「特筆して」は、数ある情報の中から特に注目すべき事柄を取り上げたいときに使う表現です。
ビジネスメールや報告書で見かける一方、言い回しによっては少し硬く感じられることもあります。
本記事では意味、正しい使い方、例文、言い換え、注意点までをわかりやすく整理します。
特筆しての意味と使い方

それではまず、特筆しての意味と使い方について解説していきます。
特筆してが示す基本的な意味
特筆してとは、特に取り上げて書くほど重要であるという意味を持つ言葉です。
「特筆」は、特別に筆を取って書き記すというイメージから生まれた語であり、多くの出来事や特徴の中でも目立つ内容を示します。
単に「良い」「すごい」と評価するだけではなく、客観的に見ても記録、報告、紹介する価値がある点を強調する際に向いています。
たとえば、会議の議事録で成果を示す場合、商品説明で独自性を伝える場合、人事評価で功績に触れる場合などに使われます。
「特筆して優れている」「特筆すべき成果」「特筆して言うべき点」といった形で使われるのが一般的です。
特筆しては、重要性や希少性が高い事柄を選び出して伝える表現です。
使う内容が本当に目立つものかを考えると、文章の説得力が高まります。
特筆してと特筆すべきの違い
「特筆して」は副詞的に用いられ、後ろに動詞や形容表現を続けます。
一方で「特筆すべき」は、特に書き記す価値があるという意味で、名詞を修飾したり述語になったりする言い方です。
たとえば「特筆して申し上げたい点があります」は、話し手が強調したい内容を示します。
「特筆すべき実績があります」は、実績そのものの価値を説明する文です。
似ている表現ではあるものの、文の中で担う役割が異なるため、使い分けを意識すると自然でしょう。
| 表現 | 主な役割 | 使用例 |
|---|---|---|
| 特筆して | 動作や説明を強める | 特筆してお伝えしたい点 |
| 特筆すべき | 名詞の価値を示す | 特筆すべき成果 |
| 特筆に値する | 評価する価値を示す | 特筆に値する改善 |
特筆して言うべきはの自然な使い方
「特筆して言うべきは」は、特に伝えるべき要点を提示する前置きとして使われます。
ただし、日常会話では少し改まった響きがあるため、口頭では「特にお伝えしたいのは」などへ置き換えると柔らかくなります。
文章では「特筆して言うべきは、納期短縮と不良率の低下です」のように、後ろに結論となる内容を置くとまとまりやすいでしょう。
「特筆して言うべきことは」とすると、やや説明的で丁寧な印象になります。
伝えたい内容が一つである場合は、冗長にせず短く示すことが大切です。
例文
今回の改善において特筆して言うべきは、問い合わせ対応時間を大幅に短縮できた点です。
特筆してを使うビジネス場面
続いては、特筆してを使うビジネス場面を確認していきます。
報告書で成果を伝える場面
報告書では、すべての情報を同じ重さで並べると、読み手が重要なポイントをつかみにくくなります。
そこで、成果や変化が大きかった項目に対して「特筆すべき」と添えると、確認すべき箇所が明確になります。
「特筆すべき点として、前年同月比で解約率が低下しました」のように書けば、数値の意味を理解しやすくなるでしょう。
ただし、毎月の小さな変動まで特筆すべき事項として扱うと、表現の価値が薄れてしまいます。
影響範囲、再現性、顧客への効果などを基準にして、使う場面を選ぶことが重要です。
社内メールで要点を伝える場面
社内メールでは、相手が短時間で内容を把握できる文章が求められます。
そのため「特筆してお伝えしたい点は二点です」と書くと、以降に重要事項が続くことを自然に知らせられます。
一方で、急ぎの連絡や日常的な依頼では、特筆してという言葉が少し大げさに映る場合もあります。
そのようなときは「特にご確認いただきたい点」や「重要な変更点」を使うほうが伝わりやすいでしょう。
相手との関係性やメールの目的に応じて、語調を整える配慮が必要です。
社内メールの例
特筆してご確認いただきたい点は、来月から申請手順が変更となることです。
営業資料で強みを示す場面
営業資料では、商品やサービスの魅力を端的に伝える必要があります。
「特筆すべき特徴」として機能を並べる場合は、競合との違いが明確な要素を選ぶと効果的です。
たとえば、導入実績、対応速度、独自技術、サポート体制などは、比較検討の材料になりやすい項目です。
根拠のない賞賛として使わないことも大切です。
具体的な数値や利用者の声と組み合わせれば、特筆という評価に納得感が生まれます。
特筆しての例文と表現の違い
続いては、特筆しての例文と表現の違いを確認していきます。
前向きな評価を伝える例文
特筆しては、優れた成果や特徴を表す文でよく使われます。
「新担当者の提案力は特筆すべき水準です」と書けば、高い評価を端的に示せます。
「本商品の特筆すべき点は、短時間で設定が完了する操作性です」という表現は、紹介文にもなじみます。
「今回の取り組みでは、地域との連携が特筆して成果につながりました」とすれば、成果を生んだ要因に焦点を当てられるでしょう。
評価対象と評価理由を近くに置くことで、読み手に意図が伝わりやすくなります。
注意点や例外を示す例文
特筆しては、良い内容に限らず、特に注意を要する事項を示す際にも使えます。
「特筆して注意すべき点は、契約更新日の扱いです」のように書けば、重要な確認事項を目立たせられます。
