する際は、「系列名」や「分類名」も同時に表示することもできます。

例えば、「A商品 100 33%」のように、商品名、数値、パーセントを全て表示することも可能です。

ただし、情報量が多すぎるとデータラベルが大きくなり、グラフが見づらくなる可能性があるため、必要な情報だけを選択することが重要です。

100%積み上げ棒グラフでの数値とパーセント同時表示

続いては、構成比を示す100%積み上げグラフで、実数とパーセントを同時に表示する方法を確認していきます。

100%積み上げグラフでの表示の意義

100%積み上げ棒グラフは各カテゴリの合計を100%として構成比を示すグラフです。

このグラフでは、棒の長さが割合を表しているため、パーセント表示が基本となります

しかし、実際の数値も併記することで、相対的な割合と絶対的な量の両方を把握できるようになります。

例えば、地域別の売上構成比を示す100%積み上げグラフで、東京が50%を占めていると表示されていても、それが実際には500万円なのか5000万円なのかが分からなければ、意思決定に必要な情報が不足します。

「50% 500万円」と表示することで、シェアと実額の両方を一目で理解できます。

特に、異なる期間や異なる規模のデータを比較する場合、100%積み上げグラフは割合の変化を見やすく表示しますが、絶対値の変化は隠れてしまいます。

数値を併記することで、この弱点を補えます。

実数とパーセントを両方表示する設定

100%積み上げグラフで実数とパーセントを同時に表示するには、通常の棒グラフと同じ手順で設定します。

データラベルを選択して書式設定を開き、「値」と「パーセンテージ」の両方にチェックを入れます

ただし、100%積み上げグラフの場合、「値」は元データの実際の数値を表示し、「パーセンテージ」は計算された割合を表示します。

例えば、東京の売上が500万円で全体の1000万円に対して50%の場合、「値」にチェックを入れると「500」、「パーセンテージ」にチェックを入れると「50%」と表示されます。

両方にチェックを入れると「500 50%」という形式で表示されます。

区切り文字を改行に設定すれば、上段に実数、下段にパーセントが表示され、より見やすくなります。

100%積み上げグラフでは、セグメントのサイズが小さい場合、データラベルを内側に配置すると文字が読めなくなることがあります。この場合は、データラベルの位置を「外側(端)」に設定するか、小さいセグメントのデータラベルだけを個別に外側に配置します。

データラベルを一つだけ選択(ダブルクリック)して、ドラッグすることで個別に移動できます。

複数系列での表示バランス

100%積み上げグラフで複数のカテゴリ(棒)がある場合、各棒で表示するデータラベルの量を調整することが重要です。

すべてのセグメントに数値とパーセントを両方表示すると、グラフが情報過多になり、かえって見づらくなります。

例えば、5つの商品カテゴリがあり、それぞれに4つの地域のデータがある場合、合計20個のセグメントが存在します。

すべてに2行のデータラベルを表示すると、40行分の情報がグラフ内に詰め込まれることになります。

このような場合は、重要なセグメントだけにデータラベルを表示する選択的な表示が効果的です。

例えば、構成比が10%以上のセグメントだけに両方を表示し、10%未満のセグメントはパーセントのみ、または非表示にします。

個別のデータラベルを削除するには、データラベルをダブルクリックして単一選択状態にし、Deleteキーを押します。

セグメントのサイズ 推奨表示内容 配置位置
30%以上 数値とパーセント両方 中央
10%~30% パーセントのみ 中央または外側
5%~10% パーセントのみ 外側推奨
5%未満 非表示または外側に小さく 外側または非表示

カスタム表示形式で独自の形式を作成する

続いては、より柔軟な表示形式を実現するカスタム表示の方法を確認していきます。

括弧付き表示の作成方法

データラベルを「100(33%)」のように括弧付きで表示したい場合、カスタム表示形式を使用します

ただし、データラベルのカスタム表示形式は数値のみに適用されるため、値とパーセンテージを同時に独自形式で表示するには、少し工夫が必要です。

最も確実な方法は、元データとは別に表示用の列を作成し、そこに「=A1&”(”&TEXT(A1/合計,”0%”)&”)”」のような数式で、表示したい形式の文字列を作成します。

