約数を英語で説明したいとき、最も基本となる単語はdivisorです。
ただし、学校数学や英語圏の教材ではfactorも頻繁に使われるため、両者の違いを理解しておくと英文問題、研究資料、プログラミングの解説まで読みやすくなります。
日本語では約数という一語で済む内容でも、英語では文脈によってdivisor、factor、multiple、quotientなどを使い分ける必要があります。
この記事では約数の英語表記、読み方、例文、関連用語、数学問題での自然な使い方をわかりやすく整理します。
約数の英語表記と基本用語

それではまず、約数を英語でどのように表すのかについて解説していきます。
divisorの意味と読み方
約数は英語でdivisorと表せます。
読み方はディバイザーに近く、発音記号ではdiváizərと示されます。
divisorには、ある数を割り切ることができる数という意味があります。
たとえば12を3で割ると4になり、余りは出ません。
このとき3は12のdivisorです。
日本語の約数という考え方とほぼ一致するため、数学英語の基本語として覚えておくと便利でしょう。
12 ÷ 3 = 4
3 is a divisor of 12.
3は12の約数です。
divisorは割る側の数に注目した語です。
割り算の式でいう除数にもdivisorが使われるため、約数と除数の両方に関係する単語として理解すると記憶に残りやすくなります。
なお、0で割ることはできないため、0は通常の整数論における約数には含めません。
正の整数だけを扱う場面では、約数も正の数として列挙するのが一般的です。
factorとの違い
約数を表すもう一つの重要語がfactorです。
読み方はファクターで、因数という意味として知られています。
factorは掛け算の構成要素に焦点を当てる言葉です。
たとえば12は3と4の積であるため、3も4も12のfactorといえます。
一方で、3は12を割り切れるのでdivisorでもあります。
| 英語 | 主な日本語訳 | 注目する計算 | 例 |
|---|---|---|---|
| divisor | 約数、除数 | 割り算 | 3 is a divisor of 12. |
| factor | 因数、約数 | 掛け算 | 3 is a factor of 12. |
| multiple | 倍数 | 掛け算の結果 | 12 is a multiple of 3. |
| quotient | 商 | 割り算の答え | 4 is the quotient. |
整数の約数について話す場合、divisorとfactorは多くの場面で同じ数を指します。
しかし、説明の視点は異なります。
割り切れるかどうかを伝えたいならdivisor、積を構成する数として扱いたいならfactorが自然です。
英語の教科書ではfactors of 12という表現も非常によく見かけます。
これは12の約数という意味であり、1、2、3、4、6、12を列挙する問題で使われます。
約数を表す英語表現
divisorを使うときは、A is a divisor of Bという形が基本です。
Aには約数、Bには割られる数を入れます。
複数の約数を述べるならdivisors of a numberのように複数形にします。
factorを使う場合はfactors of a numberが自然な表現です。
a divisor of 24は24の一つの約数を意味します。
the divisors of 24は24の約数全体を意味します。
単数形と複数形で対象が変わるため、英文問題ではsの有無も確認しましょう。
約数の個数はthe number of divisorsと表現できます。
たとえば24 has eight positive divisorsは、24には正の約数が8個あるという意味です。
正の約数を明確にしたいときはpositive divisors、負の約数も含めたいときはpositive and negative divisorsと書けます。
日本の学校数学では特に断りがなければ正の約数を扱うことが多いため、英語でもpositiveを添えると誤解を防げます。
divisorを使った数学英語の例文
続いては、divisorを使った数学英語の例文を確認していきます。
基本的な例文
最初に覚えたいのは、ある数が別の数の約数であることを伝える文です。
5 is a divisor of 30.は、5は30の約数ですという意味になります。
30 divided by 5 equals 6.という補足を加えると、割り切れる根拠まで示せます。
Does 7 divide 42 evenly.は、7は42を余りなく割り切りますかという問いかけです。
この文ではdivisorを直接使わず、divideという動詞を使っています。
数学英語では名詞表現と動詞表現の両方を理解しておくと、問題文の読み取りが安定します。
Is 8 a divisor of 56.
