圧力の単位は世界中でさまざまなものが使われており、psi(ポンド毎平方インチ)とMPa(メガパスカル)はその代表格です。タイヤの空気圧、油圧機器、配管設計など、幅広い場面でこの2つの単位が登場します。
「psiとMPaってどう換算するの?」「1メガパスカルは何psi?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。単位変換は一見難しそうに感じますが、換算式さえ覚えてしまえばとてもシンプルです。
この記事では、psiとMPaの単位変換・換算方法を、換算表・計算式・例題付きでわかりやすく解説していきます。100psiや150psiなど実際によく使われる数値も取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
psiとMPaの換算の結論!基本の換算式をまず押さえよう
それではまず、psiとMPaの換算における基本の換算式と結論について解説していきます。
「psiとmpaの単位変換・換算・表は?1メガパスカルは何psi?1psiは何メガパスカル?」という疑問に、まずズバリお答えします。
基本の換算式
1 psi = 約0.006895 MPa
1 MPa = 約145.038 psi
つまり、1メガパスカルはおよそ145psi、1psiはおよそ0.00690MPaということになります。この2つの数字が、psiとMPa換算の基本中の基本です。
psiは「Pounds per Square Inch(ポンド毎平方インチ)」の略で、主にアメリカやイギリスなどの英語圏で使われます。一方、MPa(メガパスカル)はSI単位系(国際単位系)に基づく圧力単位で、日本を含む多くの国や工業規格で採用されています。
psiとは?単位の意味と使われる場面
psiは1平方インチあたりにかかる力をポンドで表した単位です。インチやポンドというヤード・ポンド法の単位を使うため、SI単位系に慣れた日本人にはやや馴染みが薄いかもしれません。
しかし、実際にはタイヤの空気圧表示や、輸入機器の仕様書、海外製の圧力計などでpsiが使われているケースは珍しくありません。自動車のタイヤ空気圧の目安が「32psi」などと記載されているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
psiが主に使われる場面としては、タイヤ空気圧管理・油圧機器・コンプレッサー・消防設備・航空機などが挙げられます。いずれも高い圧力を扱う分野で、換算の知識が実務に直結するでしょう。
MPa(メガパスカル)とは?単位の意味と使われる場面
MPa(メガパスカル)は、圧力のSI単位であるパスカル(Pa)の100万倍にあたる単位です。
1 MPa = 1,000,000 Pa(パスカル)
1 MPa = 1,000 kPa(キロパスカル)
パスカルは非常に小さな単位であるため、工業的な圧力の表現にはMPaがよく使われます。たとえば、コンクリートの強度(圧縮強度)・高圧配管の設計・水圧試験・油圧シリンダーの仕様など、日本の製造業・建設業で日常的に用いられている単位です。
SI単位系を採用している日本では、MPaが公式な圧力表示の基準として広く使われており、JIS規格や各種技術文書でも標準的に登場します。
psiとMPaの基本換算式の導き方
psiとMPaの換算式がどこから来るのか、その根拠を確認しておきましょう。
1 ポンド(lb) = 約0.453592 kg
1 インチ(in) = 約0.0254 m
1 平方インチ = (0.0254)² = 約0.00064516 m²
1 psi = 0.453592 × 9.80665 ÷ 0.00064516
≒ 6894.76 Pa
≒ 0.00689476 MPa
この計算から、1 psi = 約6894.76 Pa = 約0.006895 MPaという換算式が導かれます。逆に言えば、1 MPa = 1,000,000 ÷ 6894.76 ≒ 145.038 psi となります。計算の背景を理解しておくと、換算式を忘れても自分で導けるので安心でしょう。
psiとMPaの換算表で一覧確認!よく使う数値をまとめて把握しよう
続いては、psiとMPaの換算表を確認していきます。実務でよく登場する数値を一覧にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
換算式を毎回計算するのは手間がかかります。よく使う数値をあらかじめ表で把握しておくことで、現場でもスムーズに対応できるでしょう。
psi → MPa 換算表(代表値)
まずはpsiからMPaへの換算表です。タイヤや油圧機器などでよく使われる数値を中心にまとめました。
| psi | MPa(概算) | 用途例 |
|---|---|---|
| 1 psi | 約0.00690 MPa | 基準値 |
| 10 psi | 約0.0690 MPa | 低圧システム |
| 15 psi | 約0.103 MPa | 蒸気圧・給水圧 |
| 30 psi | 約0.207 MPa | 自転車タイヤ(MTB) |
| 32 psi | 約0.221 MPa | 乗用車タイヤ目安 |
