Excelで画像を貼り付けたとき、正しく表示されず困った経験はありませんか。
画像を挿入したはずなのに何も表示されない、以前は見えていた画像が突然消えてしまった、他の人から受け取ったファイルで画像が表示されない、このような状態では資料作成が進まず、プレゼンテーションや報告書の完成が大幅に遅れてしまいます。
画像は、データを視覚的に分かりやすく伝えるための重要な要素です。商品写真、グラフのスクリーンショット、説明図など、画像があることで情報の伝達力が大きく向上します。
しかし、Excelで画像が表示されない原因は多岐にわたります。オブジェクトの表示設定がオフになっている、ブックの共有やシートの保護が有効になっている、メモリ不足、ハードウェアアクセラレータの問題、画像リンクの切断など、様々な要因が考えられます。
本記事では、Excelで画像が表示されない主な原因と、それぞれの状況に応じた解決方法を詳しく解説します。Ctrl+6のショートカットキーによる即座の解決方法、オブジェクト表示設定の確認、ブック共有やシート保護の解除方法など、実務ですぐに使える具体的なテクニックを紹介しますので、画像表示でお困りの方はぜひ最後までお読みください。
・Ctrl+6キーでオブジェクトの表示切替ができる
・ブック共有やシート保護で画像操作が制限される
・オブジェクトの表示設定を「すべて」にする必要がある
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
Ctrl+6で即座に解決する方法
まずは、最も簡単で即効性のある解決方法を確認していきます。
オブジェクト表示の切り替えショートカットキー
画像が突然表示されなくなった場合、Ctrl+6キーを押すだけで解決することが非常に多くあります。
Ctrl+6は、Excelでオブジェクト(画像、図形、グラフなど)の表示と非表示を切り替えるショートカットキーです。何かの拍子でこのキーを誤って押してしまうと、すべてのオブジェクトが非表示になり、画像が消えたように見えます。
このショートカットキーは、テンキーの6では動作しません。必ずキーボード上部の数字キー6を使用してください。Ctrlキーを押しながら6キーを押すと、オブジェクトの表示状態が切り替わります。
一度押すとオブジェクトが非表示になり、もう一度押すと表示されます。つまり、トグル動作(オン・オフの切り替え)をするキーです。画像が表示されない場合は、まずこのショートカットキーを試してみてください。
このショートカットキーは、現在開いているブック全体に適用されます。つまり、どのシートでCtrl+6を押しても、ブック内のすべてのシートのオブジェクトが一斉に表示または非表示になります。
Ctrlキーを押しながら、キーボード上部の6キー(テンキーではない)を押します。画像が表示されるか確認してください。表示されない場合は、もう一度Ctrl+6を押してみます。
オブジェクトが非表示になる原因
意図せずCtrl+6を押してしまう場面は、実は意外と多く存在します。
キーボードのショートカットキーを多用する方の場合、別のショートカットキーを押そうとして誤ってCtrl+6を押してしまうことがあります。特に、Ctrl+Cでコピー、Ctrl+Vで貼り付けといった操作を頻繁に行っている際に、キーの位置を間違えて押してしまうケースが多いです。
また、ノートパソコンでキーボードが小さい場合や、外付けキーボードに慣れていない場合にも、誤操作が発生しやすくなります。Ctrlキーを押しながら他のキーを探している際に、意図せず6キーに触れてしまうことがあります。
複数人で同じパソコンを使用している環境では、他の人が誤ってCtrl+6を押してしまい、次に使う人が「画像が消えた」と気づくケースもあります。
このように、普通にExcelを使用しているだけでは滅多に起こりませんが、ショートカットキーを多用する環境では十分起こり得る現象です。
| ショートカットキー | 機能 | 注意点 |
|---|---|---|
| Ctrl+6 | オブジェクトの表示/非表示切替 | テンキーの6は不可 |
| Ctrl+C | コピー | 6の近くで誤操作しやすい |
| Ctrl+V | 貼り付け | 6の近くで誤操作しやすい |
オブジェクト表示設定をオプションから確認する方法
Ctrl+6で解決しない場合、Excelのオプション設定から「オブジェクトの表示」を確認する必要があります。
