工業や物理、さらには日常的なタイヤ空気圧の確認まで、さまざまな場面で圧力の単位を扱う機会があります。
特にpsi(ポンド毎平方インチ)とkPa(キロパスカル)は、国際的に広く使われる代表的な圧力単位です。
日本ではSI単位系のkPaが主流ですが、アメリカ系の機器や規格ではpsiが使われることも多く、両者の換算・変換方法を正しく理解しておくことは非常に重要です。
この記事では「psiとkpaの単位変換・換算・表は?1キロパスカルは何psi?1psiは何キロパスカル?例題付の計算方法」というテーマのもと、psiとkPaの基本知識から具体的な換算式、わかりやすい換算表、実際の計算例まで丁寧に解説していきます。
単位変換に不慣れな方でも安心して読み進められる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
psiとkPaの単位変換の結論:基本換算式をまずおさえよう
それではまず、psiとkPaの単位変換における結論から解説していきます。
難しそうに見える単位変換も、基本となる換算係数をひとつ覚えるだけでスムーズに計算できるようになります。
psi(pound per square inch)は、1平方インチの面積に1ポンドの力がかかるときの圧力を表します。
一方、kPa(キロパスカル)はSI単位であるパスカル(Pa)の1000倍の単位です。パスカルは1平方メートルの面積に1ニュートンの力がかかるときの圧力を示します。
1 kPa = 約0.14504 psi
この2つの式が、psiとkPaを相互に変換するための基本です。
小数点以下を省略して覚える場合、「1psi ≒ 6.895kPa」「1kPa ≒ 0.145psi」とすると実用上は十分な精度が得られます。
psiとは何か:単位の成り立ちと使用シーン
psiはPound per Square Inchの略で、ヤード・ポンド法(英米法)における圧力の単位です。
特にアメリカでは自動車のタイヤ空気圧や油圧機器、ガス圧など幅広い分野で使われています。
たとえば一般的な乗用車のタイヤ空気圧は32〜35 psi程度が目安とされており、ガソリンスタンドやカーディーラーでもpsi表示を見かけることがあります。
日本ではあまり馴染みがない単位ですが、輸入機器や英文マニュアルを扱う際には必須の知識です。
kPa(キロパスカル)とは何か:SI単位との関係
kPa(キロパスカル)は国際単位系(SI)における圧力単位であるパスカル(Pa)の1000倍です。
パスカルはフランスの数学者・物理学者ブレーズ・パスカルの名にちなんで命名されました。
1 Pa = 1 N/m²(1平方メートルあたり1ニュートンの力)であり、日常的な圧力を表すには小さすぎるため、1000倍のkPaや、さらに大きなMPa(メガパスカル)がよく使われます。
日本の天気予報では「hPa(ヘクトパスカル)」として気圧表示に使われているのも、パスカル系の単位です。
なぜ単位変換が必要なのか:国際的な背景
世界的にSI単位系が普及している一方、アメリカや一部の国ではヤード・ポンド法が現役で使われています。
そのため、機械設計・プラント設備・自動車整備・航空など多くの産業分野で、psiとkPaの換算は日常的に必要とされる作業です。
特に輸入品のカタログや海外製の機器を扱う場合、仕様書に記載された圧力値の単位が異なることは珍しくありません。
正確に変換できるかどうかが、安全な機器運用にも直結するため、換算知識は非常に重要といえるでしょう。
psiとkPaの換算表:一覧でまるごと確認
続いては、psiとkPaの換算表を確認していきます。
数式だけでなく、よく使う値を一覧表で参照できるようにしておくと、現場での作業効率が大きく上がります。
以下の表をぜひご活用ください。
psi → kPa 換算表
まずはpsiからkPaへの換算表です。
自動車タイヤの空気圧調整や工業用空気圧の確認でよく登場する値を中心に掲載しています。
| psi | kPa(概算) | kPa(精密値) |
|---|---|---|
| 1 psi | 6.9 kPa | 6.89476 kPa |
| 5 psi | 34.5 kPa | 34.4738 kPa |
| 10 psi | 68.9 kPa | 68.9476 kPa |
| 15 psi | 103.4 kPa | 103.421 kPa |
| 20 psi | 137.9 kPa | 137.895 kPa |
| 25 psi | 172.4 kPa | 172.369 kPa |
| 30 psi | 206.8 kPa | 206.843 kPa |
| 32 psi | 220.6 kPa | 220.632 kPa |
| 35 psi | 241.3 kPa | 241.317 kPa |
