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【Excel】エクセルで散布図のX軸がおかしい・反映されない(横軸がデータ数になる:表示設定:1,2,3の連番になる・データ選択の修正・文字列認識の解決法)

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Excelで散布図を作成したとき、横軸(X軸)が意図した値ではなく「1、2、3、4…」という連番で表示されてしまった経験はありませんか。

本来は実験データの温度や時間、測定値などの実際の数値をX軸に配置したいのに、単なる順序を示す連番が表示されてしまうと、データの相関関係を正しく分析できず、グラフとしての意味を失ってしまいます

また、日付データを使った散布図で「1900/1/1」から始まる不自然な日付が表示される、横軸の編集ボタンがグレーアウトして変更できないなど、散布図特有のトラブルも頻繁に発生します。

これらの問題が起こる主な原因は、データ範囲の選択方法が不適切であること、数値が文字列として保存されていること、散布図の仕組みを正しく理解していないことなどが挙げられます。散布図は他のグラフと異なり、X軸とY軸の両方に数値データを配置する特殊な構造のため、データの選択や準備に注意が必要です。

本記事では、Excelで散布図のX軸がおかしくなる代表的な症状とその原因を詳しく解説し、それぞれの状況に応じた具体的な解決方法を紹介します。

正確な散布図を作成してデータ分析の精度を高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

ポイントは・データ範囲は数値データのみを選択し項目名を除外する

・文字列として保存された数値はVALUE関数か数値変換で修正

・散布図は左列がX軸、右列がY軸という基本ルールを守る

です。

それでは詳しく見ていきましょう。

 

X軸が1,2,3の連番になってしまう原因と対処法

まず最も多いトラブルである、X軸が実際の値ではなく連番で表示される問題について確認していきます。

 

データ範囲の選択ミスが主な原因

散布図でX軸が連番になる最も一般的な原因は、データ範囲の選択時に項目名や不要な列まで含めてしまうことです。

例えば、「生徒名」「国語の点数」「数学の点数」という3列のデータがある場合、全てを選択して散布図を作成すると、Excelは生徒名の列をX軸のデータと認識してしまいます。

しかし生徒名は数値ではないため、Excelは自動的に「1、2、3…」という連番をX軸に割り当て、国語と数学の点数を別々の系列として縦軸にプロットしてしまいます。

本来は国語の点数をX軸、数学の点数をY軸にしたいのですが、データの選択方法を誤ると全く異なるグラフが作成されます。

正しいデータ選択の方法散布図を作成する際は、項目名や見出しを除き、数値データが入力されている2列だけを選択します。

左側の列が自動的にX軸、右側の列がY軸として認識されます。

例:B2:C10のように、数値のみの範囲を選択してから散布図を挿入します。

選択範囲 結果 問題点
A1:C10(項目名含む全体) X軸が1,2,3…の連番 項目名が含まれている
A2:C10(生徒名含む) X軸が1,2,3…の連番 文字列の列が含まれている
B2:C10(数値のみ) 正しく散布図が作成される 適切な選択

 

データの選択を修正する方法

既に作成した散布図のデータ範囲を修正するには、「データの選択」機能を使用します

散布図上で右クリックして「データの選択」を選択すると、「データソースの選択」ダイアログが表示されます。

「凡例項目(系列)」の下に表示されている系列を選択して「編集」ボタンをクリックします。

「系列の編集」ダイアログで「系列Xの値」と「系列Yの値」の範囲を修正します。「系列Xの値」には横軸に表示したい数値データの範囲を、「系列Yの値」には縦軸に表示したい数値データの範囲を指定します。

範囲指定は直接セル番地を入力するか、範囲選択ボタンをクリックしてシート上で範囲を選択することで設定できます。

設定項目 指定内容
系列名 系列を識別する名前 =Sheet1!$A$1
系列Xの値 X軸(横軸)のデータ範囲 =Sheet1!$B$2:$B$10
系列Yの値 Y軸(縦軸)のデータ範囲 =Sheet1!$C$2:$C$10

 