ファイルタブをクリックして「オプション」を選択します。Excelのオプションダイアログボックスが開いたら、左側のメニューから「詳細設定」を選択します。
右側に多くの設定項目が表示されるので、下にスクロールして「次のブックで作業するときの表示設定」というセクションを探します。この中に「オブジェクトの表示」という項目があります。
「オブジェクトの表示」には3つの選択肢があります。「すべて」「なし(オブジェクトを表示しない)」「プレースホルダー」の3つです。画像を表示したい場合は、「すべて」にチェックを入れてOKをクリックします。
「なし(オブジェクトを表示しない)」が選択されている場合、画像や図形、グラフなどすべてのオブジェクトが表示されません。「プレースホルダー」が選択されている場合は、オブジェクトの場所に枠だけが表示され、内容は表示されません。
| オブジェクトの表示設定 | 表示状態 | 用途 |
|---|---|---|
| すべて | 画像・図形が完全に表示 | 通常の作業 |
| なし(オブジェクトを表示しない) | 何も表示されない | 動作を軽くしたい場合 |
| プレースホルダー | 枠のみ表示 | 位置確認用 |
オブジェクトの表示設定は、ブック全体に適用されます。
一つのシートだけでなく、ブック内のすべてのシートのオブジェクト表示に影響を与えます。
この設定は、大量の画像やグラフを含むファイルで動作が重くなる場合に、一時的に「なし」に設定して軽量化する目的で使用されることがあります。
ただし、設定を戻し忘れると、すべてのオブジェクトが表示されなくなってしまうため注意が必要です。
通常の作業では「すべて」に設定しておくことをおすすめします。
ブック共有やシート保護による制限
続いては、ファイルの共有設定や保護設定が原因で画像が操作できない場合の対処法を確認していきます。
ブックの共有が有効になっている場合
ブックの共有機能が有効になっていると、画像や図形の挿入、貼り付け、削除などの操作が一切できなくなります。
ブックの共有が有効かどうかを確認するには、Excelウィンドウ上部のタイトルバーを見ます。ファイル名の後ろに「[共有]」という文字が表示されている場合、ブックの共有が有効になっています。
この状態では、画像を貼り付けようとしても何も起こらない、または挿入タブの「画像」ボタンがグレーアウトして選択できない状態になります。既に貼り付けられている画像も、編集や削除ができません。
ブックの共有を解除するには、校閲タブをクリックして「変更」グループにある「ブックの共有」または「ブックの共有を解除」をクリックします。確認のダイアログボックスが表示されるので、共有を解除する旨を確認してOKをクリックします。
ブックの共有を解除すると、画像の挿入や編集が再びできるようになります。ただし、共有を解除すると他のユーザーが同時に編集できなくなるため、チームで作業している場合は注意が必要です。
シートの保護が有効になっている場合
シートの保護が有効になっている場合も、画像や図形の操作が制限されます。
シートの保護が有効かどうかを確認するには、校閲タブをクリックして「保護」グループを確認します。「シート保護の解除」というボタンが表示されている場合、現在シートが保護されています。
シートの保護では、保護の設定内容によって制限される操作が異なります。「オブジェクトの編集」が許可されていない場合、画像の挿入や編集ができません。
シートの保護を解除するには、校閲タブの「シート保護の解除」をクリックします。パスワードが設定されている場合は、正しいパスワードを入力する必要があります。
保護を解除すると、「シート保護の解除」ボタンが「シートの保護」ボタンに変わり、画像の操作ができるようになります。作業が終わったら、再度シートを保護することを忘れないようにしてください。
タイトルバーに「[共有]」と表示されていないか確認します。校閲タブの「保護」グループに「シート保護の解除」ボタンがないか確認します。どちらかが有効な場合は解除してから画像を貼り付けます。
ブック共有とシート保護の違い
ブック共有とシート保護は、どちらも編集制限をかける機能ですが、目的と制限内容が異なります。
ブック共有は、複数のユーザーが同時にファイルを編集できるようにする機能です。この機能を有効にすると、画像や図形などのオブジェクトに関する操作がすべて制限されます。これは、複数人が同時にオブジェクトを編集すると競合が発生しやすいためです。
