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質量欠損とは?結合エネルギーとの関係や求め方も!(公式・計算・物理・原子核など)

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「質量欠損って何?」「結合エネルギーとどう関係しているの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

質量欠損は、高校物理の「原子核」分野で登場する重要な概念であり、核エネルギーの根拠となる現象です。

アインシュタインの有名な式E=mc²が登場するテーマでもあり、物理の学習の中でも特に興味深い内容のひとつでしょう。

本記事では、質量欠損の定義・公式・求め方から、結合エネルギーとの関係、具体的な計算方法まで丁寧に解説します。

物理が苦手な方でもわかりやすいよう、順を追って説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

質量欠損とは?定義と基本的な意味

それではまず、質量欠損の定義と基本的な意味について解説していきます。

質量欠損の定義

質量欠損とは、原子核の質量が、それを構成する陽子と中性子の質量の合計よりも小さいという現象のことです。

つまり、バラバラの状態の陽子と中性子を合わせて原子核を作ると、質量が「欠損」する(減る)のです。

この「消えた質量」はエネルギーに変換されており、アインシュタインの式E=mc²によってそのエネルギー量を計算することができます。

質量欠損(Δm)=(陽子の質量 × 陽子数)+(中性子の質量 × 中性子数)−(原子核の質量)

結合エネルギー(E)= 質量欠損(Δm)× 光速(c)²

E = Δm × c²(E=mc²の形)

なぜ質量が欠損するのか

原子核の中では、陽子と中性子が「核力」と呼ばれる非常に強い力によって結びついています。

この結合状態を維持するために必要なエネルギー(結合エネルギー)が、質量欠損に対応しています。

つまり「原子核を構成するためにエネルギーが放出され、そのエネルギーに相当する質量が欠損として現れる」という仕組みです。

「エネルギーを放出すると質量が減る」というのは、特殊相対性理論の質量とエネルギーの等価性(E=mc²)から直接導かれる結論です。

質量欠損と核エネルギーの関係

質量欠損が大きいほど、原子核はより安定した状態にあり、結合エネルギーも大きくなります。

核分裂(重い原子核が分裂する)や核融合(軽い原子核が合体する)の反応では、反応前後の質量欠損の差に相当するエネルギーが放出されます。

これが原子力発電や水素爆弾などで利用される核エネルギーの根源です。

結合エネルギーとの関係

続いては、質量欠損と結合エネルギーの関係を詳しく確認していきます。

結合エネルギーの定義

結合エネルギーとは、原子核をバラバラの陽子と中性子に完全に分解するために必要なエネルギーのことです。

言い換えると、原子核が形成されるときに放出されるエネルギーの量と等しくなります。

結合エネルギーの単位はJ(ジュール)またはMeV(メガ電子ボルト)が使われます。

1MeV=1.6×10⁻¹³ Jという換算が物理の計算問題で頻繁に使われます。

質量欠損から結合エネルギーを求める公式

E(J)= Δm(kg)× c²(m/s)²

c = 3.0×10⁸ m/s(光速)

例)質量欠損が1.0×10⁻²⁸ kgの場合の結合エネルギー

E = 1.0×10⁻²⁸ × (3.0×10⁸)² = 1.0×10⁻²⁸ × 9.0×10¹⁶ = 9.0×10⁻¹² J

この計算では、質量をkgで、光速をm/sで代入することでエネルギーがJ(ジュール)で求まります。

単位の換算を慎重に行うことが、計算ミスを防ぐポイントです。

核子あたりの結合エネルギーと安定性

原子核の安定性を比較するためには、「核子(陽子+中性子)1個あたりの結合エネルギー」を使います。

核子あたりの結合エネルギーが大きいほど、原子核は安定しています。

鉄(Fe)付近の原子核が最も安定しており、それより軽い核は核融合により、重い核は核分裂によってエネルギーを放出し、より安定な状態へ向かいます。

質量欠損の求め方・公式と計算方法

続いては、質量欠損の具体的な求め方・公式と計算方法を確認していきます。

計算に必要な基本データ

質量欠損の計算には以下の基本データが必要です。

粒子 質量(u:原子質量単位) 質量(kg)
陽子(p) 1.00728 u 1.673×10⁻²⁷ kg
中性子(n) 1.00867 u 1.675×10⁻²⁷ kg
電子(e⁻) 0.000549 u 9.109×10⁻³¹ kg

また、1u=1.66054×10⁻²⁷ kg、1u=931.5 MeVという換算値も計算で使われます。

質量欠損の計算手順

【問題】ヘリウム4(⁴He)の原子核の質量欠損と結合エネルギーを求めよ。

⁴He の原子核質量:4.0015 u

陽子の質量:1.00728 u、中性子の質量:1.00867 u

(⁴He は陽子2個+中性子2個)

【解答】

①バラバラの核子の質量合計

1.00728 × 2 + 1.00867 × 2 = 2.01456 + 2.01734 = 4.0319 u

②質量欠損

Δm = 4.0319 − 4.0015 = 0.0304 u

③結合エネルギー

E = 0.0304 × 931.5 ≒ 28.3 MeV

MeVとJの換算に注意

物理の計算問題では、エネルギーの単位としてMeV(メガ電子ボルト)とJ(ジュール)が混在することがあります。

1 eV=1.6×10⁻¹⁹ J、1 MeV=1.6×10⁻¹³ Jという換算を確実に覚えておきましょう。

問題の設問が「J」で答えを求めているのか「MeV」で求めているのかを必ず確認してから計算してください。

核分裂・核融合と質量欠損の応用

続いては、核分裂・核融合における質量欠損の応用を確認していきます。

核分裂と質量欠損

核分裂とは、重い原子核(ウランやプルトニウムなど)が中性子を吸収して2つ以上の軽い核に分裂する反応です。

分裂前と分裂後の質量の差(質量欠損)がエネルギーとして放出されます。

たとえばウラン235の核分裂では、1回の反応で約200 MeVものエネルギーが放出されます。

この原理が原子力発電や原子爆弾に利用されています。

核融合と質量欠損

核融合とは、軽い原子核(水素の同位体など)が融合してより重い核を形成する反応です。

核融合でも反応前後の質量欠損に相当するエネルギーが放出され、単位質量あたりのエネルギー放出量は核分裂よりも大きくなります。

太陽が輝く仕組みも核融合によるものであり、地球上での核融合発電(核融合炉)の実現に向けた研究が現在も進められています。

質量欠損のまとめと物理的意義

質量欠損は「質量とエネルギーは等価である(E=mc²)」というアインシュタインの相対性理論を最も直接的に体験できる物理現象のひとつです。

ごくわずかな質量の変化(欠損)が莫大なエネルギーに相当するという事実は、核エネルギーの巨大さを示しています。

物理を学ぶうえで、この「質量とエネルギーの等価性」の概念を深く理解することは非常に重要な意義を持ちます。

まとめ

本記事では、質量欠損の定義・公式・求め方から、結合エネルギーとの関係、核分裂・核融合への応用まで詳しく解説しました。

質量欠損とは原子核の質量が構成粒子の質量の合計よりも小さくなる現象であり、その差がE=mc²によってエネルギーとして表されます。

結合エネルギーは「原子核をバラバラにするために必要なエネルギー」であり、質量欠損と直接対応する値です。

計算では「バラバラの核子の質量合計 − 原子核の質量 = 質量欠損」という手順を守り、単位(u・kg・MeV・J)の換算に注意しながら進めましょう。

ぜひ本記事を参考に、質量欠損と結合エネルギーの理解を深め、原子核物理の学習に役立ててください。