約数は、小学校の算数から中学校の数学まで何度も登場する大切な考え方です。
言葉だけ聞くと難しそうでも、数を割ったときに余りが出ない組み合わせを探すだけなので、コツをつかめば楽しく見つけられるでしょう。
この記事では、約数の意味、1から順番に調べる方法、ペアで探す方法、割り算を使った確かめ方、素因数分解を使う裏ワザまで、例を交えながらわかりやすく説明します。
約数は数字のルールを見つける宝探しのように考えると、問題への苦手意識もやわらぎます。
約数の求め方の基本

それではまず、約数を簡単に見つけるための結論となる基本ルールについて解説していきます。
約数は割り切れる数
ある数を割ったとき、余りが0になる数を約数といいます。
たとえば12を3で割ると4になり、余りは出ません。
そのため、3は12の約数です。
一方で、12を5で割ると2余るため、5は12の約数ではありません。
割り算の答えが整数になり、余りが0なら約数と覚えるとわかりやすいでしょう。
12の約数を全部書くと、1、2、3、4、6、12です。
どの数にも必ず1とその数自身が含まれます。
たとえば7の約数は1と7だけであり、このような数は素数と呼ばれます。
12÷3=4
余りが0なので、3は12の約数です。
12÷5=2余り2
余りがあるので、5は12の約数ではありません。
最初と最後に必ずある約数
約数を探すときは、最初に1を書き、その数自身も書くところから始めます。
18の約数を探すなら、まず1と18が見つかります。
これは18÷1=18、18÷18=1となり、どちらも余りなく割り切れるからです。
このルールを使えば、約数が何も見つからずに困ることはありません。
1と元の数は必ず約数になるため、答案を書くときにも忘れないようにしましょう。
ただし、1自身の約数は1だけです。
また、0については小学校の約数の問題では通常扱わないため、まずは正の整数を対象にして考えると安心です。
約数と倍数の違い
約数と倍数は似た言葉ですが、見る向きが反対です。
たとえば3は12の約数です。
反対に、12は3の倍数といえます。
3に4をかけると12になるので、12は3の倍数になるわけです。
約数の問題では、ある数を分けられる数を探します。
倍数の問題では、ある数を何倍かした結果を探します。
| 言葉 | 例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 約数 | 3は12の約数 | 12を3で割ると余りが0 |
| 倍数 | 12は3の倍数 | 3に4をかけると12 |
| 公約数 | 2は12と18の公約数 | 両方を余りなく割れる |
| 公倍数 | 12は3と4の公倍数 | 両方の倍数になっている |
言葉の意味を比べておくと、最大公約数や最小公倍数を学ぶときにも役立ちます。
1から順番に調べる方法
続いては、もっとも基本的で間違いにくい1から順番に調べる方法を確認していきます。
小さい数から割って確かめる手順
約数を初めて求めるなら、1から順番に割り算をしていく方法がおすすめです。
たとえば20の約数を探すときは、20÷1、20÷2、20÷3という順番で確かめます。
余りが出なかった数だけをメモしていけば、約数の一覧が完成します。
20÷1=20なので1は約数です。
20÷2=10なので2も約数です。
20÷3は余りが出るため、3は約数ではありません。
このように一つずつ進める方法は少し時間がかかりますが、考え方を身につけるにはぴったりです。
計算に自信がないときほど、順番に確かめる方法が安心でしょう。
20の約数を1から調べる例です。
1は割り切れる、2は割り切れる、3は割り切れない、4は割り切れる、5は割り切れるというように確認します。
答えは1、2、4、5、10、20です。
割り算の余りに注目するコツ
約数かどうかを判断するときに大切なのは、商の大きさではなく余りです。
たとえば24÷6=4なので、6は24の約数です。
24÷7=3余り3なので、7は24の約数ではありません。
計算途中で小数が出る場合も、割り切れていないと判断できます。
15÷4=3.75となるため、4は15の約数ではありません。
筆算をするときは、最後に余りが残っていないかを見直しましょう。
電卓を使える場面なら、答えが整数かどうかを見る方法もあります。
ただし、学校の問題では計算の仕組みを示すことが大切な場合もあるため、途中の考え方を書けるようにしておくと安心です。
一覧にして見落としを防ぐ工夫
約数を探す途中で、見つけた数を頭の中だけで覚えるのは大変です。
