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【Excel】エクセルでウインドウが複数表示されない(2つの画面を並べて表示・整列・タスクバー・別ウィンドウ・ブック)原因と対処法

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Excelで複数のファイルを開いて並べて作業したいとき、ウィンドウが複数表示されず困った経験はありませんか。

2つのファイルを見比べながらデータを入力したい、別のブックからデータをコピーしたいのにウィンドウが重なって見えない、タスクバーに1つしか表示されない、このような状態では作業効率が大幅に低下し、何度もウィンドウを切り替える手間が発生してしまいます

Excelで複数のファイルを同時に表示することは、データの比較、転記、参照など様々な場面で必要になる基本的な操作です。2つのシートを左右に並べて表示できれば、作業効率が飛躍的に向上します。

しかし、複数のウィンドウが表示されない原因は複数あります。同じExcelインスタンスで開いているため別ウィンドウとして認識されない、タスクバーの設定で1つにまとめて表示される、ファイルの開き方が適切でない、「並べて表示」機能が使えない状態になっているなど、様々な要因が考えられます。

本記事では、Excelで複数のウィンドウが表示されない主な原因と、それぞれの状況に応じた解決方法を詳しく解説します。別ウィンドウでファイルを開く方法、並べて表示の使い方、タスクバーの設定変更、整列機能の活用方法など、実務ですぐに使える具体的なテクニックを紹介しますので、複数ウィンドウ表示でお困りの方はぜひ最後までお読みください。

ポイントは

・別のExcelインスタンスで開くと別ウィンドウになる

・表示タブの「整列」で複数ブックを並べて表示できる

・同じブック内の複数シートは「新しいウィンドウを開く」を使う

です。

それでは詳しく見ていきましょう。

 

Excelファイルを別ウィンドウで開く方法

まずは、Excelファイルを正しく別ウィンドウとして開く方法を確認していきます。

 

ファイルを別々のExcelインスタンスで開く基本方法

複数のExcelファイルを別々のウィンドウで表示するには、それぞれを別のExcelインスタンスで開く必要があります

通常、既にExcelファイルを開いている状態で別のファイルをダブルクリックすると、同じExcelのウィンドウ内で開かれてしまいます。これでは、ウィンドウが重なって表示され、Windowsのスナップ機能(ウィンドウを左右に並べる機能)が使えません。

別のExcelインスタンスで開くには、まず1つ目のファイルを通常通り開きます。次に、スタートメニューやタスクバーから「Excel」アプリケーション自体を新しく起動します。新しいExcelウィンドウが開いたら、その中から「ファイル」タブ→「開く」を選択して2つ目のファイルを開きます。

この方法で開くと、それぞれのファイルが独立したウィンドウとして表示され、Windowsのスナップ機能を使って左右に並べることができます。タスクバーにも2つのExcelアイコンが表示されます。

もう一つの方法として、Excelを起動せずに、ファイルを右クリックして「新しいウィンドウで開く」を選択する方法もあります。ただし、この機能はWindowsのバージョンやExcelのバージョンによって表示されない場合があります。

【操作手順】
1つ目のファイルを開いた後、スタートメニューまたはタスクバーから新しくExcelアプリを起動します。新しいExcelウィンドウの「ファイル」タブから「開く」を選択して2つ目のファイルを開きます。これで別ウィンドウとして表示されます。

 

ショートカットキーで素早く別インスタンスを起動する方法

Alt+F+Oのショートカットキーを使うと、素早く新しいファイルを開くダイアログを表示できます

既にExcelファイルを1つ開いている状態で、新しいExcelインスタンスを起動してからAltキーを押し、続けてFキー、Oキーの順に押します。これで「ファイルを開く」ダイアログが表示されるため、2つ目のファイルを選択して開きます。

また、タスクバーにExcelがピン留めされている場合、Excelアイコンを右クリックして「Excel」を選択することで、新しいインスタンスを起動できます。この方法も覚えておくと便利です。

