エクセルを使っていると「コメント」と「メモ」という2つの似た機能があることに気づいた方も多いのではないでしょうか。Excel 2019以降やMicrosoft 365では、従来の「コメント」が「メモ」に名称変更され、新たに返信機能付きの「コメント」が追加されたため、混乱しやすくなっています。
本記事では、エクセルのコメントとメモの違いを詳しく解説します。それぞれの機能・見た目・操作方法の違いから、どちらを使うべき場面の使い分け、さらにコメント機能全体の説明まで幅広くご紹介します。
「コメントとメモのどちらを使えばいいかわからない」「なぜ2種類あるのか知りたい」という方にもきっと役立つ内容です。ぜひ最後までお読みください。
エクセルのコメントとメモは別機能であり用途と操作方法が異なる
それではまず、エクセルのコメントとメモの違いの全体像について解説していきます。
Excel 2019以降やMicrosoft 365では、セルに補足情報を付加する機能として「コメント(スレッド形式)」と「メモ(従来のコメント)」の2種類が存在します。
かつてのExcelでは補足情報を付ける機能を「コメント」と呼んでいましたが、バージョンアップにより返信・スレッド機能を持つ新しい「コメント」が追加され、従来の機能は「メモ」に名称が変わりました。
コメントとメモの主な違いまとめ
・メモ:従来のコメント機能。黄色い吹き出し型。書式変更・印刷が自在にできる
・コメント:新しいスレッド形式。返信・リアクション機能あり。共同作業向け
・インジケーター:メモは赤い三角、コメントは紫の三角で区別できる
・印刷:メモは印刷設定から対応可能。コメントは印刷に対応していない場合がある
まず、シート上でのコメントとメモの見た目の違いを確認しましょう。
メモは黄色い吹き出しに赤い三角のインジケーター、コメントはカード型の吹き出しに紫の三角のインジケーターで区別できます。
見た目だけでなく、機能面でも大きな違いがあります。
メモ(従来のコメント)の機能と特徴
続いては、メモ(従来のコメント)の機能と特徴を確認していきます。
メモの主な機能と使い方
メモはかつて「コメント」と呼ばれていた機能で、Excel 2007〜2016まで使われていた定番の補足情報機能です。
セルに黄色い吹き出し形式のメモを付けることができ、テキストの内容・フォント・色・サイズ・背景色を自由にカスタマイズできます。
メモを挿入するには、セルを右クリック→「メモの挿入」またはショートカット「Shift」+「F2」を使います。入力後はセルの右上に赤い三角マークが表示され、マウスカーソルを合わせると内容がポップアップ表示されます。
メモの主な特徴
・挿入:右クリック→「メモの挿入」またはShift+F2
・インジケーター:赤い三角マーク
・書式変更:フォント・色・背景色の変更が可能
・印刷:ページ設定から「画面表示イメージ」または「シートの末尾」で印刷可能
・返信機能:なし(1人で使う補足情報に向いている)
メモが適しているシーン
メモは1人でエクセルを管理する場合や、印刷物にコメント内容を含めたい場合に最も適しています。書式を自由に変更できるため、重要な注意書きや補足説明を視覚的に目立たせたいときにも活用できます。
また、外部との共有が少なく、個人で作業するファイルに補足情報を残す用途にも向いているでしょう。古いExcelバージョン(2016以前)との互換性を保ちたい場合もメモを使うのが安全です。
メモの表示・非表示・印刷設定
メモは「校閲」タブの「すべてのコメントの表示」ボタンで一括表示・非表示を切り替えられます。印刷するには「ページレイアウト」→「ページ設定」→「シート」タブの「コメントとメモ」で「画面表示イメージ」または「シートの末尾」を選択します。
コメント(スレッド形式)の機能と特徴
続いては、新しいスレッド形式のコメントの機能と特徴を確認していきます。
スレッド形式コメントの主な機能
Excel 2019以降やMicrosoft 365で追加されたスレッド形式のコメントは、複数人が同じセルに対して返信し合えるチーム共同作業向けの機能です。Microsoft TeamsやSharePointとの連携も想定して設計されており、共同編集環境での意見交換や確認作業に向いています。
コメントを挿入するには、セルを右クリック→「新しいコメント」または「校閲」タブ→「新しいコメント」をクリックします。コメントには作成者のアカウント名・アイコン・投稿日時が自動的に表示されます。