この列をグラフのデータ範囲に含め、データラベルとして使用します。

あるいは、データラベルの「セルの値」機能を使用する方法もあります。

データラベルの書式設定で「ラベルオプション」の中に「ラベルの内容」というセクションがあり、「セルの値」にチェックを入れることができます。

チェックを入れると、参照するセル範囲を選択するダイアログが開きます。

ここで、事前に作成した表示用の文字列が入力されているセル範囲を選択すれば、その内容がデータラベルとして表示されます。

TEXT関数を使用して表示形式を整える数式の例を紹介します。A1セルに実数、B1セルに合計が入っている場合、C1セルに「=TEXT(A1,”#,##0″)&”(”&TEXT(A1/B1,”0%”)&”)”」と入力します。

これで「1,000(33%)」のような形式の文字列が生成されます。

TEXT関数の第2引数で表示形式を指定できるため、「#,##0円」や「0.0%」など、細かい調整が可能です。

単位付き表示の実現

データラベルに「1,000円」「33%」のように単位を付けたい場合も、カスタム表示形式が有効です。

数値に単位を付けるには、データラベルの表示形式でユーザー定義を使用します

データラベルを選択して書式設定を開き、「数値」セクションの「分類」から「ユーザー定義」を選択します。

「書式コード」の欄に「#,##0″円”」と入力すると、数値に「円」が付いて表示されます。

ただし、この方法では「値」のみに書式が適用され、「パーセンテージ」は別の書式として扱われます。

両方に異なる単位を付けたい場合は、前述の「セルの値」機能を使用して、事前に整形した文字列を表示する方法が確実です。

あるいは、数値とパーセントを別々のデータラベルとして追加し、それぞれに書式を適用する方法もあります。

表示したい形式 書式コード 元の値が1000の場合
千円単位 #,##0″千円” 1,000千円
万円単位に変換 #,##0,,”百万円” 0百万円(1000は0.1百万円)
小数点付き単位 #,##0.0″kg” 1,000.0kg
括弧付き (セルの値機能を使用) 1,000円(33%)

条件付き表示形式の応用

データの値によって表示形式を変えたい場合、条件付き表示形式を使用できます

ユーザー定義の書式コードでは、「[条件]形式」という構文で条件を指定できます。

例えば、「[>=1000]#,##0″千円以上”;#,##0″円”」という書式コードを使用すると、1000以上の値には「1,000千円以上」、1000未満の値には「500円」のように表示されます。

これをデータラベルに適用することで、値の大きさに応じた適切な単位表示が可能になります。

また、色分けも条件付きで設定できます。

「[赤][<0]#,##0;[青][>=0]#,##0」という書式コードを使用すると、負の値は赤色、正の値は青色で表示されます。

ただし、データラベルで色を設定する場合、グラフ全体の配色との調和に注意が必要です。

見やすいレイアウトと配置の工夫

最後に、数値とパーセントを同時表示したデータラベルを見やすく配置する方法を確認していきます。

データラベルの配置位置の選択

数値とパーセントを同時に表示すると、データラベルのサイズが大きくなります。

適切な配置位置を選択することで、グラフの視認性を高められます

縦棒グラフの場合、データラベルの配置位置として「中央」「内側(軸寄り)」「内側(端寄り)」「外側(端)」の選択肢があります。

「中央」は棒の真ん中に配置されるため、棒のサイズが十分に大きい場合に適しています。

「内側(端寄り)」は棒の上端に内側から配置されるため、棒のサイズが中程度の場合に見やすくなります。

「外側(端)」は棒の外側に配置されるため、棒が小さい場合でも確実に表示できますが、グラフ全体の高さが必要になります。

横棒グラフの場合は、「内側(端寄り)」と「外側(端)」が右側への配置になります。

複数のデータラベルが重なってしまう場合は、一部のデータラベルだけを個別に移動させます。

データラベルをダブルクリックして単一選択状態にし、ドラッグすることで自由な位置に配置できます。

データラベルの配置を変更する際は、グラフエリアのサイズも同時に調整することが重要です。データラベルを「外側(端)」に配置した場合、棒の上部に十分なスペースを確保するため、グラフエリアを縦に広げるか、プロットエリアの上端余白を増やします。