さらに、Excelアイコンを中クリック(マウスのホイールボタンをクリック)することでも新しいインスタンスを起動できます。この方法は、マウス操作に慣れている方には最も素早い方法です。

 

同じブック内の複数シートを別ウィンドウで表示する方法

同じブック内の異なるシートを並べて表示したい場合は、「新しいウィンドウを開く」機能を使用します

表示タブをクリックして、「ウィンドウ」グループにある「新しいウィンドウを開く」ボタンをクリックします。すると、同じブックの新しいウィンドウが開きます。タイトルバーには「ファイル名:1」「ファイル名:2」のように、コロンと数字が表示されます。

それぞれのウィンドウで異なるシートを表示すれば、同じブック内の複数シートを並べて作業できます。例えば、一方のウィンドウで「売上データ」シートを表示し、もう一方で「集計表」シートを表示して、データを見比べながら作業できます。

この方法で開いたウィンドウは、表示タブの「整列」機能を使って簡単に並べて表示できます。後ほど詳しく説明します。

開き方 用途 表示される内容
別インスタンスで開く 別々のブックを並べる 異なるファイル
新しいウィンドウを開く 同じブック内のシートを並べる 同じファイルの別ビュー

Excelのバージョンによって、複数ウィンドウの動作が異なります。

Excel 2013以降では、デフォルトで各ファイルが別々のウィンドウで開くようになりました。

しかし、Excel 2010以前や、特定の設定によっては、複数のファイルが同じウィンドウ内で開かれることがあります。

また、同じExcelインスタンス内で開かれたファイルは、Windowsのウィンドウ管理機能(スナップ機能など)では別々のウィンドウとして認識されません。

そのため、Windowsの機能を使って左右に並べたい場合は、必ず別のExcelインスタンスで開く必要があります。

 

表示タブの「整列」機能で並べて表示する方法

続いては、Excel標準の機能を使って複数のウィンドウを並べて表示する方法を確認していきます。

 

整列機能の基本的な使い方

複数のExcelファイルを開いている状態で、表示タブの「整列」機能を使うと、自動的にウィンドウを並べて表示できます

表示タブをクリックして、「ウィンドウ」グループにある「整列」ボタンをクリックします。「ウィンドウの整列」ダイアログボックスが表示され、4つの選択肢が提示されます。

「並べて表示」を選択すると、開いているすべてのExcelウィンドウが画面内に均等に配置されます。2つのウィンドウが開いている場合は左右に、3つ以上の場合は格子状に配置されます。

「左右に並べて表示」を選択すると、ウィンドウが縦に分割されて左右に並びます。「上下に並べて表示」を選択すると、横に分割されて上下に並びます。「重ねて表示」は、ウィンドウが重なった状態で表示され、タイトルバーだけが見えるように配置されます。

通常は「並べて表示」または「左右に並べて表示」を選択するのが最も使いやすいでしょう。データを見比べる作業では、左右に並べることが多いです。

整列方法 配置 適した用途
並べて表示 均等に分割 複数ファイルの概要確認
左右に並べて表示 縦分割 2つのファイルの比較
上下に並べて表示 横分割 縦長のデータの比較
重ねて表示 重ねて配置 素早い切り替え

 

整列機能が使えない・グレーアウトしている場合

「整列」ボタンがグレーアウトして選択できない場合、複数のExcelファイルが開かれていない可能性があります

整列機能は、2つ以上のExcelブックが開いている場合にのみ使用できます。1つのブックしか開いていない場合は、整列ボタンがグレーアウトして選択できません。

また、同じブック内で複数のシートを表示している場合でも、「新しいウィンドウを開く」を実行していなければ整列機能は使えません。同じブック内の複数シートを並べたい場合は、必ず「新しいウィンドウを開く」を使用してから整列してください。

さらに、別々のExcelインスタンスで開いたファイルは、Excel内の整列機能では並べることができません。この場合は、Windowsのスナップ機能を使用するか、各ウィンドウを手動でサイズ調整して並べる必要があります。

 

