Excelで一次関数のグラフを作るには、xの値とyの値を表に入力し、散布図を使ってデータの関係を表示する方法が基本です。
2つの一次関数を同じグラフへ重ねることもでき、実測値から近似直線を求める操作にも応用できます。
直線が思った形にならない場合は、グラフの種類、データ範囲、数式の参照方法を見直すことが大切です。
一次関数のグラフ作成では、散布図の直線を選ぶことが重要です。
カテゴリとして扱われる折れ線グラフではなく、x軸を数値として扱える散布図を使いましょう。
この記事では、y=ax+bの入力方法、2本の直線を比較する方法、近似直線の追加方法まで順番に解説していきます。
エクセルで一次関数のグラフを作る方法
| x | y |
|---|---|
| -2 | -3 |
| -1 | -1 |
| 0 | 1 |
| 1 | 3 |
| 2 | 5 |
それではまず、一次関数の表から散布図を作成する基本操作について解説していきます。
ここでは、y=2x+1を例にします。
一次関数は、xが1増えるとyが一定量だけ増減する関係です。
y=2x+1では、傾きが2、切片が1になります。
入力用の表とxの値
xの値は、A列へ縦方向に入力します。
サンプルデータでは1行目を見出し行とし、A1にx、B1にyと入力してください。
A2からA6には、-2、-1、0、1、2のように、確認しやすい数値を入力します。
値の間隔は必ずしも1でなくて構いませんが、等間隔にすると直線の変化を確認しやすくなります。
小数を使う場合も、数値として入力すれば散布図に正しく反映されます。
たとえばxを0、0.5、1、1.5、2と設定すれば、より細かな位置に点を表示できます。
負の値を含めると、y軸をまたぐ位置や切片の意味も確認しやすくなります。
ただし、文字列として入力された数値は計算やグラフに利用できないことがあるため注意しましょう。
【操作のポイント】xの値は1列にまとめ、見出し行を含めて入力するとグラフ範囲を選択しやすくなります。
一次関数の数式入力
B2には、A2のxを使ってyを計算する数式を入力します。
=2*A2+1
この数式は、A2の値を2倍してから1を加える計算です。
セル参照を使うことで、xの値を変えたときにyも自動で更新されます。
B2でEnterキーを押すと、xが-2の場合のyである-3が表示されます。
続いてB2の右下にある小さな四角形へポインターを合わせ、下方向へドラッグして数式をコピーします。
これがオートフィルです。
コピー後のB3は=2*A3+1、B4は=2*A4+1のように、行番号だけが自動で変化します。
数式を文字として表示してしまったときは、セルの表示形式が文字列になっていないか確認してください。
【操作のポイント】係数と切片を固定値で書く場合は、掛け算記号の入力漏れを防ぐとエラーを避けられます。
散布図と直線の挿入
A1からB6までをドラッグして選択します。
次に、Excel上部の挿入タブを開き、グラフの散布図から直線とマーカーを含む散布図を選びましょう。
この種類を選ぶと、A列の数値が横軸、B列の数値が縦軸として扱われます。
一次関数の作図には、数値軸を使う散布図が適しています。
折れ線グラフでも見た目は似る場合がありますが、横軸が文字の順番として処理されるため、xの間隔が不規則なときに正確な位置関係を表せません。
グラフが挿入されたら、グラフタイトルをクリックしてy=2x+1などへ変更します。
必要に応じて凡例、目盛線、軸ラベルを表示すると、レポートや授業資料でも読みやすくなります。
【操作のポイント】散布図の中でも直線付きの種類を選ぶと、点だけでは分かりにくい傾きが視覚的に伝わります。
2つの一次関数を同じグラフに表示する方法
| x | y=2x+1 | y=-x+4 |
|---|---|---|
| -2 | -3 | 6 |
| 0 | 1 | 4 |
| 2 | 5 | 2 |
続いては、2つの一次関数を1つの散布図で比較する方法を確認していきます。
異なる傾きや切片を重ねると、交点や増減の違いがひと目で分かります。
2本の直線を比較する場合は、xの列を共通にし、yの列を関数ごとに分けます。
関数ごとにy列を追加する方法
C1にy=-x+4のような見出しを入力し、C2以降へ2本目のyの値を計算します。
=-A2+4
マイナスの傾きを表すときは、=-1*A2+4としても同じ結果になります。
数式を下方向へコピーすると、A列のxに対応した値がC列へ並びます。
2つの関数でxの範囲をそろえることが、比較しやすいグラフにするコツです。
片方だけxの範囲が短いと、線の終点が異なり、意図しない見え方になることがあります。
係数を別セルへ入力する場合は、絶対参照も便利です。
=$F$2*A2+$F$3
F2に傾き、F3に切片を入力しておけば、係数だけを変更して複数の直線を試せます。
【操作のポイント】関数名を1行目の見出しに書いておくと、凡例にも反映されて判別しやすくなります。
データ範囲を選択したグラフ作成
A1からC6までを選択して散布図を挿入すると、通常はB列とC列が別々の系列として表示されます。
