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熱交換器の構造は?シェルアンドチューブ型を詳しく解説!(シェル&チューブ・チューブ束・流路・伝熱面積など)

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産業界で不可欠な装置である熱交換器は、効率的な熱エネルギーの移動を担っています。

特に「シェルアンドチューブ型」熱交換器は、その堅牢な構造と高い伝熱性能から、幅広い分野で採用される主流な形式です。

このタイプの熱交換器は、内部の「チューブ束」を介して異なる流体間で熱を交換し、それぞれの「流路」で熱を運びます。

本記事では、このシェルアンドチューブ型の具体的な「構造」や「伝熱面積」の確保の仕方、さらにはその仕組みと種類について詳しく解説します。

熱交換器の基本から、より深い知識までを網羅し、その重要性を理解するための一助となるでしょう。

熱交換器のシェルアンドチューブ型は、高い伝熱効率と堅牢性を誇る主要な形式です!

それではまず、熱交換器のシェルアンドチューブ型について解説していきます。

シェルアンドチューブ型の基本的な構造

シェルアンドチューブ型熱交換器は、その名の通り、大きな筒状の「シェル(胴体)」の内部に多数の細い「チューブ(伝熱管)」が束ねられて配置された構造をしています。

一方の流体はチューブの内部を流れ、もう一方の流体はシェルの内部でチューブの周囲を流れます。

この二つの流体が薄いチューブの壁を隔てて接触することで、熱エネルギーが移動するのが基本的な原理です。

それぞれの流体は独立した「流路」を確保しており、互いに混じり合うことはありません。

シェルアンドチューブ型が選ばれる理由

シェルアンドチューブ型が産業界で広く選ばれる主な理由は、その優れた性能と信頼性にあります。

高い伝熱効率と、高圧や高温といった過酷な運転条件に対する堅牢性が特徴です。

さらに、構造が比較的シンプルであるため、製造コストを抑えやすく、また清掃やメンテナンスの面でも利点があります。

特に化学工場や発電所、石油精製プラントなど、大規模な設備でその能力を発揮するでしょう。

他の熱交換器との比較

熱交換器には、プレート式、フィンチューブ式、二重管式など様々な種類が存在します。

プレート式は小型で高効率ですが、圧力や温度の限界があり、また汚れやすい流体には不向きな場合があります。

一方で、シェルアンドチューブ型は、プレート式よりも大きく、伝熱効率で劣る場合もありますが、高圧・高温耐性に優れ、粒子を含む流体や粘度の高い流体にも対応できる点が強みです。