Yes, because 56 ÷ 8 = 7.
8は56の約数ですか。
はい、56を8で割ると7になるためです。
Is A a divisor of B.という疑問文は、約数判定を求める問題でよく使われます。
答えるときはYes, A divides B.またはNo, A does not divide B.と表せます。
余りがある場合はA does not divide B evenlyと述べると、数学的な意味が明確になります。
約数を列挙する例文
約数をすべて書き出すときは、List the divisors of 18.という指示が使われます。
この場合の答えはThe positive divisors of 18 are 1, 2, 3, 6, 9, and 18.となります。
英語では最後の要素の前にandを置く書き方が一般的です。
数字の並びだけではなく、positive divisorsという表現を含めると、何を列挙したのかが伝わりやすくなります。
| 日本語の問題 | 英語での表現 | 答え方の例 |
|---|---|---|
| 18の約数をすべて求める | Find all the divisors of 18. | The divisors are 1, 2, 3, 6, 9, and 18. |
| 20の約数の個数を求める | Find the number of divisors of 20. | 20 has six positive divisors. |
| 9が45の約数か調べる | Determine whether 9 is a divisor of 45. | 9 is a divisor of 45. |
| 最大の約数を求める | Find the greatest divisor. | The greatest divisor is the number itself. |
すべての約数を求めるという課題ではallを入れることが大切です。
Find divisors of 18だけでも意味は通じますが、全列挙なのか一部を挙げるのかが曖昧になることがあります。
なお、正の約数のうち最大のものは、その数自身です。
1未満の約数や0を混同しないことも、英語問題を解く際の基本となります。
文章題で使う例文
文章題ではdivisorが抽象的な数を説明するために使われます。
Let d be a positive divisor of n.は、dをnの正の約数とするという意味です。
これは証明問題や数論の解説でよく見られる書き出しです。
If d is a divisor of n, then n can be written as dk for some integer k.という文は、dがnの約数なら、nはある整数kを使ってdkと表せることを意味します。
If d is a divisor of n, then n = dk for some integer k.
dがnの約数なら、ある整数kが存在してn = dkと表せます。
for some integer kは、ある整数kについてという数学英語の定型表現です。
約数の定義を英語で説明するときにも役立ちます。
また、common divisorは公約数、greatest common divisorは最大公約数を表します。
学校の教材によってはgreatest common factorという表現も用いられます。
両方を見かけても慌てず、共通して割り切れる数の中で最も大きい数を指すと理解すればよいでしょう。
factorとmultipleの関係
続いては、factorとmultipleの関係を確認していきます。
因数と約数の重なり
factorは因数と訳されることが多い一方、初等数学では約数の意味でも広く使われます。
たとえば36 = 4 × 9という式では、4と9は36のfactorsです。
4は36を割り切れるので、4 is a divisor of 36とも言えます。
このように、正の整数の範囲ではfactorとdivisorが指す数の集合は実質的に同じになることが少なくありません。
ただし、授業や資料のテーマによって好まれる語が異なります。
掛け算、素因数分解、因数分解を扱う場面ではfactorが自然です。
整除、余り、割り算、約数判定を扱う場面ではdivisorがより適しています。
36 = 4 × 9という式では4と9はfactorsです。
36 ÷ 4 = 9という式では4はa divisor of 36です。
同じ数を扱っていても、どの計算に注目するかで英語表現が変わります。
倍数を表すmultiple
約数と反対向きの関係を表す語がmultipleです。
読み方はマルティプルに近く、倍数という意味があります。
3が12の約数であるなら、12は3の倍数です。
英語では12 is a multiple of 3.と表現します。
この関係を一組で覚えると、問題文を日本語に訳さなくても意味をつかみやすくなるでしょう。
| 数の関係 | 英語表現 | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| 3と12 | 3 is a divisor of 12. | 3は12の約数です。 |
| 12と3 | 12 is a multiple of 3. | 12は3の倍数です。 |
| 4と28 | 4 divides 28. | 4は28を割り切ります。 |
| 28と4 | 28 is divisible by 4. | 28は4で割り切れます。 |
divisibleは割り切れるという意味の形容詞です。
28 is divisible by 4は、28は4で割り切れるという意味になります。
Is 31 divisible by 2.のように使えば、31が2で割り切れるかを尋ねられます。
約数、倍数、整除の問題ではdivisor、multiple、divisibleの三つをセットで押さえると効果的です。