ノートに表を作ると、同じ数を書いたり、約数を書き忘れたりするミスを減らせます。
| 調べる数 | 24を割った結果 | 約数かどうか |
|---|---|---|
| 1 | 24 | 約数 |
| 2 | 12 | 約数 |
| 3 | 8 | 約数 |
| 4 | 6 | 約数 |
| 5 | 余りが出る | 約数ではない |
| 6 | 4 | 約数 |
24では4まで調べたところで、6や8、12、24といった相手もすでに予想できます。
この考え方が、次に紹介するペアで探す方法につながります。
ペアで探す方法
続いては、約数を効率よく見つけられるペアで探す方法を確認していきます。
かけ算の組み合わせを使う考え方
約数は、かけ算の組み合わせとして考えると見つけやすくなります。
たとえば18では、1×18、2×9、3×6という組み合わせがあります。
この式に出てくる1、2、3、6、9、18はすべて18の約数です。
18を2で割ると9になり、18を9で割ると2になります。
このように、約数には相手となる約数がいます。
一つの約数を見つけると、かけ算の相手も同時に見つかるのがペア探しの強みです。
小さい数から大きい数まで全部割らなくてもよくなるため、計算がぐっと楽になります。
18の約数ペアは、1と18、2と9、3と6です。
かけて18になる二つの数を一組ずつ書けば、約数を漏れなく集められます。
平方根の手前まで調べる理由
ペアで探す方法では、真ん中付近まで調べれば十分です。
たとえば36では、1×36、2×18、3×12、4×9、6×6という組み合わせがあります。
6×6になったところが真ん中です。
それより大きい数の相手は、すでに小さい数側で見つかっています。
36を7以上で調べなくても、約数の候補がすべて出そろう理由はここにあります。
中学生になると平方根を学びますが、小学生のうちは二つの同じ数をかけて元の数に近づく場所まで調べると考えてもよいでしょう。
25なら5×5、49なら7×7が真ん中になります。
平方数で重ならない書き方
25や36のように、同じ数を二回かけてできる数を平方数といいます。
平方数では、真ん中の約数が一人だけになる点に注意が必要です。
25は1×25、5×5です。
約数は1、5、25であり、5を二回書きません。
36は1、2、3、4、6、9、12、18、36が約数です。
6×6の6も一度だけ書けば大丈夫です。
| 数 | 約数のペア | 約数の個数 |
|---|---|---|
| 16 | 1と16、2と8、4と4 | 5個 |
| 24 | 1と24、2と12、3と8、4と6 | 8個 |
| 25 | 1と25、5と5 | 3個 |
| 30 | 1と30、2と15、3と10、5と6 | 8個 |
ペアの真ん中で数字が重なるかどうかを確認すると、答えの個数も正しく数えられます。
割り算と九九を使う見つけ方
続いては、割り算と九九を使って約数をすばやく見つける工夫を確認していきます。
九九から見つけられる約数
九九は約数探しの強い味方です。
たとえば24を見たとき、3×8=24、4×6=24を思い出せれば、3、4、6、8が約数だとすぐにわかります。
九九の中にあるかけ算は、小さい数の約数ペアを探す練習にもなります。
42なら6×7=42が使えます。
45なら5×9=45が使えます。
九九を覚える目的は計算を速くすることだけではありません。
数どうしのつながりを見つける力も育ててくれます。
かけ算が浮かぶ数ほど、約数は見つけやすいと感じるはずです。
偶数と5の倍数の判定
数字の最後を見るだけで、いくつかの約数を予想できます。
一の位が0、2、4、6、8なら、その数は2で割り切れる偶数です。
したがって、偶数には必ず2が約数として含まれます。
一の位が0か5なら、5で割り切れます。
たとえば65なら5が約数です。
一の位が0なら、10で割り切れる場合もあります。
90は2、5、10で割り切れます。
84は一の位が4なので2で割り切れます。
75は一の位が5なので5で割り切れます。
120は一の位が0なので2、5、10で割り切れます。
このような見分け方を知っていると、最初に調べる数をしぼれます。
3と9で割り切れるか調べる方法
3と9については、各位の数字を足して考える方法があります。
たとえば123なら、1+2+3=6です。
6は3で割り切れるため、123も3で割り切れます。
9で割り切れるかを調べるときも同じで、各位の和が9の倍数なら元の数も9で割り切れます。
たとえば243では、2+4+3=9です。