並べて比較機能の使い方

2つのブックを比較する場合は、「並べて比較」機能が便利です

表示タブの「ウィンドウ」グループにある「並べて比較」ボタンをクリックすると、2つのブックが自動的に上下または左右に並んで表示されます。同時に、「同時にスクロール」機能が有効になります。

「同時にスクロール」が有効な状態では、一方のウィンドウをスクロールすると、もう一方のウィンドウも同じようにスクロールします。これにより、2つのファイルの同じ位置を常に見比べることができます。

同時にスクロールが不要な場合は、「同時にスクロール」ボタンをクリックしてオフにできます。比較が終わったら、「並べて比較を解除」ボタンをクリックして通常の表示に戻します。

この機能は、異なるバージョンのファイルを比較する、同じ形式の2つの報告書を見比べるなどの場面で非常に便利です。

【並べて比較の手順】
2つのExcelブックを開いた状態で、表示タブの「並べて比較」をクリックします。自動的に上下または左右に並んで表示され、同時スクロールが有効になります。比較が終わったら「並べて比較を解除」をクリックします。

 

タスクバーの表示設定を変更する方法

続いては、タスクバー上での表示方法を変更する設定を確認していきます。

 

タスクバーに複数のExcelアイコンを表示する設定

Excel 2010以前のバージョンでは、複数のファイルを開いてもタスクバーに1つのアイコンしか表示されない設定があります

Excel 2010以前では、「ウィンドウをタスクバーに表示」という設定があり、これがオフになっていると、複数のファイルを開いてもタスクバーには1つのExcelアイコンしか表示されません。

この設定を変更するには、Excelのオプションを開きます。「ファイル」タブ→「オプション」→「詳細設定」を選択し、「表示」セクションにある「ウィンドウをタスクバーに表示」にチェックを入れます。

この設定を有効にすると、開いているExcelファイルの数だけタスクバーにアイコンが表示されるようになり、タスクバーから直接ファイルを切り替えられるようになります。

ただし、Excel 2013以降ではこの設定項目自体が存在せず、デフォルトで各ファイルが別々のウィンドウとして表示されるようになっています。

 

Windowsのタスクバー設定を確認する方法

Windows側のタスクバー設定によっても、複数ウィンドウの表示方法が変わります

Windowsのタスクバーには、同じアプリケーションの複数ウィンドウをまとめて表示するか、個別に表示するかを設定できる機能があります。この設定によって、Excelのアイコンが1つにまとめられることがあります。

Windows 10の場合、タスクバーを右クリックして「タスクバーの設定」を開きます。「タスクバーボタンを結合する」という設定項目があり、ここで表示方法を選択できます。

「常に結合、ラベルを非表示」を選択すると、複数のExcelウィンドウが1つのアイコンにまとめられます。「タスクバーに入りきらない場合に結合」を選択すると、スペースがある限り個別に表示されます。「結合しない」を選択すると、常に個別のボタンとして表示されます。

作業スタイルに応じて、最適な設定を選択してください。複数のファイルを頻繁に切り替える場合は、「結合しない」または「タスクバーに入りきらない場合に結合」がおすすめです。

設定 表示方法 メリット
常に結合、ラベルを非表示 1つのアイコンにまとめる タスクバーがすっきり
タスクバーに入りきらない場合に結合 スペースがあれば個別表示 バランスが良い
結合しない 常に個別表示 切り替えが素早い

 

ファイル名に「:1」「:2」が表示される問題の解決方法

続いては、ファイル名にコロンと数字が表示される問題について確認していきます。

 

コロン+数字が表示される原因

Excelファイルを開いたときに、ファイル名の後ろに「:1」や「:2」といった表示が付く場合があります

この現象は、前回ファイルを保存したときに、「新しいウィンドウを開く」機能を使って複数のウィンドウを開いた状態で保存したことが原因です。Excelは、その状態を記憶しており、次回開いたときに同じように複数のウィンドウで開こうとします。

