20パーセント利益の計算方法は?利益率の求め方も!(売上×0.2:粗利益:営業利益:原価率:損益計算など)
売上の20パーセントを利益として考える場面では、単純に売上へ0.2を掛ければよい場合と、原価や経費を差し引いて利益率を確認する必要がある場合があります。
同じ20パーセントでも、粗利益率なのか営業利益率なのかによって意味が変わるため、損益計算の基本を押さえておくことが大切です。
この記事では、売上×0.2の考え方、利益率の求め方、原価率との関係、実務で役立つ確認方法まで分かりやすく紹介します。
20パーセント利益の計算方法

それではまず、20パーセント利益を計算する基本について解説していきます。
売上に0.2を掛ける基本計算
売上の20パーセントを金額で知りたいときは、売上高に0.2を掛けます。
たとえば売上が100万円なら、100万円×0.2で20万円です。
売上の20パーセントは、売上を5で割った金額ともいえます。
100万円÷5でも20万円となるため、電卓がない場面では10パーセントを2倍する考え方も使えるでしょう。
売上100万円の場合
100万円×0.2=20万円
この20万円は、売上に対して20パーセントの金額です。
ただし、この20万円がそのまま会社に残る利益とは限りません。
商品を仕入れる費用、人件費、家賃、広告費などを差し引く前か後かで、利益の意味が異なるためです。
利益額から売上を逆算する考え方
利益額が決まっていて、それが売上の20パーセントに当たる場合は、利益額を0.2で割って売上を求めます。
利益が20万円で利益率が20パーセントなら、20万円÷0.2で売上は100万円です。
割合から元の売上を求めるときは、掛け算ではなく割り算になる点に注意しましょう。
| 知りたい内容 | 計算式 | 売上100万円の例 |
|---|---|---|
| 20パーセントの金額 | 売上×0.2 | 20万円 |
| 売上の10パーセント | 売上×0.1 | 10万円 |
| 20パーセントに対応する売上 | 利益額÷0.2 | 20万円÷0.2=100万円 |
| 利益率 | 利益÷売上×100 | 20万円÷100万円×100=20パーセント |
逆算は、売上目標や必要利益の設定で特に役立ちます。
月に40万円の利益を確保したいなら、利益率20パーセントを前提として月商200万円が一つの目安になります。
消費税を含む売上の扱い
売上をもとに利益を計算する際は、税込の数字と税抜の数字を混在させないことが重要です。
消費税は原則として事業の利益ではなく、預かり金や支払い分との精算対象になるためです。
会計上の売上高や利益率を正確に確認したい場合は、税抜経理なら税抜売上、税込経理なら税込売上で統一します。
見積書では税込の売上を見ていたのに、損益計算書では税抜の売上で比較すると、利益率がずれて見えることがあります。
売上×0.2で出た数字は、20パーセントの売上相当額です。
実際の利益として判断する前に、原価や販管費を差し引いた後の数字かどうかを必ず確認しましょう。
利益率の求め方
続いては、利益率の基本的な求め方を確認していきます。
利益率の計算式
利益率は、売上に対して利益がどの程度残ったかを示す割合です。
基本式は、利益÷売上×100で求められます。
売上100万円、利益20万円なら、20万円÷100万円×100で利益率は20パーセントです。
利益率の計算
利益÷売上×100=利益率
20万円÷100万円×100=20パーセント
利益額だけでは事業の収益性を比較しにくいため、売上に対する割合で見ることが欠かせません。
利益50万円の会社でも、売上が200万円なら利益率は25パーセントです。
一方で売上が1,000万円なら利益率は5パーセントとなり、同じ利益額でも状況は大きく異なります。
パーセントと小数の変換
計算では20パーセントを0.2、5パーセントを0.05のような小数に直して扱います。
パーセントは100分のいくつかを示す単位なので、100で割れば小数へ変換できます。
| パーセント表示 | 小数表示 | 売上100万円に対する金額 |
|---|---|---|
| 5パーセント | 0.05 | 5万円 |
| 10パーセント | 0.1 | 10万円 |
| 20パーセント | 0.2 | 20万円 |