素因数と素数の英語
素因数はprime factor、素因数分解はprime factorizationと表します。
たとえば60の素因数分解は60 = 2 × 2 × 3 × 5です。
英語ではThe prime factorization of 60 is 2 squared times 3 times 5.のように説明できます。
指数を使う場合は2 squaredが2の2乗を意味します。
素数はprime number、合成数はcomposite numberです。
1はprime numberではない点も、英語問題で確認したい重要事項です。
prime factorは素因数です。
prime factorizationは素因数分解です。
約数の個数を求める問題では、素因数分解が有力な手がかりになります。
72を2の3乗と3の2乗に分解できるなら、正の約数の個数は指数に1を加えて掛け合わせます。
つまり3に1を足した数と2に1を足した数を掛け、12個と求められます。
この考え方は日本語の数学でも英語の数学でも共通しています。
約数に関連する数学英語
続いては、約数に関連する数学英語を確認していきます。
公約数と最大公約数
二つ以上の数に共通する約数はcommon divisorです。
12と18に共通する約数は1、2、3、6です。
この中で最も大きい6はgreatest common divisorと呼ばれます。
略してGCDと書かれることもあります。
教材によってはgreatest common factorを使い、略語をGCFとする場合もあります。
日本語ではいずれも最大公約数に相当します。
The greatest common divisor of 12 and 18 is 6.
12と18の最大公約数は6です。
最大公約数は分数の約分、比の簡略化、整数問題などで重要です。
Find the GCD of 24 and 36.という指示を見たら、24と36の最大公約数を求める問題だと判断できます。
共通する約数を列挙して探す方法のほか、素因数分解やユークリッドの互除法を使う方法もあります。
最小公倍数と関連表現
最小公倍数はleast common multipleと表します。
略語はLCMです。
divisorは約数、multipleは倍数なので、GCDとLCMは対になる重要な組み合わせです。
最小公倍数は、二つ以上の数の共通する倍数のうち最も小さい正の数を意味します。
たとえば6と8の公倍数には24、48、72などがあります。
最も小さい24がleast common multipleです。
| 日本語 | 英語 | 略語 | 例 |
|---|---|---|---|
| 公約数 | common divisor | なし | 6 is a common divisor of 12 and 18. |
| 最大公約数 | greatest common divisor | GCD | The GCD is 6. |
| 公倍数 | common multiple | なし | 24 is a common multiple of 6 and 8. |
| 最小公倍数 | least common multiple | LCM | The LCM is 24. |
greatestとleastは、それぞれ最大と最小を表します。
largestやsmallestも日常英語では使えますが、数学用語としてはgreatest common divisor、least common multipleを覚えると安心です。
問題文にcommonがあれば共通する数、primeがあれば素数に関する条件を探す習慣をつけるとよいでしょう。
整数論で見かける表現
約数は整数論で繰り返し登場する概念です。
integerは整数、natural numberは自然数、positive integerは正の整数を意味します。
even numberは偶数、odd numberは奇数です。
divisibilityは整除性を指し、divisibility ruleは整除の判定法として使われます。
たとえば2のdivisibility ruleは、下一桁が偶数ならその数は2で割り切れるという規則です。
3のdivisibility ruleは、各位の数字の和が3の倍数なら元の数も3で割り切れるという規則になります。
dividesは割り切るという動詞表現です。
is divisible byは割り切れるという形容詞表現です。
divisibilityは割り切れる性質そのものを表す名詞です。
数学記号ではa divides bをa|bと書くことがあります。
これはaがbを割り切るという意味であり、通常の割り算記号ではありません。
a does not divide bはa∤bのように表されます。
記号だけで意味を判断せず、文中のdividesやdivisibilityと結び付けて読むことが理解への近道です。
約数を英語で説明するポイント
続いては、約数を英語で説明するポイントを確認していきます。
定義を簡潔に伝える方法
約数の定義を英語で説明するなら、A divisor of a number is an integer that divides the number without a remainder.という文が使えます。
without a remainderは余りなしでという意味です。
remainderは余りを表す重要語で、割り切れるかどうかの説明に欠かせません。
よりやさしく言うなら、A divisor divides a number evenly.とも表現できます。
evenlyには均等に、余りなくという意味があります。
専門的な説明ではintegerという条件を明示すると正確です。
初学者向けの説明では、具体例を添えるほうが伝わりやすいでしょう。
A divisor is a number that divides another number evenly.