| 50 psi | 約0.345 MPa | エアコンプレッサー |
| 80 psi | 約0.552 MPa | ロードバイクタイヤ |
| 100 psi | 約0.689 MPa | 工業用エア配管 |
| 120 psi | 約0.827 MPa | 高圧エア機器 |
| 145 psi | 約1.000 MPa | 1 MPa 基準 |
| 150 psi | 約1.034 MPa | 高圧配管・試験圧 |
| 200 psi | 約1.379 MPa | 油圧機器 |
| 300 psi | 約2.068 MPa | 高圧油圧システム |
| 500 psi | 約3.447 MPa | 超高圧機器 |
| 1000 psi | 約6.895 MPa | 超高圧ポンプ・試験 |
100 psi は約0.689 MPa、150 psi は約1.034 MPaという数値は特によく使われますので、ぜひ覚えておきましょう。
MPa → psi 換算表(代表値)
次に、MPaからpsiへの換算表です。日本の工業規格などで使われるMPa表示を、psiに変換したい場合に活用してください。
| MPa | psi(概算) | 用途例 |
|---|---|---|
| 0.1 MPa | 約14.5 psi | 大気圧相当 |
| 0.2 MPa | 約29.0 psi | 低圧エア |
| 0.3 MPa | 約43.5 psi | 空圧機器 |
| 0.4 MPa | 約58.0 psi | エアシリンダー |
| 0.5 MPa | 約72.5 psi | 工場エア配管標準 |
| 0.7 MPa | 約101.5 psi | コンプレッサー設定 |
| 1.0 MPa | 約145.0 psi | 高圧エア・油圧 |
| 2.0 MPa | 約290.1 psi | 油圧機器 |
| 5.0 MPa | 約725.2 psi | 高圧油圧システム |
| 10.0 MPa | 約1450.4 psi | 超高圧機器 |
日本の工場でよく使われる0.5 MPa(エア配管の標準圧力)は約72.5 psi、1.0 MPaは約145 psiに相当します。この対応関係を覚えておくと、現場での会話や仕様確認がスムーズになるでしょう。
他の圧力単位との比較表
psiとMPa以外にも、圧力の単位はいくつか存在します。下記の表で代表的な単位との関係を確認しておきましょう。
| 単位 | 1 MPaとの関係 | 主な使用場面 |
|---|---|---|
| Pa(パスカル) | 1 MPa = 1,000,000 Pa | SI基本単位 |
| kPa(キロパスカル) | 1 MPa = 1,000 kPa | 気象・タイヤ空気圧 |
| bar(バール) | 1 MPa = 10 bar | 欧州の工業機器 |
| atm(大気圧) | 1 MPa ≒ 9.869 atm | 化学・物理 |
| kgf/cm² | 1 MPa ≒ 10.197 kgf/cm² | 旧JIS・機械設計 |
| psi | 1 MPa ≒ 145.04 psi | 英米系機器 |
このように、圧力の単位は非常に多くの種類があります。場面に応じて適切な単位を使い分けることが、実務での正確な圧力管理につながるでしょう。

例題付きで学ぶ!psiとMPaの計算方法を実践的に理解しよう
続いては、具体的な例題を使いながらpsiとMPaの計算方法を確認していきます。換算式を覚えるだけでなく、実際に手を動かして計算することで理解が深まります。
psi → MPa の計算方法と例題
psiをMPaに変換する際は、以下の換算式を使います。
psi → MPa の換算式
MPa = psi × 0.006895
それでは実際に例題で確認してみましょう。
例題1 100 psi は何 MPa?
MPa = 100 × 0.006895 = 0.6895 MPa
答え 約0.69 MPa
例題2 150 psi は何 MPa?
MPa = 150 × 0.006895 = 1.03425 MPa
答え 約1.03 MPa
例題3 32 psi は何 MPa?(乗用車タイヤの空気圧目安)
MPa = 32 × 0.006895 = 0.22064 MPa
答え 約0.221 MPa(または221 kPa)
このように、psiの数値に0.006895を掛けるだけでMPaへの変換が完了します。暗算が難しい場合は「psiの数値 ÷ 145」という近似計算も便利でしょう。
近似計算(覚えやすい方法)
MPa ≒ psi ÷ 145
例)100 psi ÷ 145 ≒ 0.69 MPa
MPa → psi の計算方法と例題
MPaをpsiに変換する際は、以下の換算式を使います。
MPa → psi の換算式
psi = MPa × 145.038
例題を確認してみましょう。
例題4 1 MPa は何 psi?
psi = 1 × 145.038 = 145.038 psi
答え 約145 psi
例題5 0.5 MPa は何 psi?(工場エア配管の標準圧力)
psi = 0.5 × 145.038 = 72.519 psi
答え 約72.5 psi
例題6 2.5 MPa は何 psi?