| 40 psi | 275.8 kPa | 275.790 kPa |
| 50 psi | 344.7 kPa | 344.738 kPa |
| 100 psi | 689.5 kPa | 689.476 kPa |
タイヤの空気圧でよく使われる32〜35 psiの範囲は、kPaに換算するとおよそ220〜241 kPaとなります。
日本のガソリンスタンドではkPa表示が一般的なので、この数値を覚えておくと非常に便利です。
kPa → psi 換算表
次はkPaからpsiへの換算表です。
kPa表示の機器を海外向けに使用したり、外国のマニュアルと照合したりする際にご活用ください。
| kPa | psi(概算) | psi(精密値) |
|---|---|---|
| 1 kPa | 0.145 psi | 0.14504 psi |
| 10 kPa | 1.45 psi | 1.4504 psi |
| 50 kPa | 7.25 psi | 7.2519 psi |
| 100 kPa | 14.5 psi | 14.504 psi |
| 150 kPa | 21.8 psi | 21.756 psi |
| 200 kPa | 29.0 psi | 29.008 psi |
| 220 kPa | 31.9 psi | 31.909 psi |
| 240 kPa | 34.8 psi | 34.809 psi |
| 250 kPa | 36.3 psi | 36.260 psi |
| 300 kPa | 43.5 psi | 43.511 psi |
| 400 kPa | 58.0 psi | 58.015 psi |
| 500 kPa | 72.5 psi | 72.519 psi |
その他の圧力単位との関係:MPaやbarとの比較
圧力単位はpsiとkPaだけではありません。
実務ではMPa(メガパスカル)やbar(バール)もよく登場するため、それぞれの関係性も把握しておくと便利です。
| 単位 | psiへの換算 | kPaへの換算 |
|---|---|---|
| 1 MPa | 約145.04 psi | 1000 kPa |
| 1 bar | 約14.504 psi | 100 kPa |
| 1 atm(標準大気圧) | 約14.696 psi | 約101.325 kPa |
| 1 kgf/cm² | 約14.223 psi | 約98.0665 kPa |
1 barはほぼ1気圧(atm)に近い値であり、100 kPaに相当することも覚えておきましょう。
工業用途ではMPaが使われることも多く、1MPa = 1000kPa = 約145 psiという関係性は特に重要です。
psiとkPaの変換計算方法:例題を使って丁寧に解説
続いては、psiとkPaの変換計算方法を例題を用いながら確認していきます。
実際に手を動かして計算することで、換算の感覚がぐっと身につくはずです。
例題①:psiをkPaに変換する計算
まずはpsiからkPaへの変換をやってみましょう。計算式は以下のとおりです。
【例題1-1】30 psiをkPaに変換してください。
計算式:30 × 6.89476 = 206.843 kPa
答え:30 psi ≒ 206.8 kPa
【例題1-2】45 psiをkPaに変換してください。
計算式:45 × 6.89476 = 310.264 kPa
答え:45 psi ≒ 310.3 kPa
計算の手順としては、psiの数値に6.89476を掛けるだけで完了します。
電卓を使えば難しい計算ではないため、ぜひ自分でも試してみてください。
概算でよい場合は「psiの数値 × 7」で素早く計算する方法もよく使われます。
正確さは若干落ちますが、現場での即席計算としては十分な精度といえるでしょう。
例題②:kPaをpsiに変換する計算
今度はkPaからpsiへの逆変換です。
計算式は以下のようになります。
【例題2-1】200 kPaをpsiに変換してください。
計算式:200 × 0.14504 = 29.008 psi
答え:200 kPa ≒ 29.0 psi
【例題2-2】250 kPaをpsiに変換してください。
計算式:250 × 0.14504 = 36.260 psi
答え:250 kPa ≒ 36.3 psi
こちらもkPaの数値に0.14504を掛けるだけという非常にシンプルな計算です。
概算であれば「kPaの数値 ÷ 7」でも近い値が得られます。
例題③:実務でよくある換算シナリオ
最後に、実際の現場でよく遭遇するシナリオを使って換算練習をしてみましょう。
【シナリオ】輸入タイヤのマニュアルに「推奨空気圧:36 psi」と書いてありました。日本のガソリンスタンドではkPa表示しかありません。何kPaに設定すればよいでしょうか?