横軸にはA列が共通して使われます。
グラフ内の色が異なる2本の線は、それぞれ独立したデータ系列です。
意図した本数の線にならないときは、グラフを右クリックしてデータの選択を開きます。
系列の一覧にy=2x+1とy=-x+4が表示され、それぞれの系列値が正しいセル範囲になっているか確認してください。
横軸の値は、各系列でA2からA6を指定します。
片方の系列で横軸が空白になっていると、既定の連番が使われる場合があります。
系列名は、B1やC1のセルを指定すると更新の手間を減らせます。
【操作のポイント】散布図を作る前に空白行や不要な文字列を範囲から外すと、系列の誤認識を防げます。
交点とグラフの見やすさ
2本の直線が交わる位置は、連立方程式の解にあたります。
今回のy=2x+1とy=-x+4では、2x+1=-x+4として計算できます。
2x+1=-x+4
3x=3
x=1、y=3
Excelのグラフ上でも、x=1、y=3付近で2本の線が交わることを確認できます。
交点を正確に読みたい場合は、xとyの数値を表でも確認します。
線が見分けにくいときは、系列を右クリックしてデータ系列の書式設定を開き、線の色、太さ、実線や破線を調整しましょう。
マーカーの形を変更すると、白黒で印刷する資料でも識別しやすくなります。
軸の最小値と最大値を固定すれば、係数を変えた際のグラフ比較も安定します。
【操作のポイント】交点を含む範囲までxの値を設定すると、2本の関係を読み取りやすくなります。
一次関数の近似直線を追加する方法
| x | 実測値y |
|---|---|
| 1 | 2.1 |
| 2 | 4.0 |
| 3 | 6.2 |
| 4 | 7.9 |
続いては、実測データに近い一次関数をExcelで求める近似直線の追加方法を解説していきます。
データが完全な直線上に並ばない場合でも、全体の傾向を表す直線を表示できます。
近似直線は、データのばらつきを含めて最も近いと考えられる直線を求める機能です。
実測値から散布図を作る手順
実測値を扱う場合も、A列にx、B列にyを入力する構成は同じです。
1行目に見出しを置き、2行目から数値を入力してください。
測定値には小数点以下の差が出ることが多いため、セルの表示桁数を必要に応じて増やします。
表全体を選択してから、挿入タブの散布図を選びます。
この段階では、データ点だけが表示される散布図を選んでも問題ありません。
点の分布を見ると、右上がりか右下がりか、直線に近いかどうかを視覚的に判断できます。
近似直線を使う前に、極端に離れた値がないか確認しましょう。
入力ミスによる外れ値が含まれると、傾きや切片が大きく変わることがあります。
【操作のポイント】近似の対象には、見出しではなく数値が入った行だけを含めることが大切です。
線形近似曲線の追加
グラフ内のデータ点をクリックし、右クリックから近似曲線の追加を選択します。
近似曲線のオプションが表示されたら、線形を選びます。
線形は、y=ax+bの形で表せる一次関数に対応する種類です。
指数、対数、多項式ではなく、一次関数を求めたいときは線形を指定します。
数式をグラフに表示する項目へチェックを入れると、y=1.94x+0.15のような近似式がグラフ内に表示されます。
表示された係数は、データの範囲や表示桁数によって丸められます。
より多くの桁を確認したい場合は、数式ラベルを右クリックして表示形式を調整します。
【操作のポイント】近似曲線はデータ系列を選択してから追加すると、対象を間違えにくくなります。
決定係数と近似結果の読み方
近似曲線のオプションでは、グラフにR二乗値を表示することもできます。
R二乗値は決定係数とも呼ばれ、直線がデータの傾向をどの程度説明しているかを見る目安です。
値が1に近いほど、データは近似直線に近い形で並んでいます。
ただし、R二乗値だけでデータの品質を断定することはできません。
測定条件やデータ数、外れ値の理由も合わせて確認する必要があります。
近似式の傾きは、xが1増えたときにyが平均的にどれだけ変化するかを示します。
切片はx=0における推定値です。
x=0が実測範囲から大きく外れている場合、切片の解釈には慎重さが求められます。
【操作のポイント】数式とR二乗値を同時に表示すると、傾向と当てはまりをグラフ上で確認できます。
グラフの軸と系列を整える設定
| 設定項目 | 調整例 | 効果 |
|---|---|---|
| 横軸 | 最小値を-2 | 負のxを表示 |
| 縦軸 | 最大値を10 | 比較しやすい目盛 |
| 系列 | 線色を変更 | 関数を識別 |
続いては、一次関数の特徴が伝わるようにグラフの軸と系列を整える設定を確認していきます。
初期設定のままでも作図できますが、目盛や凡例を調整すると読み間違いを減らせます。
グラフの見た目を整える目的は装飾ではなく、傾き、切片、交点を正しく読み取れる状態にすることです。
横軸と縦軸の最小値・最大値
軸をクリックして右クリックし、軸の書式設定を選ぶと、最小値と最大値を変更できます。
自動のままでは、データ範囲の変化に応じて目盛の幅が変わることがあります。