それぞれの熱交換器には得意分野があり、用途に応じて最適なものが選ばれます。

シェルアンドチューブ型を構成する主要部品とその役割

続いては、シェルアンドチューブ型を構成する主要部品とその役割を確認していきます。

シェル(胴体)の役割

シェルは熱交換器の外側を覆う筒状の構造物で、一方の流体を内部に保持する役割を担っています。

圧力容器としての機能も持ち合わせているため、運転圧力や温度に耐えうる材質と設計が不可欠です。

一般的に炭素鋼やステンレス鋼などが用いられ、流体の腐食性や運転条件によって選定されます。

シェルの内部には、流体の流れを調整するための「バッフル板」が設置されることも少なくありません。

チューブ(伝熱管)の役割

チューブは熱交換の主役となる部品で、もう一方の流体がその内部を通過します。

多数のチューブが束ねられた「チューブ束」としてシェル内に配置され、流体と流体の間で効率的に熱を伝えるための「伝熱面積」を最大限に確保するよう設計されています。

チューブの材質は、流体の種類や温度、腐食性に応じて銅、ステンレス鋼、チタンなど多岐にわたります。

例えば、チューブの直径が小さいほど、同じ体積の熱交換器でもより多くのチューブを配置でき、総伝熱面積を増やすことが可能です。

伝熱面積を増やすことは、熱交換効率の向上に直結するでしょう。

チューブシートとバッフル板の機能

「チューブシート」は、多数のチューブを固定し、シェル側の流体とチューブ側の流体が混じり合わないように隔てる役割を持つ板状の部品です。

チューブはチューブシートに溶接や拡管といった方法でしっかりと固定されます。

一方「バッフル板」は、シェル側を流れる流体の流れを複雑にし、乱流を発生させることで、チューブ表面との熱伝達率を高めるために設置されます。

バッフル板は、シェル側の流体がチューブの周りを適切に流れるよう誘導し、熱伝達を促進する重要な役割を担います。

流体の流れと熱交換のメカニズム

続いては、シェルアンドチューブ型における流体の流れと熱交換のメカニズムを確認していきます。

シェル側とチューブ側の流体配置

熱交換器では、高温流体と低温流体のどちらをシェル側、どちらをチューブ側に流すかが、設計上の重要なポイントとなります。

一般的には、汚れやすい流体や腐食性の高い流体はチューブ側に流し、清掃や交換がしやすいようにします。

また、圧力の高い流体はチューブ側に、粘度の高い流体はシェル側に流すことで、圧力損失を抑えつつ効率的な熱交換を狙うことが可能です。

流体の流れ方には、「並流(同じ方向)」、「向流(逆方向)」、「直交流(直角方向)」などがあり、向流が最も効率的とされています。

熱交換器における流体の流れ方は、伝熱効率に極めて大きく影響します。

特に、向流配置は温度差が一定に保たれやすく、最も効率的な熱交換を実現できるからです。

熱伝達の三要素:伝導・対流・放射

熱交換器における熱の移動は、主に「熱伝導」と「熱対流」によって行われます。

チューブ内部を流れる流体からチューブの壁面へは「熱対流」によって熱が伝わり、そのチューブの壁面を介して、シェル側の流体へは「熱伝導」によって熱が移動します。

そして、チューブの壁面からシェル側の流体へは再び「熱対流」によって熱が伝わるのです。

一般的に、熱交換器の設計では熱放射の影響は小さいとされ、伝導と対流の最適化が重視されます。

伝熱面積の最適化と設計要因

伝熱面積は、熱交換効率を左右する最も重要な要素の一つです。

チューブの本数、直径、長さ、そしてシェル内での配置によって総伝熱面積が決定されます。

また、バッフル板の間隔や配置も、シェル側流体の流速や乱流の状態に影響を与え、伝熱効率を大きく左右する要因です。

設計者はこれらの要因を総合的に考慮し、必要な熱交換量と圧力損失のバランスを取りながら、最適な伝熱面積を導き出します。

熱交換量 Q = U × A × ΔTm

ここで、Qは熱交換量、Uは総括伝熱係数、Aは伝熱面積、ΔTmは対数平均温度差を示します。

伝熱面積 A を増やすことで、より多くの熱を交換できることがわかります。

表1:シェルアンドチューブ型熱交換器の伝熱面積に影響する要因

要因 詳細 伝熱への影響
チューブ本数 多いほど伝熱面が増加 増加
チューブ直径 細いほど表面積が増加、流速が速くなる 増加
チューブ長さ 長いほど伝熱面が増加 増加
チューブ配置 千鳥配置など、乱流促進 増加
バッフル板間隔 適度な間隔で乱流と混合を促進 増加

シェルアンドチューブ型熱交換器の種類と選定ポイント

続いては、シェルアンドチューブ型熱交換器の種類と選定ポイントを確認していきます。

固定チューブシート型と浮動ヘッド型の特徴

シェルアンドチューブ型熱交換器には、主に「固定チューブシート型」と「浮動ヘッド型」があります。

固定チューブシート型は、チューブシートがシェルに固定されている最もシンプルな構造で、コストメリットが高いです。

しかし、シェル側とチューブ側の流体で大きな温度差が生じると、熱膨張によってチューブに応力が発生する可能性があります。

一方、浮動ヘッド型は、一方のチューブシートがシェルから独立しており、チューブ束が熱膨張によって自由に伸縮できるため、特に、温度差が大きい流体を取り扱う場合には、熱膨張による応力を吸収できる浮動ヘッド型が推奨されます。

また、チューブ束全体を引き抜いて清掃やメンテナンスができる点も大きな利点です。

U字管型とケトル型

その他にも、チューブがU字型に曲げられた「U字管型」や、主に沸騰や凝縮用途に用いられる「ケトル型」が存在します。

U字管型も浮動ヘッド型と同様に熱応力を吸収でき、チューブシートが一枚で済むため製造が容易です。

ケトル型は、沸騰した液体から発生する蒸気と液体の分離空間を広く確保できるため、リボイラーや凝縮器として使用されます。

表2:シェルアンドチューブ型熱交換器の種類と特徴

種類 特徴 主な用途
固定チューブシート型 シンプル、低コスト、清掃が困難 温度差が小さい場合、クリーンな流体
浮動ヘッド型 熱応力吸収、チューブ束の引き抜き可能 高温高圧、温度差が大きい場合、汚れやすい流体
U字管型 片側チューブシート、熱応力吸収 温度差が大きい場合、メンテナンス性重視
ケトル型 広大な気液分離空間、沸騰・凝縮 ボイラー、リボイラー、凝縮器

用途に応じた適切な選定ポイント

熱交換器を選定する際には、流体の性質(腐食性、粘度、汚れやすさ)、運転条件(温度、圧力)、メンテナンスの頻度とコストなど、様々な要素を総合的に考慮する必要があります。

例えば、粘度の高い流体にはシェル側を流すことで圧力損失を抑えたり、腐食性の強い流体には耐食性の高い材質のチューブを選んだりするでしょう。

適切なシェルアンドチューブ型熱交換器の選定は、プロセスの安全性、効率性、そして経済性に直結します。

最適な選択により、長期的な安定稼働とメンテナンスコストの削減が期待できるからです。

まとめ

本記事では、産業界で広く利用されるシェルアンドチューブ型熱交換器の構造と機能について詳しく解説しました。

シェルとチューブからなる基本的な構造から、チューブシートやバッフル板といった主要部品の役割、さらには熱交換のメカニズムや、固定チューブシート型、浮動ヘッド型などの種類までを網羅的に見てきたところです。

シェルアンドチューブ型熱交換器は、その堅牢性と高い伝熱効率から、多様な産業プロセスにおいて不可欠な存在と言えるでしょう。

この記事が、熱交換器の理解を深める一助となれば幸いです。