プロットエリアのサイズは、プロットエリアを選択して境界線をドラッグすることで調整できます。

フォントサイズと色の調整

データラベルに2つの情報を表示する場合、フォントサイズを適切に調整することで可読性が向上します

デフォルトのフォントサイズではデータラベルが大きくなりすぎる場合、フォントサイズを1~2ポイント小さくすることで、グラフ全体のバランスが良くなります。

データラベルを選択して「ホーム」タブからフォントサイズを変更するか、書式設定パネルの「テキストのオプション」でサイズを指定します。

また、数値とパーセントで異なる色やフォントサイズを使いたい場合は、残念ながら標準機能では実現できません。

この場合は、数値とパーセントを別々のデータラベルとして追加し、それぞれに異なる書式を適用する必要があります。

ただし、この方法は設定が複雑になるため、通常は同じ書式で統一する方が効率的です。

データラベルの色は、棒の色とのコントラストを考慮して選択します。

濃い色の棒には白色または明るい色のデータラベル、明るい色の棒には黒色または濃い色のデータラベルを使用すると見やすくなります。

複数系列での表示の統一

複数の系列がある棒グラフでは、各系列のデータラベル表示を統一することが重要です。

例えば、3つの商品カテゴリがあり、それぞれに前年と今年のデータがある場合、すべての系列で同じ表示形式(数値とパーセント両方、または片方のみ)を使用します。

一部の系列だけに数値とパーセントを表示し、他の系列には数値のみを表示すると、グラフが不統一になり、読み手が混乱します。

各系列に対して同じ手順でデータラベルを設定していきます。

まず第1系列のデータラベルを設定し、次に第2系列を選択して同様に設定します。

すべての系列で同じ区切り文字、同じ配置位置、同じフォントサイズを使用することで、統一感のある見やすいグラフが完成します。

ただし、系列の数が多い場合は、主要な系列だけにデータラベルを表示し、補助的な系列はデータラベルなしにすることも検討します。

グラフの種類 推奨配置 推奨区切り文字
縦棒グラフ(単一系列) 外側(端) 改行
縦棒グラフ(複数系列) 内側(端寄り) スペースまたはカンマ
横棒グラフ 外側(端) スペース
100%積み上げ 中央(大きいセグメント)、外側(小さいセグメント) 改行
データラベルに数値とパーセントを同時に表示する際の最大の注意点は、情報過多にならないようにすることです。グラフの目的は、データの傾向やパターンを視覚的に伝えることであり、すべての細かい数値を正確に伝えることではありません。

データラベルが多すぎると、グラフが複雑になり、かえって理解しにくくなります。

重要なデータポイントだけにデータラベルを表示し、詳細な数値は別途表形式で提供するという使い分けも効果的です。

また、プレゼンテーション用と印刷用では、適切なフォントサイズや配置が異なる場合があります。

実際に使用する環境でグラフを確認し、必要に応じて調整することをおすすめします。

まとめ エクセルで棒グラフに数値とパーセントを同時に表示(データラベル・両方表示・併記)する方法

エクセルで棒グラフに数値とパーセントを同時に表示する方法をまとめると、データラベルの書式設定を開いて「ラベルオプション」で「値」と「パーセンテージ」の両方にチェックを入れることが基本となります。

区切り文字を「改行」に設定すれば数値とパーセントが上下に分かれて表示され、「カンマ」に設定すれば「100, 33%」のように明確に区切られます。

100%積み上げグラフでは、実数とパーセントを両方表示することで、相対的な割合と絶対的な量の両方を把握でき、より情報量の多いグラフになります。

より独自の形式で表示したい場合は、TEXT関数を使って「=TEXT(A1,”#,##0″)&”(”&TEXT(A1/合計,”0%”)&”)”」のような数式で表示用の文字列を作成し、データラベルの「セルの値」機能でその範囲を参照します。

データラベルの配置位置は、棒のサイズに応じて「中央」「内側(端寄り)」「外側(端)」を選択し、フォントサイズを調整することで見やすいレイアウトを実現します。

最も重要なのは、グラフの目的と対象読者を考慮して、必要な情報だけを適切な形式で表示することです。

すべてのデータポイントに両方を表示するのではなく、重要なポイントに絞って表示することで、グラフの視認性と理解しやすさが向上します。

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