計算式:36 × 6.89476 = 248.211 kPa
答え:36 psi ≒ 248 kPa(実用上は250 kPaに設定してもよい)
【シナリオ】工場の圧力計に「350 kPa」と表示されています。アメリカの取引先にpsiで報告するには?
計算式:350 × 0.14504 = 50.764 psi
答え:350 kPa ≒ 50.8 psi
このように実際のシナリオで練習することで、換算式の使い方が自然と身につきます。
単なる数値変換としてではなく、実務上の意味と結びつけて覚えることが大切です。
psiとkPaが使われる具体的な分野:現場での活用シーンを知ろう
続いては、psiとkPaが実際にどのような分野で活用されているのかを確認していきます。
単位の意味を「使う場面」と結びつけることで、より実践的な理解が得られるでしょう。
自動車・タイヤ整備における圧力単位の使用
日常生活で最もpsiとkPaの換算が必要になるのが、自動車タイヤの空気圧管理です。
日本のガソリンスタンドに設置されているエアーコンプレッサーはkPa表示が多く、一方でアメリカ製の車両マニュアルやタイヤにはpsiで記載されています。
一般的な乗用車のタイヤ推奨空気圧は200〜250 kPa(約29〜36 psi)程度で、トラックや大型車ではそれ以上の値になることもあります。
タイヤの空気圧が適正範囲を外れると、燃費の悪化や偏摩耗、最悪の場合はバーストにつながるリスクがあるため、正確な単位変換が安全性に直結するといっても過言ではないでしょう。
工業・プラント設備における圧力管理
工場やプラント設備では、油圧・空圧・蒸気圧などさまざまな圧力を精密に管理する必要があります。
設備の設計や維持管理において、kPaとpsiの両方の表記を理解できることは、エンジニアの必須スキルのひとつです。
特に海外製の機器を導入する場合、仕様書や取扱説明書の圧力値がpsiで記載されていることは珍しくありません。
誤った単位認識による設定ミスは、機器の故障や生産ラインの停止に直結するため、換算スキルは安全管理の観点からも重要です。
また、ISO規格やJIS規格ではSI単位(kPa・MPaなど)が原則として採用されているため、国際的な取引や製品認証の場面でも単位変換の知識が求められます。
医療・ダイビング・気象などその他の分野
圧力単位が関係するのは工業分野だけではありません。
たとえば医療分野では血圧の単位としてmmHg(ミリメートル水銀柱)が使われていますが、人工呼吸器や麻酔機器の回路圧力はkPaやcmH₂Oで表されることがあります。
スキューバダイビングでは、タンクの残圧をbar(バール)やpsiで確認する習慣があります。
ダイビングコンピューターやゲージによってpsi表示とbar表示が混在するため、換算知識は安全なダイビングのためにも役立ちます。
気象分野では大気圧をhPa(ヘクトパスカル)で表すのが一般的ですが、1 hPa = 0.1 kPaという関係性を知っておくと、kPaとの相互理解がしやすくなるでしょう。
1013 hPaの標準大気圧は101.3 kPa ≒ 14.7 psiと換算できます。
まとめ
この記事では「psiとkpaの単位変換・換算・表は?1キロパスカルは何psi?1psiは何キロパスカル?例題付の計算方法」をテーマに、psiとkPaの基本知識・換算式・換算表・計算例・活用シーンまで幅広く解説しました。
最後に重要なポイントを整理しておきましょう。
・1 kPa = 約0.14504 psi
・kPaへの変換:psi × 6.89476
・psiへの変換:kPa × 0.14504
・概算:psi × 7 ≒ kPa、kPa ÷ 7 ≒ psi
psiとkPaの換算は、基本の係数をひとつ覚えるだけで応用が広がります。
自動車のタイヤ管理から工業設備の圧力管理、さらには海外製品の取り扱いまで、あらゆる場面でこの知識が役立つでしょう。
換算表や例題を活用しながら、ぜひ実際の作業に役立ててみてください。
正確な単位変換が、安全で効率的な作業の第一歩となります。