複数のグラフを比較する資料では、軸の範囲を固定すると違いを公平に確認できます。
一次関数の切片を見せたい場合は、x=0とy=0が表示される範囲に設定しましょう。
主単位を1や2に設定すると、整数の位置を読み取りやすくなります。
【操作のポイント】比較用のグラフでは、同じ最小値・最大値にそろえると傾きの印象がぶれにくくなります。
Excel画面でのグラフ要素の設定
それでは、グラフ要素を追加する実際の画面操作について解説していきます。
グラフをクリックすると、リボンにグラフのデザインや書式のタブが表示されます。
グラフ右上のプラス記号を選ぶ方法でも、グラフタイトル、軸ラベル、凡例、目盛線を追加できます。
横軸ラベルにはx、縦軸ラベルにはyや測定値の単位を入力しましょう。
単位を含めた軸ラベルは、グラフだけを切り出して見たときにも意味を伝えます。
タイトルは、一次関数の比較、温度と時間の関係など、データの内容が分かる名称に変更します。
【操作のポイント】タイトルと軸ラベルは、グラフをクリックして表示されるグラフ要素から追加できます。
線の色とマーカーの変更
グラフ上の線をクリックすると、その系列だけを選択できます。
右クリックしてデータ系列の書式設定を開くと、線の色、太さ、破線の種類を変更できます。
2つの一次関数では、片方を青、もう片方をオレンジなどにすると判別しやすくなります。
マーカーを表示すると、元のデータ点と線の関係が分かります。
近似直線はマーカーなしの破線にし、実測データは丸いマーカーで示す方法も実用的です。
線とマーカーの役割を分けると、計算値と実測値を混同しにくくなります。
【操作のポイント】色だけに頼らず、線種やマーカー形状も変えると印刷時にも見分けやすくなります。
一次関数グラフで起こりやすいエラー
| 症状 | 主な原因 |
|---|---|
| 直線にならない | グラフ種類や数式の設定 |
| 横軸が不自然 | 折れ線グラフの使用 |
| 数式がコピーできない | 参照形式や文字列設定 |
続いては、一次関数のグラフ作成で起こりやすい問題と確認方法を解説していきます。
エラーの多くは、データ範囲、数式、グラフの種類のいずれかを見直すことで解決できます。
折れ線グラフを選んだ場合
折れ線グラフは、横軸をカテゴリとして扱うグラフです。
xが1、2、10のように不規則でも、横方向では同じ間隔に並んで表示されます。
そのため、数値の位置関係を正確に表したい一次関数には向きません。
x軸の間隔を正しく反映したい場合は、散布図へ変更します。
グラフを選択し、グラフのデザインからグラフの種類の変更を選び、散布図の直線付きタイプへ切り替えましょう。
切り替え後は、横軸の最小値や最大値も確認してください。
【操作のポイント】一次関数では、折れ線グラフではなく散布図を最初に選ぶと修正の手間を減らせます。
数式が正しくコピーされない場合
数式を下へコピーしたのにすべて同じ値になる場合は、セル参照にドル記号が付いていないか確認します。
=2*$A$2+1のようにA2が絶対参照になると、どの行でもA2だけを参照します。
xの値を行ごとに変化させる場合は、=2*A2+1のように相対参照を使います。
一方で、傾きや切片を別セルに置く場合は、その係数だけ絶対参照にする方法が有効です。
=$F$2*A2+$F$3
F2とF3を固定しながら、A2だけをA3、A4へ変化させられます。
【操作のポイント】コピー先で変えたい参照と固定したい参照を分けて、ドル記号を使い分けましょう。
近似式が表示されない場合
近似式が表示されないときは、近似曲線のオプションで数式をグラフに表示するチェックが入っているか確認します。
また、データ点ではなくグラフエリア全体を選択していると、近似曲線を追加できない場合があります。
散布図の系列をクリックし、選択対象がデータ系列になってから操作しましょう。
空白セルやエラー値が含まれると、近似結果が期待どおりにならないこともあります。
数値が左寄せで表示されている場合は文字列の可能性があるため、数値へ変換してください。
近似直線の対象は、計算に使える数値データだけに整えることが基本です。
【操作のポイント】近似曲線は系列を選択して追加し、数式表示の設定まで確認します。
まとめ 一次関数のグラフをエクセルで作る方法
Excelで一次関数のグラフを作るときは、xとyを表へ入力し、散布図の直線付きタイプを選択します。
y=2x+1のような数式は、B2に入力してオートフィルでコピーすると、xごとの値を効率よく計算できます。
2つの一次関数を比べる場合は、x列を共通にしてy列を追加し、同じ散布図に複数の系列として表示します。
実測値から関係式を求めたい場合は、線形の近似曲線を追加し、数式とR二乗値を表示すると便利です。
一次関数の作図では、数値軸を扱える散布図を使うことが最も重要なポイントです。
軸の範囲、凡例、線の色も整えれば、傾き、切片、交点を伝えやすいグラフになります。
数式の参照やデータ範囲を確認しながら、目的に合った一次関数グラフを作成していきましょう。