一方、シート保護は、特定のセルやオブジェクトを誤って変更されないように保護する機能です。保護の設定で「オブジェクトの編集」を許可すれば、シートが保護されていても画像の操作は可能です。
どちらの機能も、データの整合性を保つために重要ですが、画像を扱う必要がある場合は一時的に解除する必要があります。
| 機能 | 目的 | 画像への影響 | 解除場所 |
|---|---|---|---|
| ブック共有 | 複数人での同時編集 | すべての操作が不可 | 校閲タブ |
| シート保護 | 誤編集の防止 | 設定次第で制限 | 校閲タブ |
メモリ不足やハードウェアの問題
続いては、パソコン自体の性能や設定が原因で画像が表示されない場合の対処法を確認していきます。
メモリ不足で画像が貼り付けできない場合
画像を貼り付けても何も表示されず、エラーメッセージも出ない場合は、メモリ不足の可能性があります。
メモリ(主記憶装置)は、コンピュータが一時的に処理を保存しておく部品です。大量の画像を含むExcelファイルを開いている、複数のアプリケーションを同時に起動している、ブラウザで多数のタブを開いているなどの状況では、メモリが不足することがあります。
メモリ不足が原因の場合、まずExcelファイルを保存してから、Excelを含むすべての起動中のアプリケーションを終了させます。その後、再度同じファイルを開いて画像を貼り付けてみてください。
これで貼り付けができるようになれば、メモリ不足が原因だったことが確認できます。根本的な解決には、パソコンのメモリを増設するか、Excelを使用する際は他のアプリケーションを閉じるように心がける必要があります。
特に、高解像度の画像を大量に貼り付ける場合は、メモリを多く消費します。画像を圧縮してからExcelに貼り付けることで、メモリ使用量を削減できます。
ハードウェアグラフィックアクセラレータの問題
グラフィック処理の設定が原因で、画像が正しく表示されないことがあります。
ハードウェアグラフィックアクセラレータは、グラフィックスの描画をGPU(グラフィックスプロセッサ)に処理させることで、表示を高速化する機能です。しかし、この機能が有効になっていると、環境によっては画像が正しく表示されない場合があります。
この問題を解決するには、ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にします。ファイルタブから「オプション」を開き、「詳細設定」を選択します。「表示」セクションにある「ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする」にチェックを入れて、OKをクリックします。
設定を変更したら、Excelを一度終了して再起動します。再起動後、画像が正しく表示されるか確認してください。
この設定を有効にすると、グラフィック処理の速度が若干低下する可能性がありますが、画像が正しく表示されない問題は解決されます。
画像ファイル自体に問題がある場合
画像ファイルが破損していたり、サポートされていない形式だったりすると、貼り付けても表示されません。
画像ファイルに問題があるかを確認するには、別の画像を貼り付けてみます。他の画像が正常に表示される場合、元の画像ファイルに問題がある可能性が高いです。
Excelがサポートする主な画像形式は、JPEG、PNG、GIF、BMP、TIFF、SVGなどです。これ以外の特殊な形式の画像は、正しく表示されない場合があります。
画像ファイルが破損している場合は、元の画像を別の形式で保存し直してから貼り付けてみてください。例えば、PNGファイルをJPEGに変換するなどです。画像編集ソフトやWindowsの「ペイント」アプリを使って形式を変換できます。
また、画像のファイルサイズが大きすぎる場合も問題が発生することがあります。高解像度の写真などは、適切なサイズに縮小してから貼り付けることをおすすめします。
メモリ不足やハードウェアの問題は、特定のファイルだけでなく、Excel全体の動作に影響を与えます。
画像が表示されないだけでなく、Excelの動作が遅い、フリーズする、予期せず終了するなどの症状が同時に出ている場合は、パソコン自体の性能や設定を見直す必要があります。
定期的にパソコンを再起動する、不要なアプリケーションを終了する、ディスクのクリーンアップを実行するなどのメンテナンスも重要です。
