15度、75度、90度を含む直角三角形では、30度、45度、60度の三角比を組み合わせることでsin、cos、tanの値を正確に求められます。
角度の和と差の公式を丸暗記するだけではなく、図形の見方や辺の比との関係を理解すると、入試問題や定期テストでも落ち着いて使えるでしょう。
この記事では15度と75度の三角比を導く流れ、値の覚え方、計算時の注意点まで、高校数学の基礎としてわかりやすく解説します。
15度・75度・90度の三角比の値

それではまず15度・75度・90度の三角比の値について解説していきます。
基本となる三角比の一覧
15度と75度は、代表角である30度、45度、60度から作れる角度です。
15度は45度から30度を引いた角、75度は45度と30度を足した角として考えると、sinとcosの値を求めやすくなります。
| 角度 | sin | cos | tan |
|---|---|---|---|
| 15度 | (√6-√2)÷4 | (√6+√2)÷4 | 2-√3 |
| 75度 | (√6+√2)÷4 | (√6-√2)÷4 | 2+√3 |
| 90度 | 1 | 0 | 定義されない |
15度と75度ではsinとcosの値が入れ替わることが大切なポイントです。
これは二つの角が90度になる関係、つまり余角の関係にあるためです。
15度のsin・cos・tan
15度のsinは、30度と45度の差の公式から求められます。
sin15度=sin(45度-30度)
=sin45度cos30度-cos45度sin30度
=√2÷2×√3÷2-√2÷2×1÷2
=(√6-√2)÷4
同じ考え方でcos15度を計算すると、符号がプラスになるため(√6+√2)÷4です。
tan15度はsin15度をcos15度で割っても求められますが、tanの差の公式を使う方法もあります。
有理化まで行うと、tan15度は2-√3になります。
75度と90度の値
75度は45度と30度の和なので、15度と同様に加法定理を利用します。
sin75度=sin(45度+30度)
=sin45度cos30度+cos45度sin30度
=(√6+√2)÷4
cos75度は(√6-√2)÷4、tan75度は2+√3となります。
90度では単位円や直角三角形の考え方からsin90度は1、cos90度は0です。
tanはsinをcosで割る値なので、分母が0になる90度では値を定められません。
15度のtanは2-√3、75度のtanは2+√3です。
小数ではなく根号を含む正確な形で答える問題では、途中の有理化を省かないようにしましょう。
直角三角形と三角比の基本関係
続いては直角三角形と三角比の基本関係を確認していきます。
sin・cos・tanが表す辺の比
直角三角形で一つの鋭角をθとすると、sin、cos、tanは三辺の長さの比を示します。
斜辺は直角の向かいにある最も長い辺であり、対辺はθの向かい側、隣辺はθに接する辺です。
| 三角比 | 辺の比 | 意味 |
|---|---|---|
| sinθ | 対辺÷斜辺 | 角度に対する高さの割合 |
| cosθ | 隣辺÷斜辺 | 角度に対する横方向の割合 |
| tanθ | 対辺÷隣辺 | 傾きや高さと距離の割合 |
どの辺が対辺かは、注目する角度によって変わります。
一方で斜辺だけは直角の向かいと決まっているため、最初に斜辺を見つける習慣をつけると混乱を減らせます。
15度を含む直角三角形の比
15度、75度、90度の三角形では、斜辺を4と置くと各辺の長さをきれいに表せます。
斜辺を4とした場合
15度の対辺は√6-√2
15度の隣辺は√6+√2
直角をはさむ二辺の二乗和は斜辺の二乗と一致します
この比は30度、45度、60度の特殊な直角三角形を重ね合わせた結果として理解できます。
テストでは辺の比を直接問われることもあるため、sinとcosの分母である4まで含めて確認するとよいでしょう。
余角によるsinとcosの交換
15度と75度の和は90度です。
二つの角が余角であるとき、sin15度はcos75度に等しく、cos15度はsin75度に等しくなります。
これは一つの直角三角形で、どちらの鋭角に注目するかを変えると、対辺と隣辺が入れ替わるためです。
sinとcosの交換は、値を検算する便利な手掛かりにもなります。
片方の値だけを導いた後、余角の関係からもう片方を確かめれば、符号や根号の足し引きのミスに気付きやすくなります。
加法定理と減法定理の計算手順
続いては加法定理と減法定理の計算手順を確認していきます。
15度を45度-30度として考える方法
15度は代表角ではないため、45度-30度という形に分解します。
sinの減法定理では途中が引き算、cosの減法定理では途中が足し算になる点が重要です。
公式の記号だけを見るのではなく、展開後の符号まで書いて計算すると正確さが上がります。
| 関数 | 減法定理 | 15度での利用 |
|---|---|---|
| sin(A-B) | sinAcosB-cosAsinB | Aを45度、Bを30度 |
| cos(A-B) | cosAcosB+sinAsinB | Aを45度、Bを30度 |
| tan(A-B) | (tanA-tanB)÷(1+tanAtanB) | tan45度とtan30度を代入 |