For example, 4 is a divisor of 20 because 20 divided by 4 is 5.
約数とは、別の数を余りなく割り切る数です。
日本語から英語に直す注意点
日本語の約数を機械的にfactorだけへ置き換えると、誤りではなくても意図が伝わりにくい場合があります。
割り算の話ならdivisor、積や素因数分解の話ならfactorを選ぶ意識が大切です。
また、約数であるを表す際にis divisibleと書かないよう注意しましょう。
is divisible byの主語は割られる側の数です。
たとえば12 is divisible by 3は正しい文です。
一方で3 is divisible by 12は、3が12で割り切れるという別の意味になり、通常は成り立ちません。
| 伝えたい日本語 | 自然な英語 | 注意点 |
|---|---|---|
| 3は12の約数です | 3 is a divisor of 12. | 約数側を主語にします。 |
| 12は3で割り切れます | 12 is divisible by 3. | 割られる数が主語です。 |
| 12は3の倍数です | 12 is a multiple of 3. | 約数との向きが反対です。 |
| 3は12を割り切ります | 3 divides 12. | divideは動詞です。 |
英語では語順が数学的な関係を決めます。
数の位置を入れ替えるだけで意味が逆になるため、式を書いて確認する習慣が役立ちます。
特に英作文では、12 ÷ 3 = 4という式を頭に置きながら文を組み立てると間違いを減らせます。
学習や実務で役立つ覚え方
divisorはdivideから派生した名詞だと考えると覚えやすくなります。
divideは分ける、割るという動詞です。
divisorは割る数、divisibleは割り切れる、divisionは割り算というように語族で整理できます。
factorはfactorizationと結び付けると、因数分解や素因数分解の場面で思い出しやすいでしょう。
英語の数学問題では、単語を日本語へ一つずつ訳すだけでなく、数式との対応を確認することが重要です。
たとえばfind all factorsという指示を見たら、掛けて目的の数になる組を探し、その結果として約数を列挙します。
determine whether a divides bなら、bをaで割った余りを確認します。
divisorは割り算の視点、factorは掛け算の視点と覚えると、使い分けがすっきり整理できます。
約数の英語表記のまとめ
約数は英語でdivisorと表し、読み方はディバイザーに近い発音です。
3 is a divisor of 12のように使えば、3は12の約数であることを自然に伝えられます。
factorも約数に近い意味で使われますが、こちらは因数や掛け算の構成要素に注目した表現です。
divisor、factor、multiple、divisible byを関連付けて覚えると、数学英語の問題文を理解しやすくなります。
公約数はcommon divisor、最大公約数はgreatest common divisor、最小公倍数はleast common multipleです。
英語で約数を説明するときは、余りなく割り切れるという意味のwithout a remainderやevenlyも活用しましょう。
数式と英語表現をセットで確認することが、約数に関する数学英語を身につける確かな方法です。