約数の個数と総和の求め方は?公式をまとめて解説!(素因数分解:(指数+1)の積:等比数列:一覧表:例題など)
約数の個数や約数の総和を求める問題では、数を一つずつ割って調べる方法もありますが、大きな数になるほど時間がかかります。
そこで役立つのが、素因数分解と指数に注目する公式です。
この記事では、約数の個数と総和の基本公式、等比数列との関係、例題での計算手順を順番に整理します。
約数の個数と総和の基本公式

それではまず、約数の個数と総和を求めるための結論となる公式について解説していきます。
素因数分解から始める考え方
約数の公式を使う前に、対象の整数を素因数分解することが重要です。
素因数とは、2、3、5、7のように、1と自分自身以外では割り切れない素数を指します。
たとえば72は、72=2の3乗×3の2乗と表せます。
この形に直すと、約数に含められる素数と指数の選び方が見えるようになります。
72=2の3乗×3の2乗
2の指数は0、1、2、3から選べます。
3の指数は0、1、2から選べます。
約数は、2の指数と3の指数の組み合わせによって作られます。
たとえば2の2乗×3の1乗なら12、2の0乗×3の2乗なら9です。
0乗を選ぶことは、その素因数を掛けないという意味になります。
約数の個数を求める公式
整数Nを、N=pのa乗×qのb乗×rのc乗のように素因数分解できるとします。
このとき約数の個数は、(a+1)×(b+1)×(c+1)で求められます。
各指数に1を足してから掛け合わせるため、覚えやすい公式でしょう。
約数の個数は、素因数分解したときの各指数に1を足し、その結果をすべて掛け合わせます。
72=2の3乗×3の2乗なら、約数の個数は(3+1)×(2+1)です。
計算結果は12となります。
実際に1、2、3、4、6、8、9、12、18、24、36、72と数えると、確かに12個あります。
約数の総和を求める公式
約数の総和とは、正の約数をすべて足し合わせた値です。
72の場合は、1+2+3+4+6+8+9+12+18+24+36+72を計算します。
ただし、公式を使えば一つずつ並べなくても求められます。
N=pのa乗×qのb乗のとき、約数の総和は、(1+p+pの2乗+…+pのa乗)×(1+q+qの2乗+…+qのb乗)です。
72の約数の総和
(1+2+4+8)×(1+3+9)
15×13=195
このように、素因数ごとの和を作ってから掛け合わせます。
約数の個数と総和では使う式が異なるため、問題文で何を求めるのかを最初に確認してください。
素因数分解と指数の選び方
続いては、公式の理由につながる指数の選び方を確認していきます。
約数を作る指数の範囲
N=2の3乗×3の2乗の場合、約数に含める2の指数は0から3までです。
3の指数も、0から2までしか選べません。
元の数にないほど大きい指数を選ぶと、Nを割り切れない数になるためです。
たとえば72の約数として2の4乗を含む16は使えません。
16は72を割り切れず、約数ではないからです。
| 素因数 | 元の指数 | 約数で選べる指数 | 選択肢の数 |
|---|---|---|---|
| 2 | 3 | 0、1、2、3 | 4通り |
| 3 | 2 | 0、1、2 | 3通り |
2について4通り、3について3通りの選び方があるため、合計では4×3=12通りです。
これが、指数に1を足して積を取る公式の中身です。
指数がゼロになる意味
指数0は、公式を理解するうえで見落としやすい部分です。
どの数でも0乗は1になるため、素因数を選ばない状態を表せます。
たとえば2の3乗×3の2乗において、2の指数を0、3の指数を0にすると1になります。
つまり、1も約数として自然に含まれます。
約数の数え上げでは、各素因数を使わない選択も必要です。
その選択が指数0であり、公式の指数+1につながります。
反対に、すべて最大の指数を選べば元の数になります。
72なら2の3乗×3の2乗で72です。
1と元の数を両方含めて考えると、約数の範囲をつかみやすくなるでしょう。
互いに異なる素因数の組み合わせ
複数の素因数がある場合、それぞれの指数は独立して選べます。
この独立性が、足し算ではなく掛け算を使う理由です。
たとえば360=2の3乗×3の2乗×5と素因数分解できます。
2の指数は4通り、3の指数は3通り、5の指数は2通りです。
360の約数の個数
(3+1)×(2+1)×(1+1)
4×3×2=24
2の選び方を決めた後でも、3と5の選び方は変わりません。
そのため4通り、3通り、2通りを順番に掛け合わせます。
素因数の種類が増えても、指数ごとの選択肢を掛けるという考え方は同じです。
約数の個数を求める計算手順
続いては、約数の個数をミスなく出す計算手順を確認していきます。
二桁の数での例題
48の約数の個数を求めてみましょう。
まず48を素因数分解すると、48=2の4乗×3となります。
2の指数は4、3の指数は1です。
したがって約数の個数は、(4+1)×(1+1)=10個となります。
| 約数に含める素因数 | 指数の選択肢 | 選択肢の数 |
|---|---|---|
| 2 | 0、1、2、3、4 | 5通り |
| 3 | 0、1 | 2通り |
48の正の約数は、1、2、3、4、6、8、12、16、24、48です。
実際に10個あるため、公式による答えを確かめられます。
三つの素因数を持つ例題
次に、複数の素因数を持つ420で考えます。
420=2の2乗×3×5×7です。
指数は順に2、1、1、1となります。