例えば、「報告書.xlsx」を開いたときに「報告書.xlsx:1」と表示される場合、前回このファイルを複数ウィンドウで開いた状態で保存されています。実際には「:2」のウィンドウも存在するはずですが、表示されていない場合があります。

この状態では、整列機能や並べて表示が正しく動作しないことがあります。また、見た目も不自然で混乱の原因になります。

 

コロン+数字を消す方法

この問題を解決するには、余分なウィンドウをすべて閉じてから、もう一度保存し直す必要があります

まず、表示タブの「ウィンドウの切り替え」ボタンをクリックして、現在開いているウィンドウの一覧を確認します。「報告書.xlsx:1」「報告書.xlsx:2」のように複数のウィンドウが表示されている場合は、1つだけを残してすべて閉じます。

ウィンドウの右上の「×」ボタンで不要なウィンドウを閉じます。最後のウィンドウだけが残ったら、ファイルを上書き保存(Ctrl+S)します。一度ファイルを閉じてから再度開くと、コロンと数字が表示されなくなります。

この操作を行うことで、ファイルに保存されている「複数ウィンドウの状態」がリセットされ、通常の状態に戻ります。

 

複数ウィンドウで保存したファイルの再利用

意図的に複数ウィンドウの状態で保存することで、作業効率を向上させることもできます

例えば、同じブック内の「入力シート」と「集計シート」を常に並べて表示して作業する場合、その状態で保存しておけば、次回開いたときに自動的に同じレイアウトで表示されます。

この方法を活用すると、毎回「新しいウィンドウを開く」→「整列」という操作を繰り返す必要がなくなり、すぐに作業を開始できます。

ただし、この機能は意図して使用する場合には便利ですが、意図せず複数ウィンドウで保存してしまうと混乱の原因になります。ファイルを保存する前に、現在いくつのウィンドウが開いているかを確認する習慣をつけると良いでしょう。

Excelの複数ウィンドウ機能は、使い方によっては非常に便利ですが、理解していないと混乱の原因にもなります。

特に、「新しいウィンドウを開く」で開いたウィンドウは、元のファイルと完全に連動しているため、一方で編集すると他方にも即座に反映されます。

これは同じファイルの異なるビューを表示しているだけで、別々のファイルではないことを理解しておく必要があります。

一方、別々のExcelインスタンスで開いたファイルは、完全に独立しており、一方を編集してももう一方には影響しません。

この違いを理解して、目的に応じて適切な方法を選択することが重要です。

 

まとめ エクセルでウインドウ複数表示されない(並べて表示・整列・タスクバー・別ウィンドウ・ブック)原因と対処法

エクセルでウインドウが複数表示されない場合の対処法をまとめると次のようになります。

別々のExcelファイルを並べて表示したい場合は、それぞれを別のExcelインスタンスで開く必要があります。1つ目のファイルを開いた後、スタートメニューやタスクバーから新しくExcelアプリを起動して、そこから2つ目のファイルを開きます。この方法で開くと、Windowsのスナップ機能を使って左右に並べることができます。

同じブック内の複数シートを並べて表示したい場合は、表示タブの「新しいウィンドウを開く」を使用します。その後、「整列」ボタンから「左右に並べて表示」または「並べて表示」を選択すると、自動的に並んで表示されます。

「並べて比較」機能を使うと、2つのブックを上下または左右に並べて、同時にスクロールしながら比較できます。データの比較作業に最適な機能です。

ファイル名に「:1」「:2」といったコロンと数字が表示される場合は、複数ウィンドウで保存された状態です。余分なウィンドウを閉じてから上書き保存することで解決できます。

タスクバーに複数のExcelアイコンを表示したい場合は、Excel 2010以前では「ウィンドウをタスクバーに表示」設定を確認します。また、Windows側のタスクバー設定で「結合しない」を選択すると、個別のボタンとして表示されます。

複数ウィンドウの表示問題は、ファイルの開き方、Excel内の整列機能、Windowsの設定を正しく理解することで、ほとんどの場合解決できます

複数のファイルやシートを効率的に並べて表示して、快適なExcel作業を実現していきましょう!