数値データのみを選択して最初から作り直す

データの選択を修正するより、最初から正しい手順で作成し直す方が確実な場合もあります。

まず、散布図にしたい2列の数値データだけを選択します。このとき、Ctrlキーを押しながら離れた列を選択することもできます。

次に「挿入」タブの「グラフ」グループから「散布図(X,Y)またはバブルチャートの挿入」をクリックし、散布図の種類を選択します。

これで左側の列がX軸、右側の列がY軸として正しく配置された散布図が作成されます。

散布図を作成する際の重要なルールとして、Excelは選択された範囲の左側(または上側)をX軸、右側(または下側)をY軸として自動認識します。列方向にデータがある場合は左列がX軸、右列がY軸になり、行方向にデータがある場合は上行がX軸、下行がY軸になります。

もしX軸とY軸を入れ替えたい場合は、元のデータの列順を変更するか、「データの選択」から系列Xと系列Yの範囲を入れ替える必要があります。

データの配置順序を意識することで、意図した散布図を効率的に作成できます。

 

数値が文字列として認識されている場合の解決法

続いて、数値が文字列として保存されているために散布図が正しく作成されない問題について確認していきます。

 

文字列として保存された数値を見分ける方法

Excelでは、数値のように見えるデータが実は文字列として保存されていることがあります。

セルの左上に緑色の三角形(エラーインジケーター)が表示されている場合、そのデータは文字列として認識されています

また、セルを選択したときに数値が左揃えで表示される場合も、文字列として保存されている可能性が高いです。通常、Excelでは数値は右揃え、文字列は左揃えで表示されます。

外部からコピーしたデータや、CSVファイルから取り込んだデータは、特に文字列として認識されやすい傾向があります。

この状態のデータで散布図を作成すると、Excelは数値として扱えないため、X軸を連番で表示してしまいます。

確認項目 数値の場合 文字列の場合
セルの配置 右揃え 左揃え
エラーインジケーター 表示されない 左上に緑の三角形
数式での計算 可能 エラーまたは0
書式設定の表示 数値 文字列

 

エラーインジケーターから数値に変換する

セルに緑色の三角形が表示されている場合は、簡単な操作で数値に変換できます。

文字列として認識されているセル範囲を選択すると、範囲の左上に黄色い警告アイコン(ビックリマーク)が表示されます。

このアイコンをクリックすると、メニューが表示されるので「数値に変換する」を選択します。

これで選択した範囲のデータが一括で数値に変換され、散布図で正しく使用できるようになります。

変換後は緑の三角形が消え、セルの配置も右揃えになります。

一括変換の手順1. 文字列として保存されているセル範囲全体を選択

2. 左上に表示される黄色い警告アイコンをクリック

3. 「数値に変換する」を選択

4. 全てのセルが数値形式に変換される

 

VALUE関数を使って数値に変換する

エラーインジケーターが表示されない場合や、より確実に変換したい場合は、VALUE関数を使用します

別の列に「=VALUE(A2)」という数式を入力すると、A2セルの文字列が数値に変換されます。

この数式をオートフィル機能で下方向にコピーすれば、範囲全体を一括で数値に変換できます。

変換後の数値をコピーし、元の列に「値として貼り付け」を実行すれば、数式を値に置き換えることができます。

右クリックメニューから「形式を選択して貼り付け」→「値」を選択することで、数式を残さず数値だけを貼り付けられます。

変換方法 適用場面 メリット デメリット
エラーインジケーターから変換 緑の三角形がある場合 操作が簡単 表示されない場合は使えない
VALUE関数 全ての文字列数値 確実に変換できる 作業列が必要
セルの書式設定変更 既存データ 書式だけ変更 既存の文字列は変わらない
1を掛ける方法 大量データ 一括処理可能 別セルに1を用意必要

文字列として保存された数値を変換する別の方法として、空白セルに「1」を入力してコピーし、変換したいセル範囲を選択して「形式を選択して貼り付け」→「乗算」を実行する方法もあります。これは全てのセルに1を掛けることで、文字列を数値に強制変換する技法です。

また、セルの書式設定を「文字列」から「数値」に変更するだけでは、既に入力されているデータは文字列のままなので注意が必要です。

書式設定の変更は、これから入力するデータに対してのみ有効です。

 

日付データのX軸が1900/1/1になる問題の解決策

最後に、日付データを使用したときに特有の問題が発生する場合の対処法を確認していきます。

 