また、Windows Updateやグラフィックドライバーを最新の状態に保つことで、グラフィック関連の問題を予防できます。
画像リンクの問題と埋め込み
続いては、画像がリンクとして挿入されている場合の問題と対処法を確認していきます。
画像リンクが切れている場合
画像がファイルへのリンクとして挿入されている場合、元の画像ファイルが移動または削除されるとリンク切れになり、画像が表示されなくなります。
画像を挿入する際、「挿入」タブから画像を挿入すると、通常は画像データがExcelファイルに埋め込まれます。しかし、特定の方法で挿入した場合や、古いバージョンのExcelで作成されたファイルでは、画像がリンクとして挿入されることがあります。
リンク切れの場合、画像の場所に「×」印や「画像」という文字だけが表示されることがあります。画像を右クリックして「リンクの編集」などのメニューが表示される場合は、リンク画像である可能性が高いです。
リンク切れを解決するには、元の画像ファイルを正しい場所に戻すか、画像を削除してから新しく挿入し直す必要があります。新しく挿入する際は、「挿入」タブの「画像」から「このデバイス」を選択して画像を挿入することで、埋め込み画像として挿入されます。
他のPCで画像が表示されない場合
自分のPCでは表示されるのに、他のPCやクラウドで開くと画像が表示されない場合も、リンク画像が原因です。
画像がローカルパス(例:C:\Users\username\Pictures\image.jpg)でリンクされている場合、そのPCでしか画像を表示できません。ファイルを他のPCに移動したり、OneDriveやGoogleドライブなどのクラウドで共有したりすると、リンク先が見つからなくなり、画像が表示されなくなります。
この問題を解決するには、画像を埋め込み形式で挿入し直す必要があります。既存の画像を右クリックして「図として保存」を選択し、一度画像ファイルとして保存します。その後、元の画像を削除してから、保存した画像を「挿入」タブの「画像」から挿入します。
この方法で挿入された画像は、Excelファイル内に直接埋め込まれるため、ファイルをどのPCで開いても、クラウドで共有しても正しく表示されます。
ただし、埋め込み画像を使用するとファイルサイズが大きくなるため、大量の画像を扱う場合は注意が必要です。
| 画像の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 埋め込み画像 | どのPCでも表示される | ファイルサイズが大きくなる |
| リンク画像 | ファイルサイズが小さい | 元ファイルが必要 |
まとめ エクセルで画像貼り付けが表示されない(オブジェクト・Ctrl+6・ショートカット・ブック共有・シート保護)原因と対処法
エクセルで画像貼り付けが表示されない場合の対処法をまとめると次のようになります。
最も簡単な解決方法は、Ctrl+6キー(テンキーではない)を押すことです。このショートカットキーでオブジェクトの表示・非表示が切り替わります。誤ってこのキーを押してしまうと、すべての画像や図形が非表示になるため、まず最初に試してください。
Ctrl+6で解決しない場合は、ファイルタブの「オプション」から「詳細設定」を開き、「オブジェクトの表示」が「すべて」に設定されているか確認します。「なし」や「プレースホルダー」になっている場合は「すべて」に変更してください。
ブック共有やシート保護が有効になっている場合、画像の操作が制限されます。タイトルバーに「[共有]」と表示されていないか、校閲タブに「シート保護の解除」ボタンがないか確認し、必要に応じて解除してください。
画像を貼り付けても何も表示されない場合は、メモリ不足の可能性があります。Excelを含むすべてのアプリケーションを一度終了してから再起動してみてください。ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にすることで解決する場合もあります。
他のPCで画像が表示されない場合は、画像がリンクとして挿入されている可能性があります。画像を削除してから、挿入タブの「画像」から新しく挿入することで、埋め込み形式で保存されます。
画像表示の問題は、Ctrl+6キーによる即座の解決から、設定確認、ハードウェアの問題まで、原因に応じた適切な対処法を選ぶことが重要です。
正しく画像が表示される環境を整えて、効果的な資料作成を実現していきましょう!