よって、約数の個数は(2+1)×(1+1)×(1+1)×(1+1)です。
計算すると3×2×2×2=24個になります。
指数が1の素因数は、使わないか1回使うかの2通りです。
素数を一つ余分に掛けると、約数の個数は基本的に2倍になります。
420のように因数が多い数でも、約数を列挙する必要はありません。
素因数分解を正確に行えば、短い計算で個数を出せます。
平方数における約数の特徴
平方数の約数の個数には、必ず奇数になるという特徴があります。
たとえば36=2の2乗×3の2乗なので、約数の個数は3×3=9個です。
一方、平方数ではない整数の約数の個数は偶数になります。
通常、約数は小さい数と大きい数が対になって現れるからです。
36なら1と36、2と18、3と12、4と9が組になります。
ただし6だけは6×6=36となり、自分自身と対になる特別な約数です。
この中央の約数が一つだけ残るため、平方数では個数が奇数になります。
約数の総和と等比数列の関係
続いては、約数の総和に使う等比数列の考え方を確認していきます。
素数の累乗における和
2の3乗の約数は、1、2、4、8です。
これらの和は1+2+4+8=15となります。
この並びは、前の項に2を掛けると次の項になる等比数列です。
pのa乗の約数は、1、p、pの2乗からpのa乗まで並びます。
したがって、その総和は等比数列の和として扱えます。
1+p+pの2乗+…+pのa乗
=(pのa+1乗-1)÷(p-1)
ただしpは1ではない素数です。
学校の段階や問題の形式によっては、展開した形のまま計算するほうが安全な場合もあります。
指数が小さいときは、1+2+4+8のように直接足しても十分でしょう。
積の形になる理由
72の約数は、2の指数と3の指数の組み合わせで作られます。
そのため、約数を全部足すと、(1+2+4+8)と(1+3+9)の積になります。
実際に展開すると、1、3、9、2、6、18、4、12、36、8、24、72が得られます。
これは72の約数を一度ずつ並べた結果です。
約数の総和は、素因数ごとの等比数列の和を掛け合わせると考えてください。
掛け算の展開が、すべての指数の組み合わせを作る仕組みになっています。
公式を分数形で使う場面
指数が大きい場合、等比数列の和を分数形で計算すると便利です。
たとえば2の10乗の約数の総和は、1+2+4+…+2の10乗です。
この和は、(2の11乗-1)÷(2-1)で求められます。
答えは2047です。
ただし、分数形の公式では指数の足し忘れに注意が必要です。
最後の項がpのa乗なら、分子はpのa+1乗-1になります。
pのa乗-1としてしまうと、一項分少ない計算になるため気を付けましょう。
約数の個数と総和の一覧表
続いては、代表的な整数を使い、約数の個数と総和の違いを一覧で確認していきます。
基本例の比較
公式は形だけ覚えるより、具体的な数値と一緒に確認すると定着しやすくなります。
| 整数 | 素因数分解 | 約数の個数 | 約数の総和 |
|---|---|---|---|
| 12 | 2の2乗×3 | (2+1)×(1+1)=6 | (1+2+4)×(1+3)=28 |
| 18 | 2×3の2乗 | 2×3=6 | (1+2)×(1+3+9)=39 |
| 24 | 2の3乗×3 | 4×2=8 | (1+2+4+8)×4=60 |
| 36 | 2の2乗×3の2乗 | 3×3=9 | 7×13=91 |
| 100 | 2の2乗×5の2乗 | 3×3=9 | 7×31=217 |
同じ約数の個数でも、約数の総和は数の構成によって大きく変わります。
個数だけでは総和を判断できない点が大切です。
素数と素数の累乗の整理
素数pの約数は、1とpの2個だけです。
したがって、約数の個数は2、約数の総和はp+1になります。
一方、pの2乗なら約数は1、p、pの2乗です。
個数は3個で、総和は1+p+pの2乗となります。
| 数の形 | 約数の個数 | 約数の総和 |
|---|---|---|
| p | 2 | 1+p |
| pの2乗 | 3 | 1+p+pの2乗 |
| pの3乗 | 4 | 1+p+pの2乗+pの3乗 |
| pのa乗 | a+1 | 1+p+pの2乗+…+pのa乗 |
この基本形を知っておくと、複数の素因数がある数にも応用しやすくなります。
問題で間違えやすいポイント
最も多いミスは、素因数分解が途中で止まっているケースです。
たとえば72=8×9のままでは、指数を使った公式にそのまま当てはめられません。
8=2の3乗、9=3の2乗まで分解して初めて、指数が分かります。
次に多いのは、約数の個数の公式を総和に使ってしまう間違いです。
(指数+1)の積は個数の公式であり、総和を出す式ではありません。
個数は指数+1の積、総和は等比数列の和の積と区別すると整理しやすいでしょう。
約数の個数と総和のまとめ
約数の個数と総和を求めるときは、最初に対象の数を素因数分解します。
素因数分解が正しければ、その後の計算は規則に沿って進められます。
約数の個数は、各指数に1を足した数を掛け合わせます。
約数の総和は、各素因数について1から最大指数までの累乗を足し、その和を掛け合わせる方法です。
約数の個数
素因数分解した各指数に1を足し、すべて掛け合わせます。
約数の総和
素因数ごとの1+p+pの2乗+…を作り、それぞれを掛け合わせます。
特に、指数0を含めて考えること、平方数では約数の個数が奇数になること、総和では等比数列を使うことが重要なポイントです。
例題を繰り返しながら、素因数分解から公式へつなげる流れを身に付けていきましょう。