そのため243は9で割り切れます。
大きな数でも、数字を足すだけで3や9の約数を調べられるのは便利な裏ワザです。
ただし、3で割り切れるからといって9でも割り切れるとは限りません。
123は3で割り切れますが、各位の和が6なので9では割り切れません。
素因数分解を使う方法
続いては、中学生にも役立つ素因数分解を使った約数の求め方を確認していきます。
素因数分解の意味
素因数分解とは、数を素数のかけ算だけで表すことです。
素数とは、1とその数自身以外では割り切れない2以上の整数をいいます。
2、3、5、7、11などが素数です。
たとえば12は、2×2×3と表せます。
これが12の素因数分解です。
約数は、この2や3をどのように組み合わせるかで作れます。
小学生には少し発展的な内容ですが、約数の仕組みを深く理解するのに役立ちます。
素因数から約数を作る手順
72を例に考えてみましょう。
72は2×2×2×3×3、つまり2の3乗と3の2乗に分けられます。
約数を作るときは、2を何個使うか、3を何個使うかを選びます。
2は使わない、1個使う、2個使う、3個使うという4通りです。
3は使わない、1個使う、2個使うという3通りがあります。
全部の組み合わせをかけると、72の約数の個数は4×3で12個です。
72=2の3乗×3の2乗です。
2の指数に1を足した4と、3の指数に1を足した3をかけます。
72の約数は12個とわかります。
この方法は大きめの数の約数の個数を知りたいときに特に便利です。
約数の個数を求める公式
素因数分解した数が、2のa乗×3のb乗のように表せるとします。
約数の個数は、aに1を足した数とbに1を足した数をかけて求められます。
たとえば36は2の2乗×3の2乗です。
約数の個数は3×3で9個になります。
実際に書くと、1、2、3、4、6、9、12、18、36の9個です。
指数に1を足してかけるというルールは、中学校のテストでもよく使われます。
ただし、公式だけを暗記するよりも、使う素因数の個数を選ぶ方法だと理解しておくことが大切です。
意味がわかっていれば、少し形が変わった問題にも対応しやすくなります。
約数の問題で役立つ注意点
続いては、約数の問題で間違えやすい部分と、答えを正確にする工夫を確認していきます。
約数を小さい順に書く習慣
約数の答えは、基本的に小さい順に並べて書きます。
たとえば28の約数なら、1、2、4、7、14、28です。
ペアで探すと1と28、2と14、4と7の順に見つかります。
見つけた順番のまま書くと、1、28、2、14、4、7となって読みにくくなります。
最後に小さい順へ並べ直すと、答えの見直しもしやすくなるでしょう。
約数は小さい順に書くことを普段から意識してください。
学校の問題では、順番まで採点の対象になることもあります。
同じ約数を二度書かない確認
平方数では、真ん中の約数を重ねて書かないことが重要です。
たとえば49は1×49、7×7です。
約数は1、7、49の3個です。
7を二回数えると4個としてしまい、間違いになります。
ペアの両方が同じ数字になったら、その数字は一度だけ書くと決めておきましょう。
49の約数は1、7、49です。
7×7の7はペアに見えても、約数としては一つです。
約数の個数を問われたときほど、この確認が大切になります。
公約数と最大公約数へのつながり
二つ以上の数に共通する約数を公約数といいます。
12と18の約数を比べると、共通するのは1、2、3、6です。
この中で最も大きい6を最大公約数といいます。
約数を正しく書き出せれば、公約数の問題も解きやすくなります。
分数の約分では、分子と分母の最大公約数を使います。
たとえば12分の18は、12と18を6で割って2分の3にできます。
約数の求め方は、約分や図形の問題にもつながる土台です。
単なる計算の練習ではなく、これから学ぶ算数と数学を支える力だと考えてみましょう。
約数の求め方のまとめ
約数を求める基本は、ある数を余りなく割り切れる数を探すことです。
初めは1から順番に割り算をして、余りが0になるか確かめる方法がおすすめです。
慣れてきたら、かけ算の組み合わせを使ってペアで探すと、少ない計算で約数を見つけられます。
偶数なら2、末尾が0か5なら5、各位の和が3の倍数なら3で割れるなどのルールも活用しましょう。
大きな数や約数の個数を調べる場面では、素因数分解が便利です。
1と元の数を忘れず、小さい順に並べることが、正しい答えへの近道になります。
いろいろな数で約数のペアを作る練習を重ねれば、数字の見え方が少しずつ変わってくるでしょう。