| 25パーセント | 0.25 | 25万円 |
| 30パーセント | 0.3 | 30万円 |
利益率を計算するときは、利益÷売上の結果に100を掛けます。
反対に、売上へ利益率を掛けて利益額を出すときは、20パーセントを0.2にして掛ける流れです。
利益率と増減率の違い
利益率と増減率は似た言葉ですが、比較している対象が違います。
利益率は売上に対する利益の割合であり、増減率は前月や前年と比べてどれだけ変化したかを表します。
たとえば利益が20万円から24万円へ増えた場合、利益額は4万円増加しています。
増減率は4万円÷20万円×100で20パーセントです。
しかし、当月の売上が120万円なら利益率は24万円÷120万円×100で20パーセントとなります。
同じ20パーセントでも、利益率なのか前年からの増加率なのかで読み取り方が変わるため、資料の項目名を確認しましょう。
粗利益と営業利益の違い
続いては、粗利益と営業利益の違いを確認していきます。
粗利益の意味
粗利益は、売上高から売上原価を差し引いた利益です。
売上総利益とも呼ばれ、商品やサービスそのものが生み出す利益の大きさを確認する指標になります。
売上100万円で売上原価が60万円なら、粗利益は40万円です。
粗利益の計算
売上高-売上原価=粗利益
100万円-60万円=40万円
この場合の粗利益率は、40万円÷100万円×100で40パーセントです。
粗利益率が高いほど、販売管理費を負担する前の余力が大きいと考えられます。
ただし、粗利益率が高くても広告費や人件費が重ければ、最終的な利益が少なくなることもあります。
営業利益の意味
営業利益は、粗利益から販売費および一般管理費を差し引いた利益です。
販売費には広告宣伝費、配送費、販売手数料などが含まれます。
一般管理費には役員報酬、従業員給与、家賃、水道光熱費、通信費などが含まれることが一般的です。
粗利益40万円から販管費20万円を差し引くと、営業利益は20万円になります。
このとき営業利益率は20万円÷100万円×100で20パーセントです。
粗利益が20パーセントという場合と、営業利益が20パーセントという場合では、経営の状態がまったく異なります。
利益率を会話や資料で使うときは、どの段階の利益かを添える習慣をつけましょう。
経常利益と当期純利益の位置づけ
営業利益の後には、営業外収益や営業外費用を加減した経常利益があります。
受取利息や支払利息、為替差損益などが代表例です。
さらに特別利益や特別損失、法人税などを反映したものが当期純利益です。
会社が最終的に一年間で得た成果を見る際には、当期純利益が注目されます。
一方で、日常の事業活動による稼ぐ力を判断するなら、営業利益と営業利益率を継続して追うことが有効でしょう。
目的に応じて見る利益を使い分けることが、損益計算書を読み解く第一歩です。
原価率と利益率の関係
続いては、原価率と利益率の関係を確認していきます。
原価率の基本計算
原価率は、売上に対して売上原価が占める割合です。
計算式は、売上原価÷売上高×100となります。
売上100万円、売上原価80万円なら、原価率は80パーセントです。
売上原価だけを差し引く前提では、粗利益率は20パーセントになります。
原価率と粗利益率の合計は、基本的に100パーセントです。
| 売上高 | 売上原価 | 原価率 | 粗利益 | 粗利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 80万円 | 80パーセント | 20万円 | 20パーセント |
| 100万円 | 70万円 | 70パーセント | 30万円 | 30パーセント |
| 100万円 | 60万円 | 60パーセント | 40万円 | 40パーセント |
仕入原価が上がれば、販売価格を変えない限り粗利益率は下がります。
原材料費や物流費の変動が大きい業種では、原価率を月ごとに確認する姿勢が求められます。
利益率20パーセントに必要な原価率
粗利益率を20パーセントにしたいだけなら、原価率は80パーセントです。
ただし、営業利益率を20パーセントにしたい場合は、原価率を80パーセントにしてはいけません。
そこからさらに人件費や家賃などの販管費を支払う必要があるためです。