「特筆すべき課題として、引き継ぎ資料の不足が挙げられます」という使い方も自然です。
ただし、相手の失敗や欠点を直接指摘する文では、強い印象を与えることがあります。
「改善が必要な点」「確認が必要な事項」などを併用し、配慮のある表現に整えるとよいでしょう。
特筆しては、良い評価だけでなく、見過ごせない注意事項にも使えます。
相手を責める目的ではなく、対応の優先度を示すために使うと穏やかです。
会話で使いやすい例文
会話の中で「特筆して」を使うと、少しフォーマルな印象になります。
プレゼンテーションや面談では、「特筆してお伝えしたいのは」と切り出すことで、聞き手の注意を集められます。
一方、親しい同僚との会話では「特にすごかったのは」「一番伝えたいのは」と言い換えるほうが自然な場合もあります。
場面に合わせて硬さを調整することが、言葉を使いこなすポイントです。
言葉そのものの正しさだけでなく、聞き手が受け取る印象にも目を向けましょう。
| 場面 | 自然な例文 | 印象 |
|---|---|---|
| 報告書 | 特筆すべき成果として売上増加が挙げられます | 客観的で正式 |
| メール | 特にご確認いただきたい点がございます | 丁寧で実用的 |
| 商談 | 特筆してご紹介したい機能です | 強調が明確 |
| 日常会話 | 特に印象に残ったのはこの点です | 柔らかく親しみやすい |
特筆しての言い換え表現
続いては、特筆しての言い換え表現を確認していきます。
特にを使った柔らかい言い換え
「特に」は、特筆してよりも幅広い場面で使える言葉です。
硬さを抑えたいときには、「特にお伝えしたい点」「特に重要な点」「特に印象的だった点」と言い換えられます。
社内メール、接客、日常会話などでも違和感が少なく、相手を選びにくい表現です。
ただし、特筆してが持つ際立った価値や特別感は弱まるため、強い評価を示したい文では物足りなく感じることもあります。
文章の目的に応じて、わかりやすさと評価の強さを使い分けるとよいでしょう。
注目すべきを使った言い換え
「注目すべき」は、読み手や聞き手に見てほしい点を示す表現です。
「特筆すべき特徴」を「注目すべき特徴」と言い換えると、評価よりも関心を向ける意味合いが強くなります。
市場動向、統計、企画書、ニュースリリースなどでは、注目すべきのほうがなじむこともあります。
「注目すべき変化は顧客層の拡大です」とすれば、変化の重要性を落ち着いた調子で伝えられます。
事実を中心に説明したい場合に、使いやすい表現です。
特に申し上げたいを使った言い換え
「特に申し上げたい」は、相手に対する敬意を保ちながら強調したい場合に便利です。
「特筆して申し上げたい点」を「特に申し上げたい点」とすると、ビジネスメールやあいさつ文に自然になじみます。
「ぜひお伝えしたい」「重要な点としてお伝えしたい」も、温かみのある言い換えです。
相手に何をしてほしいのかを明確にすると、さらに実務的な文章になります。
確認を求めるなら「ご確認いただきたい点」、検討を促すなら「ご検討いただきたい点」とすると、意図が伝わりやすくなるでしょう。
言い換えの例
特筆してご案内したい内容があります。
特にご案内したい内容があります。
ぜひお伝えしたい内容があります。
特筆してを使う際の注意点
続いては、特筆してを使う際の注意点を確認していきます。
強調しすぎを避ける意識
特筆してという表現は、重要度の高い内容に使うからこそ効果を発揮します。
文章内で何度も使うと、どの情報が本当に重要なのか分かりにくくなります。
一つのメールや報告書では、特筆すべき内容を一つから二つ程度に絞ると読みやすくなるでしょう。
強調したい箇所には見出し、箇条書き、数値なども活用できます。
言葉だけに頼らず、文章の構造そのものを整えることが大切です。
主観的な評価に見せない工夫
「特筆すべき」という言葉は、書き手の評価を含む表現です。
そのため、根拠が示されていないと、単なる宣伝や個人的な感想に見える可能性があります。
「導入後三か月で作業時間を二割削減したため、特筆すべき改善といえます」のように、理由を添えると説得力が増します。
数字、比較対象、利用者の反応などを組み合わせると、読み手は評価の根拠を理解しやすくなります。
客観性を意識することが、ビジネス文書では欠かせません。
特筆すべきという評価には、できるだけ具体的な根拠を添えましょう。
数値や事実を示すことで、強調表現が信頼につながります。
敬語との組み合わせ方
特筆して自体は敬語ではありませんが、後ろに続く言葉を整えることで丁寧な文章になります。
「特筆して申し上げたい点です」「特筆すべき点としてご案内いたします」のような形が代表例です。
目上の相手に対しては、「特筆して言わせていただきます」を多用しないほうが無難でしょう。
必要以上にへりくだるよりも、要点を明確にして丁寧に伝えることが重要です。
簡潔な敬語を選ぶと、文章全体に落ち着いた印象が生まれます。
特筆しての使い方のまとめ
特筆しては、数多くの情報の中でも特に書き記す価値がある事柄を示す表現です。
報告書、営業資料、社内メールなどで重要な成果や注意点を伝える際に役立ちます。
「特筆すべき」「特に」「注目すべき」「ぜひお伝えしたい」といった言葉を、場面や相手に応じて選ぶとよいでしょう。
本当に強調すべき内容だけに使うことが、特筆してを自然に見せるコツです。
評価の根拠を添え、硬さを調整しながら使えば、ビジネス文章の要点をより明確に伝えられます。