特にcosの公式は、角度の中が引き算でも右辺が足し算になるので注意が必要です。
75度を45度+30度として考える方法
75度は45度+30度として加法定理を使います。
sin75度では二つの項を足し、cos75度では後ろの項を引きます。
15度と75度で根号の並びが変わる理由は、この加法と減法による符号の違いにあります。
公式を用いる場面では、45度と30度を逆にしても最終結果は同じです。
ただし学習の初期段階では、45度をA、30度をBに固定すると、公式の使い分けを整理しやすいでしょう。
tanの式変形と有理化
tan15度は、tanの差の公式にtan45度=1、tan30度=√3÷3を入れて求められます。
計算途中では分母に根号が残るため、分子と分母に同じ式を掛けて有理化します。
tan15度=(1-√3÷3)÷(1+√3÷3)です。
分子と分母を整理し、有理化すると2-√3になります。
tan75度も同じ流れで計算でき、結果は2+√3です。
答えだけを覚える場合でも、2-√3は正の小さい値、2+√3は正の大きい値という感覚を持つと役立ちます。
15度はゆるやかな傾き、75度は急な傾きなので、値の大小とも一致します。
単位円による15度・75度の位置関係
続いては単位円による15度・75度の位置関係を確認していきます。
単位円におけるcosとsinの座標
半径が1の単位円では、角度θに対応する点の座標は(cosθ、sinθ)です。
したがって15度の点は横方向の座標が大きく、縦方向の座標が小さくなります。
75度ではその関係が反対になり、横方向が小さく縦方向が大きくなります。
15度のcosがsinより大きいことは、図を思い浮かべるだけでも判断できます。
75度ではsinがcosより大きくなるため、計算結果の妥当性を確認する材料になります。
第一象限における符号
15度も75度も第一象限にあるため、sin、cos、tanはいずれも正の値です。
計算中にマイナスの答えが出た場合は、公式の符号、分配、または有理化の過程を見直す必要があります。
90度はy軸の正の方向に位置し、対応する座標は(0、1)です。
このためcos90度は0、sin90度は1となります。
tanはy座標をx座標で割る見方もできるので、x座標が0の90度では定義されないことが理解できます。
グラフと近似値による検算
関数電卓を使う場合は、角度の設定が度数法になっているか確認しましょう。
15度のsinはおよそ0.259、cosはおよそ0.966、tanはおよそ0.268です。
75度のsinはおよそ0.966、cosはおよそ0.259、tanはおよそ3.732になります。
| 角度 | sinの近似値 | cosの近似値 | tanの近似値 |
|---|---|---|---|
| 15度 | 0.259 | 0.966 | 0.268 |
| 75度 | 0.966 | 0.259 | 3.732 |
| 90度 | 1 | 0 | 定義されない |
近似値は途中計算の確認に便利ですが、証明問題や正確な値を問う問題では根号を含む形で答えます。
問題演習に役立つ解法のポイント
続いては問題演習に役立つ解法のポイントを確認していきます。
代表角への分解
15度や75度が現れたら、まず45度と30度の和または差に分けられるか考えます。
15度=45度-30度、75度=45度+30度という分解は、三角関数の基本問題で頻出です。
複雑に見える角度でも、既知の値を持つ代表角へ戻す視点があれば、公式を機械的に選べます。
60度-45度として15度を扱うことも可能ですが、30度と45度の組み合わせを統一して覚えると計算の再現性が高まります。
値の大小による答え合わせ
0度から90度の範囲では、sinは角度が大きくなるほど増え、cosは小さくなります。
そのため15度ではsin<cos、75度ではsin>cosとなるはずです。
tanは角度が90度に近づくほど大きくなるため、tan75度がtan15度より大きいことも自然に判断できます。
根号を含む答えは見慣れないものですが、近似値で大小を確かめれば、誤った符号を早期に発見できるでしょう。
頻出する計算ミス
よくある間違いは、sinとcosの加法定理、減法定理の符号を混同することです。
また、tan90度を0とする誤りも見られますが、0なのはcos90度です。
sin90度は1、cos90度は0、tan90度は定義されません。
tanθ=sinθ÷cosθの関係から、cosθが0ならtanθを計算できないと判断します。
公式を書いた直後に代表角の値を代入する前に、符号を一度確認する習慣を持つと、失点を減らせます。
答えを整理する最後の段階では、分母の有理化が必要かどうかも確認しましょう。
15度・75度・90度の三角比のまとめ
15度のsinは(√6-√2)÷4、cosは(√6+√2)÷4、tanは2-√3です。
75度ではsinとcosが入れ替わり、tanは2+√3になります。
90度はsinが1、cosが0であり、tanは定義されません。
15度と75度の値は、45度と30度の加法定理、減法定理から導けます。
余角の関係、単位円での位置、近似値による検算も合わせて使うと、公式を暗記だけに頼らず理解できるでしょう。
特殊角の値を正確に扱えるようになると、三角関数の方程式、図形問題、微分積分へ進む際にも大きな基礎になります。