たとえば販管費率が15パーセントなら、営業利益率20パーセントを確保するには、粗利益率を35パーセント以上にする必要があります。
原価率は65パーセント以下が目安になります。
営業利益率20パーセントを目標にする場合
粗利益率-販管費率=営業利益率
粗利益率35パーセント-販管費率15パーセント=営業利益率20パーセント
このように、目標利益率から逆算して原価率の上限を決めると、価格設定や仕入条件の判断がしやすくなります。
値引きが利益へ与える影響
値引きは売上を増やすための施策になる一方で、利益率を下げる要因にもなります。
原価60万円の商品を100万円で販売すると、粗利益は40万円です。
ここから10パーセント値引きして90万円で売ると、原価が同じなら粗利益は30万円まで減ります。
売上は10万円減っただけでも、粗利益は10万円減少し、粗利益率は約33.3パーセントになります。
値引き率と利益の減少率は同じではなく、利益への影響のほうが大きくなりやすい点が重要です。
値引きを行う際は、販売数がどれだけ増えれば利益総額を維持できるかまで計算すると安心です。
損益計算書での確認方法
続いては、損益計算書で利益を確認する方法を見ていきます。
損益計算書の主要項目
損益計算書は、一定期間の売上、費用、利益を並べて示す書類です。
まず売上高があり、そこから売上原価を引くと売上総利益になります。
売上総利益から販売費および一般管理費を引くと営業利益です。
その後に営業外損益や特別損益、税金などを反映して、最終的な当期純利益へ進みます。
20パーセントという数字を見つけたら、どの利益の行を売上高で割った数字かを確認してください。
数字だけで判断せず、利益が作られる順番を理解することが大切です。
月次比較で見るべきポイント
利益率は一度だけ確認するより、月次で並べて変化を見るほうが実務に役立ちます。
売上が伸びているのに営業利益率が下がっている場合、原価率の悪化や経費の増加が隠れているかもしれません。
反対に売上が少し下がっても、利益率が改善していれば、値引きの抑制や仕入条件の見直しが成果につながっている可能性があります。
| 確認項目 | 悪化したときの主な要因 | 見直しの方向 |
|---|---|---|
| 売上高 | 客数減少、単価低下 | 販促、商品構成、価格設定 |
| 原価率 | 仕入価格上昇、廃棄増加 | 仕入先、発注量、在庫管理 |
| 粗利益率 | 値引き増加、原価上昇 | 販売価格、商品別採算 |
| 営業利益率 | 人件費、広告費、固定費増加 | 経費配分、業務効率 |
月次の比較では、前年同月や予算との比較も有効です。
季節変動のある業種なら、前月だけでなく前年の同じ月と比べると実態をつかみやすくなります。
商品別と部門別の採算管理
全社の利益率が20パーセントでも、すべての商品や部門が同じように利益を出しているとは限りません。
利益率が高い商品が、利益率の低い商品の赤字を補っていることもあります。
商品別に売上、原価、粗利益を集計すれば、利益を支える商品が見えてきます。
部門別に人件費や広告費を配分できれば、営業利益に近い採算管理も可能です。
商品別の確認項目
売上高、売上原価、粗利益、粗利益率、値引き額、販売数量
数字を並べることで、売れていても利益が残りにくい商品を見つけやすくなります。
売上の大きさだけでなく、利益額と利益率をセットで見ることで、経営判断の精度が高まります。
20パーセント利益の計算に関するまとめ
20パーセントの利益額を求めるだけなら、売上に0.2を掛ければ計算できます。
売上100万円なら20万円であり、利益額から売上を逆算するなら20万円を0.2で割って100万円です。
ただし、粗利益率20パーセントと営業利益率20パーセントでは、必要な原価率や経費管理の水準が異なります。
粗利益は売上から売上原価を引いた金額で、営業利益はさらに販売費および一般管理費を差し引いた金額です。
利益率は、利益÷売上×100で求めるという基本式を覚えておくと、損益計算書や売上計画を理解しやすくなります。
原価率、粗利益率、営業利益率を同じ期間と同じ基準で確認し、月次推移や商品別採算にも目を向けましょう。
売上×0.2という単純な計算を出発点にしながら、どの段階の利益なのかを見極めることが、利益を残す経営につながります。