psi = 2.5 × 145.038 = 362.595 psi
答え 約362.6 psi
MPaの数値に145を掛けるという計算が基本です。小数点以下を省いて145を使う近似計算でも、実用的な精度が十分に得られます。
計算ミスを防ぐポイントと注意点
単位換算でよくあるミスと、それを防ぐためのポイントを整理しておきましょう。
まず注意したいのが、MPaとkPaの混同です。日本ではタイヤの空気圧をkPaで表示することが多く、「240 kPa」などと書かれている場合があります。これをMPaに直すと0.240 MPaとなり、psiに換算すると約34.8 psiです。kPaとMPaを混同すると1000倍の誤差が生じるため、単位をよく確認することが大切でしょう。
よくある換算ミスの例
誤)240 kPa → 240 × 145 = 34800 psi (× kPaをMPaと間違えた)
正)240 kPa = 0.240 MPa → 0.240 × 145 = 34.8 psi (○)
また、換算係数の精度についても注意が必要です。0.006895と0.00689476のどちらを使うかによって、計算結果に若干の差が出ます。精密な設計計算ではより正確な係数(0.00689476)を使用することが求められる場面もあるでしょう。
psiとMPaの換算が必要な実務場面と活用法を知ろう
続いては、実際にpsiとMPaの換算が必要になる実務場面と、その活用法を確認していきます。単位変換の知識は、現場での安全管理や機器の適切な使用に直結する重要なスキルです。
タイヤ空気圧管理での活用
psiとMPaの換算が最も身近に必要になるのが、タイヤの空気圧管理です。輸入車や海外製のタイヤ・ホイールを使用している場合、空気圧の指定がpsiで記載されていることがあります。
| 車種・タイヤの種類 | 推奨空気圧(psi目安) | 換算後(MPa) |
|---|---|---|
| 乗用車(一般) | 30〜35 psi | 約0.207〜0.241 MPa |
| SUV・ミニバン | 35〜40 psi | 約0.241〜0.276 MPa |
| ロードバイク | 80〜130 psi | 約0.552〜0.896 MPa |
| マウンテンバイク | 25〜35 psi | 約0.172〜0.241 MPa |
| トラック(大型) | 100〜120 psi | 約0.689〜0.827 MPa |
日本のガソリンスタンドやカーディーラーでは主にkPaやkgf/cm²表示が多いため、psiで書かれた数値を正しく換算できることは安全なタイヤ管理において重要です。空気圧が低すぎると燃費の悪化や偏摩耗、高すぎるとグリップ低下やバーストの原因にもなるため、正確な換算と管理を心がけましょう。
油圧・空圧機器の設計・保守での活用
製造業や建設業の現場では、油圧シリンダーや空圧機器の設計・保守においてpsiとMPaの換算が頻繁に必要になります。特に輸入機器や海外メーカーの仕様書ではpsiが使われていることが多く、日本のJIS規格や社内標準に合わせてMPaに変換する作業が不可欠です。
たとえば、海外製の油圧ポンプに「最大圧力3000 psi」と記載されていた場合、MPaに換算すると次のようになります。
3000 psi × 0.006895 = 20.685 MPa ≒ 約20.7 MPa
この換算を正確に行うことで、配管や継手の耐圧スペックの確認、安全弁の設定値の適合チェックなどが適切に行えます。誤った単位で機器を設定すると重大な事故につながる可能性もありますので、現場での換算精度は非常に重要といえるでしょう。
水道・配管・建設分野での活用
水道管や給排水配管の設計・施工においても、圧力単位の換算は欠かせません。日本の水道法や配管設計ではMPaが使われますが、輸入バルブや継手の仕様書にpsiが記載されているケースがあります。
水道の給水圧力は一般的に0.1〜0.74 MPa(約15〜107 psi)の範囲に設定されており、高層ビルや工場では増圧ポンプを使ってこの範囲内で管理されています。給水設備の設計において、psiとMPaの換算知識は実務上の重要なスキルのひとつです。
参考 一般住宅の給水圧力目安
0.2〜0.4 MPa = 約29〜58 psi
まとめ
この記事では「psiとmpaの単位変換・換算・表は?1メガパスカルは何psi?1psiは何メガパスカル?例題付の計算方法【100psiや150psi等】」というテーマで、換算式・換算表・例題・実務活用法を幅広くご紹介しました。
最後に重要なポイントを整理しておきましょう。
まとめ psiとMPaの換算の重要ポイント
1 psi = 約0.006895 MPa(÷145 でも近似可)
1 MPa = 約145.038 psi(×145 でも近似可)
100 psi ≒ 0.69 MPa
150 psi ≒ 1.03 MPa
0.5 MPa ≒ 72.5 psi
換算式は「psiに0.006895を掛ける」「MPaに145を掛ける」と覚えておくと便利です。また、kPaとMPaの混同には特に注意が必要でしょう。
タイヤ空気圧の管理から油圧機器の設計、配管の保守まで、psiとMPaの換算知識はさまざまな場面で役立ちます。この記事の換算表や例題を活用して、正確かつスムーズな単位変換にお役立てください。