Excelの日付シリアル値の仕組みを理解する

Excelでは、日付は内部的に「シリアル値」という数値で管理されています。

1900年1月1日を「1」として、1日経過するごとに1ずつ増加する連続した整数が日付の実体です。

例えば、2024年1月1日は「45292」という数値で保存されており、これを日付書式で表示すると「2024/1/1」と見えます。

散布図でX軸に日付を使用する場合、この内部のシリアル値が正しく認識されないと、グラフ上で「1900/1/1」から始まる不自然な日付が表示されることがあります。

これは、日付データが文字列として保存されているか、参照が正しく行われていないことが原因です。

表示される日付 シリアル値 備考
1900/1/1 1 Excel最初の日付
2020/1/1 43831 約120年後
2024/1/1 45292 現代の日付例
2025/12/12 46007 本記事執筆時点

 

日付データが正しく認識されているか確認する

日付データの問題を解決するには、まずデータが正しく日付形式で保存されているか確認します。

日付セルを選択して、セルの書式設定を開き、「表示形式」タブで「分類」を確認します。「日付」になっていれば正しく認識されていますが、「文字列」や「標準」になっている場合は問題があります。

また、日付セルを選択したときに数式バーに表示される値を確認する方法もあります。数式バーに「2024/1/1」のような日付が表示されれば正しいですが、「’2024/1/1」のようにアポストロフィ(’)が付いている場合は文字列として認識されています。

数式バーで日付セルをダブルクリックして編集モードにし、何も変更せずにEnterキーを押すだけで、文字列が日付に変換されることもあります。

 

散布図の軸書式を日付形式に設定する

X軸に日付を正しく表示するには、軸の書式設定を調整します。

散布図のX軸(横軸)を右クリックして「軸の書式設定」を選択します。

作業ウィンドウが表示されたら、「軸のオプション」で「最小値」と「最大値」を確認し、必要に応じて調整します。

「表示形式」のセクションで「分類」を「日付」に変更し、適切な日付形式(例:yyyy/m/d)を選択します。

これにより、X軸の数値が日付として正しく表示されるようになります。

散布図で日付データを扱う際の注意点として、散布図は本来「数値×数値」の相関を見るためのグラフであり、日付は時系列データとして扱われることが多いです。時系列の変化を見たい場合は、散布図ではなく折れ線グラフの方が適している場合があります。

ただし、散布図を使うことで、折れ線グラフでは設定できない軸の範囲調整や、複数系列の重ね合わせなどが柔軟に行えるメリットがあります。

用途に応じて適切なグラフ種類を選択することが重要です。

 

まとめ エクセル散布図のX軸がおかしい時の対処法

エクセルで散布図のX軸がおかしい場合の対処法をまとめると、

・連番表示の修正:データ範囲は数値データの2列のみを選択、項目名や文字列の列を除外、「データの選択」から系列XとYの範囲を正しく指定、左列がX軸、右列がY軸という基本ルールを守る

・文字列認識の解決:緑の三角形がある場合は警告アイコンから「数値に変換」を実行、VALUE関数で「=VALUE(セル)」として数値化、1を掛ける方法で一括変換も可能、セル配置が右揃えになっているか確認

・日付表示の調整:日付は内部的にシリアル値として保存されることを理解、セルの書式設定で「日付」形式になっているか確認、軸の書式設定で表示形式を「日付」に変更、数式バーでアポストロフィ(’)がないか確認

これらの方法を状況に応じて使い分けることで、散布図のX軸表示の問題を適切に解決できます。

散布図は棒グラフや折れ線グラフと異なり、X軸とY軸の両方に数値データを配置する特殊な構造のため、データの準備と選択が特に重要です。

正確な散布図を作成するには、まずデータが数値形式で保存されているか確認し、必要な2列のみを選択してグラフを作成する基本手順を守ることが最も効果的です。

トラブルを防ぐには、散布図作成前にデータの種類(数値か文字列か)を必ず確認し、小規模なテストデータで動作確認を行ってから本番データに適用しましょう。

Excelの散布図の仕組みを正しく理解して、データの相関関係を視覚的に分析できる正確なグラフを作成していきましょう!