スレッド形式コメントの主な特徴
・挿入:右クリック→「新しいコメント」
・インジケーター:紫の三角マーク
・返信:コメントに対して複数人が返信できる
・メンション:「@名前」で特定のユーザーに通知を送れる
・解決済み:スレッドを「解決済み」にしてアーカイブできる
・書式変更:不可(フォント・色の変更はできない)
@メンション機能でチームメンバーに通知を送る
スレッド形式のコメントでは、コメント本文に「@」に続けて名前を入力することで、特定のユーザーにメール通知を送ることができます。複数人でファイルを共同編集している際に、確認してほしい相手に直接通知できるため、コミュニケーションが格段にスムーズになります。
ただし、@メンション機能はMicrosoftアカウントでサインインしている環境でのみ有効です。オフライン環境や個人での使用では通知機能は動作しません。
コメントを「解決済み」にする方法
スレッド形式のコメントは、対応が完了したら「解決済み」にしてスレッドをクローズできます。コメントの右上にある「…(その他のオプション)」→「スレッドを解決する」をクリックすると、コメントが灰色になりアーカイブ状態になります。
解決済みにしてもコメント自体は残るため、後からでも内容を確認できます。再度オープンしたい場合は「スレッドを再度開く」から元の状態に戻せます。
コメントとメモの使い分け・どちらを選ぶべきか
続いては、コメントとメモをどのように使い分けるべきかを確認していきます。
メモを使うべき場面
メモは以下のような場面に適しています。1人で管理するファイルに補足情報を残したいとき、印刷物にコメント内容を含めたいとき、そして書式やデザインを自由にカスタマイズしたいときです。
旧バージョンのExcel(2016以前)との互換性が必要な場合も、メモ形式を選ぶのが安全です。スレッド形式のコメントは古いExcelでは正しく表示されない場合があります。
コメント(スレッド形式)を使うべき場面
スレッド形式のコメントは複数人が同じファイルを共同編集するチーム作業の場面に最適です。上司への確認依頼、チームメンバーへの修正指示、意見交換など、双方向のコミュニケーションが必要な場面で真価を発揮します。
Microsoft 365のSharePointやOneDriveにファイルを保存して共同編集する環境であれば、@メンション通知や解決済み機能も活用でき、作業の進捗管理にも役立つでしょう。
コメントとメモを共存させる際の注意点
1つのシートにコメントとメモが混在していても動作上の問題はありませんが、管理が複雑になりがちです。チーム全体でどちらを使うか統一しておくと、後から見返したときに混乱しにくくなります。
VBAを使ってコメントを操作する場合、メモは「Comments」コレクション、スレッド形式のコメントは「ListObjects」や別の方法でアクセスする必要があります。自動化を検討している場合はこの点にも注意が必要でしょう。
| シーン | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 1人で使うメモ書き | メモ | 書式変更・印刷・シンプルな管理に対応 |
| チームでの共同作業・確認依頼 | コメント(スレッド) | 返信・メンション・解決済み機能が使える |
| 印刷物に補足情報を含めたい | メモ | コメント(スレッド)は印刷非対応 |
| 旧バージョンとの互換性が必要 | メモ | スレッドは旧バージョンで表示されない |
| 書式・色をカスタマイズしたい | メモ | コメント(スレッド)は書式変更不可 |
まとめ
本記事では、エクセルのコメントとメモの違いについて解説しました。
メモは従来のコメント機能で書式変更・印刷に対応した個人向けの補足情報ツール、コメント(スレッド形式)は返信・メンション・解決済み機能を持つチーム共同作業向けのコミュニケーションツールです。それぞれ得意とする場面が明確に異なります。
1人でファイルを管理する場合はメモ、複数人での共同編集・確認作業にはスレッド形式のコメントを使うのが基本の使い分けです。印刷や書式変更が必要な場合も迷わずメモを選びましょう。
ぜひ本記事の内容を参考に、エクセルのコメント・メモ機能を場面に合わせて上手に使い分けてください。